噴煙を上げるインドネシアのムラピ山=ロイター 【ジャワ島スレマン県(インドネシア中部ジョクジャカルタ特別州)=郷富佐子】インドネシア・ジャワ島中部で先月26日から噴火を続けるムラピ山(2968メートル)の避難地域に4日、入った。火砕流に巻き込まれるなどして犠牲となった約40人には、同山の守護者としてあがめられてきた老人もいる。世界最大のイスラム教国ながら民間信仰の盛んな地域で、人々の不安は広がっている。 「山が怒っている。守護者が亡くなったので、噴火はますます長引くだろう」。火口から約13キロのスレマン県プルウォビナングン村。1日から避難所で暮らすスカルディさん(70)は、降りしきる雨のなか、心配そうに話した。 これまでで最大規模の噴火を記録した3日に続き、4日午前(日本時間同)にも噴火した。普段なら間近に見える同山は、噴煙と大雨にかすみ、周辺のトウモロコシ畑や水田にも火山灰が厚