中堅・中小企業を攻めるITベンダーが、米国流の協業戦略を持ち込み始めた。販売パートナーとの間に「卸業者」を介することで、商品供給から後方支援まで、均質なサービスを提供する。三者の新しい役割分担が業界に根付こうとしている。 シスコシステムズが、手付かずだった中堅・中小企業(SMB)の攻略に、今夏から乗り出す。狙うのは、「社員数が3000人以下から数十人規模まで」(吉野孝行取締役・営業担当)の企業である。このうち、特に重点的に攻めるのが500人以下の企業だ。既存パートナーも営業が手薄になっており、シスコ製品の存在感がほとんどない顧客層だからだ。 そこで、シスコは新たな販売戦略を日本に持ち込む。これまで縁遠かった、中小や地場のソリューションプロバイダを販売パートナーとして開拓し、今年度前半にも1000社を獲得。併せて大手ディストリビュータ(卸業者)との協業を5月中にもまとめ、多数あるパートナーへ