実践 行動経済学 作者: リチャード・セイラー,キャス・サンスティーン,遠藤真美出版社/メーカー: 日経BP社発売日: 2009/07/09メディア: 単行本購入: 8人 クリック: 365回この商品を含むブログ (97件) を見る 邦訳のタイトルはミスリーディングだと思う。確かに前半は行動経済学の説明であるが、むしろそれはツールとしての必要からなされていて、主眼は著者の政治的立場である「リバタリアン・パターナリズム」の内容とその実践に関する説明の方にある。そしてそこにこそ、小さな政府と大きな政府という古典的な対立では捉えられない、現代社会の変化をとらえた本書の重要な問題提起があると思う。 例えば、金融危機の後、もっとも必要なのは適切な金融市場の規制であり、ケインズ的な、すなわち裁量的な財政金融政策を安易に復活させるのは誤りだ、という主張が「小さい政府」の支持者から唱えられた。しかし、僕は
ノーベル賞メダル 昨年(2016年)、ノーベル経済学賞のときにニコニコ動画に呼ばれ、予想ごっこと、受賞後のコメントを田中秀臣と、反アベノミクスのあまりにお手軽な本を書いている小幡績、そして電話参加の安田洋佑といっしょにやりましたよ。去年は、ハート&ホルストロームで、契約理論というマニアックな分野だったので、正直いってぼくは(そしてその他の来場者)はあまりコメントできず、電話での安田氏の独壇場みたいになったっけ。 さて今年もまたやってきましたノーベル賞シーズン。今年もまた、ニコ動で同じくノーベル経済学賞野次馬大会を開くとのこと、それとあわせて、ここでも山形の予想をアップしておいてくれ、とのこと(それも出演料の一部ということで)。 live.nicovideo.jp さてことしは契約理論とかはもうキャッシュがクリアされた。ゲーム理論とかもしばらく前にあった。だからもう少しわかりやすい分野にくる
政党システム、不安定に 近年の日本政治の顕著な特徴の一つとして、大都市圏における地域政党の台頭が挙げられる。「大阪維新の会」「都民ファーストの会」の躍進は、都市部の政治を間違いなく活性化した。しかし、その一方で、国政政党の都市部に対する影響力が衰え、政党システムは不安定化している。本書は、このような状況がなぜ、どのようにして生じたのかを鋭く分析している。 一九九四年の小選挙区制の導入以降、中央政界では自民党の一党優位が崩れ、二大政党化が進んだ。しかし民主党は、国政レベルで勢力を伸ばしたものの、地方議会では確固たる支持基盤を確立できなかった。自民党は、農村部で圧倒的な強さを維持したが、都市部では脆弱(ぜいじゃく)であった。そうした中で、地方分権改革により強い権限を獲得した首長が、地方レベルの政策決定過程で影響力を増し、地方議会では首長を支持する地域政党が伸張した。このように、一九九〇年代以降
イングランド銀行の独立性獲得20周年記念コンファレンスにサマーズがコメントを寄せ*1、祝辞を述べつつも、中銀が独立的であるべき理由は以前より弱まっている、と指摘した。それに対しTony Yatesが逐一反論している。以下はその概要(主項がサマーズの見解、副項がYatesの反論)。 ブレトンウッズ崩壊後の規律の乱れを経て、政治は反インフレの規範を内面化した。そのため、政治との断絶はそれほど重要なものではなくなった。米欧日での中銀批判が、ハト派よりもタカ派側から遥かに多く来ていることは注目に値する。 英国では金融政策の党派ごとの見解のばらつきはより対称的である。リチャード・マーフィーの「人々の量的緩和」という考えを掲げたコービン=マクドネルの党首選キャンペーンや、マクドネルがBOEをエスタブリッシュメントの手先として敵視していたことを想起すべし。さらに、金融政策は格差を目標とすべきか、という新
7日エントリで紹介した税負担の問題について、ケビン・ハセットCEA委員長がTax Policy Centerで講演したのに対し、クルーグマンがトンデモ経済学だと批判している。その上で、危機後にそうしたトンデモ経済学が生み出された過程を以下のように説明している。 When the financial crisis struck, there were many calls for new economic ideas – even an Institute for New Economic Thinking. The implicit story, pretty much taken for granted as true, was that the crisis proved the inadequacy of economic orthodoxy and the need for fun
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