岸田今日子さん演じる『お姉様』の愛情をたっぷりと受け、上品にお洒落に生きていた保毛男ちゃん。当時私も、同級生から「お前もホモなの?」と訊かれた際には、「それはあくまで噂でございます」と答えられるぐらいの優雅さを持とうと思ったものです。この切り返しの感性こそが、『踏んだウンコを好機に変えられるかどうか』のサバイバル力なのだと思います。しかしながら、中学生がその機転と勇気を持つのは難しかったことも事実。それでも私は陰口を叩かれるより、たとえ揶揄やからかいだとしても、正面切って『ホモ』だ『オカマ』だと言われ、それに立ち向かう方が『男らしい』と判断する子供でした。故に、保毛男ちゃんは、私にとって『アイドル』に成り得たのかもしれません。あくまで、『そういうホモもいる』という一例ですが。 何はともあれ、『差別的なものに蓋をする』だけでは、何の意味もないことにそろそろ気付かないと。『多様性への理解と配慮