福島県は31日、東京電力福島第一原発事故による健康影響を調べる甲状腺検査で、今年4月から6月末までに新たに1人が甲状腺がんと診断されたと発表した。検査対象となる事故当時18歳以下だった約38万5千人のうち甲状腺がんと確定したのは合計104人になった。 2011年から昨年3月末までの1巡目の検査結果を基準に、2巡目以降の検査結果と比べ、がんが増えるかどうかをみる。これまで1巡目検査で98人、今年度末まで続く2巡目検査で計6人ががんと診断された。 県検討委員会は「チェルノブイリ原発事故で甲状腺がんになった子どもの被曝(ひばく)線量や年齢といった過去の知見を踏まえると、現時点では福島で見つかった甲状腺がんは原発事故の影響とは考えにくい」としている。(大岩ゆり)