2005年を振り返るシリーズ【6】 2005年6月、ミュージカル・バトンの大流行現象が起こった。このブログでも初期に参加し、またその解説も合わせて書いている。 Musical Baton ミュージカル・バトン!(歴史+回答つき) [絵文録ことのは]2005/06/14 このミュージカル・バトンには批判もみられた。たとえば、「強制される感覚がいや」「ブログでのチェーンメールみたいなものなのだから、止めなければいけない」という批判から、「これは音楽業界のどこかが仕組んだマーケティングリサーチだ」という陰謀論に至るまで、一部で強い反発を招いたのも事実である。 だが、チェーンメールであれば絶対に(ネタにはしても)回すはずのないウェブのパワーユーザー、あるいは著名なネットワーカーも、このミュージカル・バトンにはこぞって参加している。そして、今もバトンは新しく作られ、どこかで回り続けている。 なぜミュ
http://www.math.tohoku.ac.jp/~kuroki/FN/relativism.html 最近、俗流のポストモダン的相対主義を批判するには、断固としてモダニズムでいくのもいいんだろうけど、ニーチェ的観点が有効かもしれないと思う。(それにしてもあたらしい思潮が前代の思想の内在的克服、上位互換になることを要求されず、「もうそんな時代じゃない」になってしまうのは、実に駄目なところだと思う。)通俗リベラルの抱く相対主義とは、ニーチェ的に言えば不能の表現なのだ。自らの暗黙に前提しているモラルに対して無防備な人間ほど、モラルを言揚げすることを嫌い、モラル一般を否定する。まさにそれこそが、制度としてのモラルの抑圧的機能なのだ。自然化され、モラルではないような「自然な成り行き」として提示されるものこそ、まさしく支配するモラルのなのである。そしてそれこそが現代思想の明らかにした知見であ
「オルテガ『大衆の反逆』、空地、国家」でオルテガを話題にしたところ、しあわせのかたちのsho_taさんより、「自由主義デモクラシーの賛美こそオルテガの真骨頂であり、これを取り上げるべき」とのご指摘を受けました。 そこで「美しい」として引用されていたのが以下の下りです。 政治において、共存への最も高度な意志を表明した形態は、自由主義的デモクラシーである。自由主義的デモクラシーは、隣人を考慮しようとする決意を極端に示しており、「間接行動」の典型である。政治権利の原則は自由主義であり、社会的権力はその原則に従って、全能であるにもかかわらず自分自身を制限する。つまり、最も強い人たち大多数の人たちである社会的権力は、自分が犠牲を払っても、自分が支配している国家のなかに、自分たちと同じように考えたり感じたりしない人びとが住めるような場所を残そうと努める。今日このことを思い出す必要があるが、自由主義とは
今まで何度か「ブログを非-mixi的・非-お付き合いの道具的に使うこと」について書いてきました(※1)。コメント欄の敷居の高さや、ブログ全体で用意しておく殺気や「壁」についてです。 ところが、中には「壁」そのものが見えない人がいます。いわゆる「空気が読めない人」です。 防壁を突破してくる人というのは二極分化していて、片方は侠気と知性に溢れた好人物、そしてもう一方が防壁を認識する能力すらない「空気が読めない人」です。真ん中のメインストリームはバッサリ切り捨て、という問題は脇に避けておくとして(笑)、この「壁が見えない人」の威力は凄まじいです。 「壁が見えない人」も大別すると二種類いて、一つは古典的なパラノイア。 昔からリアルでも壊れている人になつかれる傾向が強いのですが、このブログのテクストが彼・彼女の宇宙に突然ヒットしてしまったらしく、「それは冥王界で言うところの下位の神ですね!」的な熱烈
レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります いない「誰か」を見せるやりかた たとえば外界から隔絶した部屋の中で2人、カウンセラーと被験者とが6時間ぐらい。 被験者から話を聞いたカウンセラーは、常に隣の「誰か」と相談してから返答を返す。 被験者は、見えない「誰か」をいぶかしみながら、治療者たるカウンセラーに変な突っ込みも できなくて、5 時間目までそんなやりとり。 被験者と治療者。密室の中で、そんな歪んだ関係を5 時間も続けた頃には、 被験者の現実認識はカウンセラーに依存するようになっている。 カウンセラーが「力の勾配」を意図的に利用したならば、 被験者にはその意図に対して防衛するすべがない。 話も煮詰まった5 時間目。「……ですよね~」なんて、見えない 誰かと何百回目かの「相談」を行っ
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