「レザーはエルメスにとって最初の素材であり、今もなお大切な存在です。170年以上にわたってこの素材と向き合い、妥協なき革新を続けてきたことで、レザーは私たち馬具工房にとって母国語のように自然な表現の手段になっています」(展覧会パンフレット序文より)。 上海、ローマ、ロンドン、マドリード、台北、香港を巡って日本に上陸したこの特別エキシビションは、エルメスの歴史的なプロダクトが一堂に会する特別な機会で、ピエール=アレクシィ・デュマの言葉通りの、レザーという素材を巡る叙情的な空間の旅でもあります。東京国立博物館 表慶館の1、2階をフルに活用した会場は12の部屋で構成され、エルメスを代表するバッグ「ケリー」と「バーキン」の部屋、馬具の部屋などテーマごとに展示されています。バッグ以外にも、個人オーダーされたレザー製手押し車や、野球のグローブとバットなど、普段あまり目にする機会がない珍しいプロダクトを