現在の日本の医師不足は、患者が急に増えたせいでも、医師が急に減ったせいでもない。医師の偏在と、医療の複雑化によって医師の業務が急激に増えたことが原因である。 前者については、勤務環境の改善が望まれるが、後者について、知人の医師がこんな提案をした。看護師にもっと活躍してもらったらどうかというのだ。 最近は看護学校も四年制大学が多く、博士課程まであって、優秀な人材が増えている。だからこれまでより高いレベルの医療行為を任せても、十分安全に行えるはずである。たとえば、手術中の安定期の麻酔管理、リスクが低い患者の術後管理、感染や出血のない傷の処置、救急でない患者の問診、検査や手術の一般的な説明等々。 日本は絶対安全願望が強いので、何でも医師にさせようとするが、さほど危険を伴わないものや、専門的な判断を必要としないものは、医師でなくても十分できる。そこで看護師の資格を格上げして、一部の医療行為を任せた