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ブックマーク / lichtung.hatenablog.com (16)

  • ポルノグラフィの何がわるいのか:修士研究公開 - Lichtung

    『ポルノグラフィの何がわるいのか』という修士論文を書きました。 間違えられますがバンドの「ポルノグラフィティ」ではなくて。性的な画像とか映像とかのポルノグラフィです。それの何がわるいのか。現代美学と呼ばれる学問からアプローチしました。 この研究を読むとあなたは何ができるようになるのか わたしは兵庫県は神戸で現代美学・批評を行っている難波優輝です。 なんで美学者がポルノグラフィの何がわるいのかを考える必要があるのか。ポルノグラフィの何がわるいのかをめぐって人々が議論しているからです。 ほんとうにそれだけなら美学者の出番はありませんが、人々の議論はどうもうまくいっていない。 なぜうまくいっていないのか? それが修士の二年間でわたしが取り組んだ問いです。 なぜうまくいっていないのかを明らかにすると何がうれしいのか? 課題を明確化することは課題解決につながるからです。 そしてこれからわるさをめぐる

    ポルノグラフィの何がわるいのか:修士研究公開 - Lichtung
  • 音楽の哲学にはどのようなトピックがあるのか - Lichtung

    はじめに じぶんが分析美学の研究をはじめるにあたって、芸術の哲学、分析美学の研究者の森功次さんの記事「分析美学にはどのようなトピックがあるのか」*1におおいに助けられました(森 2015)。そこで、稿では、音楽の哲学、音楽美学をはじめようと考えている方のヒントになればと思い、どのような問いが問われているのかをまとめました。 項目は、英語圏の分析美学の教科書のひとつであるThe Routledge Companion to Philosophy of Music*2の第一部を参照しています。 解説は、何が問われているのか、それを問うと何がうれしいのかを中心に、可能であれば、関連する文献を紹介しています。 それでは、ここからさらに、音楽の哲学を加速させましょう。ちなみに、二万字弱あります。個々のトピックと説明は独立しているので、一気に読まず、お好きなときにつまみ読みしてくだされば。 はじめに

    音楽の哲学にはどのようなトピックがあるのか - Lichtung
  • 現代存在論講義I ファンダメンタルズ 倉田剛 まとめノート0 目次 - Lichtung

    ・公式サイト目次→現代存在論講義 I ・まとめノートリンク 第一講義 イントロダクション 存在論とは何か→現代存在論講義Ⅰ ファンダメンタルズ 倉田剛 まとめノート その1 - Lichtung 第二講義 方法論あるいはメタ存在論について→現代存在論講義Ⅰ ファンダメンタルズ 倉田剛 まとめノート その2 - Lichtung 第三講義 カテゴリーの体系 形式的因子と形式的関係→現代存在論講義I ファンダメンタルズ 倉田剛 まとめノート その3 - Lichtung 第四講義 性質に関する実在論→現代存在論講義I ファンダメンタルズ 倉田剛 まとめノート その4 - Lichtung 第五講義 唯名論への応答→現代存在論講義I ファンダメンタルズ 倉田剛 まとめノート その5 - Lichtung

    現代存在論講義I ファンダメンタルズ 倉田剛 まとめノート0 目次 - Lichtung
    o_secchan
    o_secchan 2019/04/14
  • 分析美学のQ&A:落語と幻想文学、正しい批評、メタ分析美学 - Lichtung

    はじめに 稿は、分析美学の(ひとつの)質問箱にて受け付けた質問に答える記事です。分析美学に関するトピックに興味のある方の参考になれば。 はじめに 質問1:落語と幻想文学 質問2:正しい批評 質問3:メタ分析美学 注 質問1:落語と幻想文学 Q.1:「友達が落語と幻想文学の共通性をテーマに苦しんでいます。何かヒントはありますでしょうか」(明智小五郎さん) A.1:おもしろい質問ですね。落語と幻想文学。人生ではじめて口にしたならびです。「共通性をテーマに苦しんで」いるとのこと。わたしは「共通性を見出したい」と理解しました。どちらも詳しくないので一般的なヒントを二点だけ。 まずは、それを問う意義はどんなものか考えてみるとよいです。落語と幻想文学の共通性を見出すと何がうれしいのか。なぜその作業に意味があるのか。友人が彼/彼女自身の家族やあなたを納得させうる説明を組み立てていくなかで、問うべき問い

    分析美学のQ&A:落語と幻想文学、正しい批評、メタ分析美学 - Lichtung
  • 詩の哲学入門 - Lichtung

    はじめに 詩(poetry)とは何か、詩は翻訳できないのか、詩の形式と内容とはどう関係しているのか、詩における「わたし」とは誰か、詩の真理と深遠さとは何か、歌詞、詩、短歌、これらのジャンルにはどのような特徴があるのか。こうした問いを哲学的に問う学問領域は近年、「詩の哲学(Philosophy of Poetry)」として、活発な広がりをみせている。 稿では、詩の哲学において問われている問いを提示することでこの分野の輪郭を描くとともに、その意義を示すことで、詩について哲学的に考えるおもしろさを伝えることを試みる。 稿の構成は以下の通り。第一に、定義論とその意義に触れ、第二に、翻訳不可能性、形式と内容の統一性について、第三に、詩における「わたし」とは誰なのかを考察し、第四に、真理と深遠さに関する議論を概観する。第五に、詩の哲学の意義をあらためてまとめ、さいごに、短歌、現代詩、歌詞といった詩

    詩の哲学入門 - Lichtung
  • 概念工学と概念倫理学 - Lichtung

    はじめに 稿では、近年、いっそう活気づいている哲学的な方法論のひとつ、概念工学、および、概念倫理学に関するかんたんな紹介を行います。哲学における概念創造について考えているひとや、どのような概念をつかうべきかを気にしているひとには、いくらかヒントになるかもしれません。 概念工学ということばは、いくどか言及されていますが*1、概念工学とはなにか、それのなにがうれしいのか、どのような問題があるのかについて、アクセスしやすいかたちでの、あるていど以上くわしい日語の解説を探していました。 しかし見当たらず、なら書いてしまおう、ということで、稿では、哲学の文献データベースサイトであるPhilPapersのエントリ「概念工学」の訳と、それに加えて、いくつかの論文を読んだうえでの覚え書きを書き添え、概念工学と概念倫理学のおおまかな輪郭を描くことで、この興味ぶかい分野のかんたんな案内をします。 はじめ

    概念工学と概念倫理学 - Lichtung
    o_secchan
    o_secchan 2018/09/29
  • 芸術と倫理、倫理的批評 - Lichtung

    芸術の倫理と倫理的批評に関するサーベイ論文を読んだのでまとめました。「倫理的批評って可能なの?」「芸術作品と倫理はどう関わるの?」といった疑問を抱いている方はご一読ください。 ・Giovannelli, Alessandro. "The ethical criticism of art: A new mapping of the territory." Philosophia 35.2 (2007): 117-127. 倫理的批評とはなにか 三つの原則 新しい分類法 ヴァリエーション 「地獄変」のケース マッピングの利点 注 倫理的批評とはなにか 芸術は倫理的に批評しうるか、という問いは、20世紀の後半にはいってふたたび分析美学のまじめな問いとして見直されることとなった。それに伴い、分析美学において芸術とその倫理的批評に関するさまざまな立場が現れた。この論文では、そうした立場を実践に沿うよ

    芸術と倫理、倫理的批評 - Lichtung
  • A. W. イートン「(女性の)ヌードのなにがわるいのか?」PART II - Lichtung

    PRT I→http://lichtung.hatenablog.com/entry/2018/03/17/215144の続きです。 Art and Pornography: Philosophical Essays 作者: Hans Maes,Jerrold Levinson 出版社/メーカー: Oxford Univ Pr 発売日: 2015/09/01 メディア: ペーパーバック この商品を含むブログを見る メイル・ゲイズ 個体と一般 性的モノ化の何が問題なのか? 1. 衣服を着た男性、服を脱いだ女性 2. 膨大な女性のヌード 3. ヌードのマナー 4. 女性芸術家の排除 まとめ 疑問 メイル・ゲイズ 前エントリの紹介までで、イートンの分析によって、視覚芸術が性的モノ化を行うことが示され、これにより、 女性のヌード作品の 第一義的な機能が視覚的にエロティックな快の供給にあることが明ら

    A. W. イートン「(女性の)ヌードのなにがわるいのか?」PART II - Lichtung
  • A. W. イートン「(女性の)ヌードのなにがわるいのか」PART I - Lichtung

    芸術的価値の周辺を探索しています。 Art and Pornography: Philosophical Essays 作者: Hans Maes,Jerrold Levinson 出版社/メーカー: Oxford Univ Pr 発売日: 2015/09/01 メディア: ペーパーバック この商品を含むブログを見る 『芸術とポルノグラフィ』に収録のA. W. イートンの「(女性の)ヌードのなにがわるいのか」*1 裸婦画に代表される「衣服を脱いだ女性の体を第一義的な主題とする芸術的表象のジャンル」としての「女性のヌード(作品)」の問題を扱っている。 この論文の目的は、こうした「女性のヌード」がなぜフェミニズム批評のなかで問題となってきたのかを、フェミニズム研究のうちでの暗黙の了解を前提とせずに説明することだ。 著者のイートンはこう語る。 残念ながら、女性のヌードに関するフェミニスト研究は、

    A. W. イートン「(女性の)ヌードのなにがわるいのか」PART I - Lichtung
  • ノエル・キャロル『批評について』 - Lichtung

    『批評について』について アメリカはニューヨーク市立大学に勤めている著名な美学者ノエル・キャロルの著作『批評について』(邦訳:2017年 原著:2009年)は次のひとつの問いを問うています:「批評とは何か、そしてそれはどのようなものであるべきか」。 批評とは何かを問う彼の意図は、同時代の批評家が作品への価値づけから撤退していることに異を唱え、価値づけに関わっていく批評の、そして批評家のありうべきあり方を説得的に示すことにあります。過剰なレトリックに頼ることなく、印象批判に陥らないよう注意しながら、前提にもとづいて主張し、予想される反論に対して応答し、さらに再反論とぶつかり合うことによって議論が進められ「批評とは、理由にもとづいた価値づけである」との主張が展開されます*1。 四つの主張 キャロルは、批評について、四章にわたって、おおきく四つの主張を行なっています。 一つ目は、批評とは理由にも

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    o_secchan 2018/03/05
  • SEP:社会的構成への自然主義的アプローチ - Lichtung

    イントロダクション 社会的構成(social construction)、構成主義(constructionism)、構築主義(constructivism)は、人文社会科学の分野で幅広く使われている用語であり、感情、性別、人種、性別、ホモ・セクシュアル・ヘテロセクシュアル、精神疾患、技術、クォーク、事実、現実、真実といった幅広い対象に関して用いられる。社会構成主義は、おおまかに言えば、こうしたいっけん自然な事実であるようにみえる概念たちが社会的要因によって構成されていることを主張する立場である。このような用語はさまざまな言説においてそれぞれの役割を担っており、そのいくつかは哲学的に興味深いものの、「自然主義的(naturalistic)」なアプローチを採用しているものは少ない。ここで、「自然主義的アプローチ(naturalistic approach)」とは、科学を中心的な、そして(とき

    SEP:社会的構成への自然主義的アプローチ - Lichtung
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    o_secchan 2018/02/14
  • デイヴィッド・ベネター『人間という苦境』第1章 イントロダクション - Lichtung

    『人間という苦境——人生の問題への率直なガイド』 The Human Predicament: A Candid Guide to Life's Biggest Questions *1 はじめに 第1章 イントロダクション 1. 人生の大問題 Life's big questions 2. 悲観主義と楽観主義 Pessimism and optimism 3. 人間の苦境と動物の苦境 The human predicament and the animal predicament 4. 伝えるべきか、伝えざるべきか To tell or not to tell? はじめに 著者のベネター(David Benatar, 1966—.)は南アフリカ共和国、ケープタウン大学の哲学科教授。著書に『生まれてこないほうがよかった――生まれ出るという害悪(Better Never to Have Be

    デイヴィッド・ベネター『人間という苦境』第1章 イントロダクション - Lichtung
  • 「美学における理論の役割」 モーリス・ヴァイツ - Lichtung

    概要 分析的な芸術の定義論争がこの論考からはじまったとされる、モーリス・ヴァイツ(Morris Weitz, 1916-1981)の古典的な論文「美学における理論の役割」(1956)(Weitz, Morris. 1956. “The Role of Theory in Aesthetics.” The Journal of Aesthetics and Art Criticism, XV: 27-35.)のまとめです。 まとめ ヴィトゲンシュタインの家族的類似の概念を芸術の定義に援用し、あるものが芸術作品であるかどうかを判断する必要十分条件を見つけ出すことはできないとする。 概念には外延が定まった閉じた概念と、要素が変動する開いた概念とがある。 過去の芸術の理論は、特定のしかたで特定の芸術の特徴にわたしたちの注意を促す提案のまとめとして理解できる。 キイ・ワード 家族的類似、開いた概念、

    「美学における理論の役割」 モーリス・ヴァイツ - Lichtung
  • 芸術社会学とともに、芸術社会学に抗して。ザングウィルとファウラー(1) - Lichtung

    はじめに 稿は、ニック・ザングウィル「芸術社会学に抗して」(2002)(Zangwill, Nick. "Against the sociology of art." Philosophy of the Social Sciences 32.2 (2002): 206-218.)のまとめです。 ザングウィルはこの論文において、「なぜひとは芸術作品をつくり、鑑賞するのか?」という問いに対して、芸術家と鑑賞者の動機と意図を社会的な要素や経済的な要素、すなわち美的ではない要素に還元することで答えようとする芸術社会学的な説明を批判しています。そして、芸術作品をつくること、そして鑑賞すること、このふたつの行為の理由を捉えるためには美的な要素に注目する必要があると主張します。 このザングウィルの論文への応答論文(Fowler, Bridget. "A Note on Nick Zangwill'sA

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    o_secchan 2017/10/30
  • 「芸術の定義とファインアートの歴史的起源」 - Lichtung

    概要 近代社会のうちで芸術は質的にイデオロギー的な機能を持つ。もしこの主張が正しいのなら芸術の定義をめぐる議論は見当違いなもので、取りやめられるべきものである。とする、クロウニーによる「芸術の定義とファイン・アートの歴史的起源」のまとめノートです*1。 まとめ 近代的な芸術の体系(≒芸術の定義)は論理的に定められているのではない。それはイデオロギー(経済的、階級的、社会的な機能を持ちつつもその機能の存在を隠蔽しながら作動するもの)的であり、その機能に従って芸術/非芸術の判別を行っている。これを穏健なイデオロギー説と呼ぶ。この説に従えば、論理的な芸術の定義づけの試みが見当違いであることが判明し、加えて、芸術/非芸術の境界に関するよりより説明が可能になる(かもしれない)。 キイ・ワード イデオロギー、芸術の定義、ファイン・アート 概要 まとめ キイ・ワード I. イントロダクション II.

    「芸術の定義とファインアートの歴史的起源」 - Lichtung
  • エイミー・L. トマソン「芸術の存在論論争:わたしたちはなにをしているのか? 」 - Lichtung

    はじめに 稿は、芸術の存在論(ontology of art)は諸芸術をひとつに包括するような単一の説明を目指すべきではなく、わたしたちの実践の分析にもとづいた存在論として組み立てられることが必要であると主張する、哲学者エイミー・トマソンの論考のまとめである。ごく簡単な各章のまとめを記載している。 はじめに 書誌情報 論 概要 イントロダクション 1. 近年の観点 2. 論争を評価する:わたしたちはなにをしているのか? 3. 答えられない問い 4. 改訂的応答 5. 結論 コメント どんな論文? 有用さ 発展性 関連文献 メモランダム 書誌情報 Thomasson, Amie L. "Debates about the ontology of art: what are we doing here?." Philosophy Compass 1.3 (2006): 245-255.

    エイミー・L. トマソン「芸術の存在論論争:わたしたちはなにをしているのか? 」 - Lichtung
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