ロシアとつながる天然ガスパイプライン「ノルド・ストリーム」の地上施設=ドイツ北部ルプミンで2025年3月17日、宮川裕章撮影 バルト海につながる港湾を望むドイツ北部ルプミン。運河の向こう側に、ロシアと結ぶ海底パイプライン「ノルド・ストリーム」(NS)の地上施設がみえる。約1200キロ離れたロシア西部から送られた天然ガスはバルト海底を通り、ここから上陸し、欧州各国に供給された。観光シーズンを前に人けのない港にはプレジャーボートが並び、海鳥の鳴く声だけが聞こえる。 投じた巨額の建設費 NSはドイツ、欧州とロシアの蜜月時代の象徴だ。2022年2月のロシアによるウクライナ全面侵攻の開始前、露産天然ガスは欧州連合(EU)の輸入量の約4割を占め、最大の輸送ルートがNSだった。
