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ブックマーク / agora-web.jp (54)

  • 靖国神社って何?

    安倍首相の靖国神社参拝が話題になっています。実際に行った小学生は少ないと思いますが、これは東京の九段にあります。都心なのに静かで緑の多い、美しい神社です。 これは幕末に天皇家の社としてつくられ、「東京招魂社」と呼ばれていました。明治時代に靖国神社という名前になり、政府が運営するようになりましたが、これは昔も今も国のために命をささげた人をまつる神社ではありません。 それは天皇家のために死んだ人をまつる私的な神社なので、勤王の志士として死んだ坂龍馬はまつられていますが、彼らを殺した新撰組はまつられていません。しかし明治維新までは徳川幕府が正式の国で、勤王の志士はそれを暴力で転覆しようとするテロリストでした。新撰組は京都を警備する警官だったので、国のために死んだのは彼らです。 要するに「勝てば官軍」なのです。だから明治維新の最大の功労者である西郷隆盛もまつられていません。西南戦争で政府(天皇家

    靖国神社って何?
  • 安倍首相は、オバマ政権にとっての鳩山由紀夫(右翼のルーピー)となった

    安倍首相の靖国参拝は人、その側近及び信者には驚くべき、世界の人間からは当たり前の反応をもたらした。その中でも、米国からの一撃はかなり衝撃的だった。この「disappoint」という米政府の言葉、実は外交用語としてはかなり重いのだ。この言葉は、最近ではオバマ大統領がスノ―デンを匿うことを決断したロシアに、ネタニヤフ首相がテロ攻撃を放置するアッバス議長に使っている言葉であり、外交儀礼上はかなり上位の警告とされている。少なくとも、上記でみたように仮想敵国一歩手前の国家に使う言葉であって、同盟国に対して使う言葉ではない。 なぜ、日米同盟という世界でも類を見ない同盟関係でこんな言葉が使われてしまったのだろうか。それは、米国から見れば安倍首相が鳩山氏と同じだからである。ありていに申せば、安倍首相は、左翼ではなく、右翼のルーピーなのである。 なぜ、親米派のはずの安倍首相は、鳩山氏と同列なのか。 それは

    安倍首相は、オバマ政権にとっての鳩山由紀夫(右翼のルーピー)となった
  • 日銀のリフレ政策と国債バブル

    日5日の国債市場は乱高下した。また、株式市場、為替市場も大きく動いた。昨日4日に、黒田新総裁の下では初めてとなる金融政策決定会合で決定された「異次元の金融緩和」の発表を受けてのものだ。なるべく早期の年率2%のインフレを実現するため、今後2年でマネタリーベースを2倍に拡大し、2年で長期国債の保有残高を2倍以上に、TOPIX ETF、J-REITなどのリスク資産の保有残高も2倍に拡大し、国債の平均残存期間も現在の3年程度から7年以上にする。マーケットが想定していた量的緩和のフルコースを全て実施するとともに、その規模も事前予想を大きく上回った。これはリフレ政策そのものである。この日銀のリフレ政策発動により、朝方の日経平均の上げ幅は一時590円を超え、また、すでに4日に0.425%と史上最低となっていた国債長期金利(満期10年)は、今日の朝方には0.315%となり史上最低記録を更新した。為替市場

    日銀のリフレ政策と国債バブル
  • 新たな量的緩和の効果

    黒田新体制になって最初の金融政策決定会合で打ち出された緩和策は、さすがと思わせる「気度」を示したものであった。これが、人々や企業の「期待」という掴みがたいものにどのような影響を及ぼすかは、率直にいって私にはよく分からない。しかし、もう少し実体があると思われるレベルでの効果については、多少は推論してみることが可能なので、それについて述べておきたい。 資金の供給量を2倍にするとか、ベースマネーの量を2倍にするとかいわれると、錯覚しやすいと思われるが、長期国債を買い上げる代わりにベースマネーが供給されるわけだから、ベースマネーが増える分だけ民間銀行が保有する長期国債の額は減っている。すなわち、別に民間銀行(ましてや家計や企業)の購買力が増加するわけでもなんでもない。民間銀行の保有する金融資産の内訳が変更されることになるだけである。民間銀行の保有する金融資産の総額は一定のままである。 増加を予定

    新たな量的緩和の効果
  • 「解雇ルール」についての誤解

    政府の産業競争力会議などで「解雇ルール」の議論が始まった。しかし先週、「朝まで生テレビ」でも言ったように、この議論には誤解がある。中小企業では解雇が行なわれているが、大企業では労基法にいう解雇はほとんど行なわれていないのだ。 書によれば、大企業は業績が赤字にならない限り、ほとんど人員整理を行なわない。行なうのも2年以上にわたって赤字が出た場合で、東京都の調べによる1991~6年の実施率(中小企業も含む)は次のようなものだ: 新卒採用の停止:68.3% 配置転換:76.7% 出向・転籍:48.3% 一時帰休:25.0% 希望退職の募集:31.7% 指名解雇:13.3% このうち1~4は人員整理とはいえないし、5は法的には依願退職なので解雇にはあたらない。「解雇ルール」が適用されるのは6だけだが、これは「整理解雇の4要件」などの判例で事実上禁止されているので、倒産まぎわの企業しかできない。こ

    「解雇ルール」についての誤解
  • 平清盛はグローバリストか? ─TPP論争・誤解の構図─ --- 呉座 勇一

    先日、私が幹事を務めている私的な勉強会で、與那覇潤氏を招いて『中国化する日』の合評を行った。1000年の歴史を“蛮勇”をふるって300ページで語ったであるだけに、専門家が細かく見ていけば色々とツッコミ所はある。だが、いちいち揚げ足取りをしても生産的ではないので、個別的な問題には立ち入らず、なるべく書の全体を議論するよう心がけた合評会であった。 しかし(当日は自粛したものの)日中世史を専攻する身として、どうしても違和感をぬぐえなかったのが、源平合戦の評価である。與那覇氏は書の中で、市場競争中心の「グローバリズム」を推進する西国の平氏政権と農業重視の守旧派勢力たる坂東武者が争い、勝利した後者が「反グローバル化政権」たる鎌倉幕府を築いたと説いている(45・46頁)。この辺りの記述が、一時期「第三の開国」と呼ばれたTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を意識したものであることは疑いない。す

    平清盛はグローバリストか? ─TPP論争・誤解の構図─ --- 呉座 勇一
  • 機械との競争

    マンキューのブログで紹介されていたので、Erik Brynjolfsson and Andrew McAfee, Race Against The Machine(『機械との競争』)を読んでみた。キンドル版で5ドル99セントしかしない(というには分量の少ない、パンプレットのような著作)である。タイトルは、ジョン・コナーに率いられた人類が機械(ターミネータ)と戦うといったイメージを想起させるが、デジタル技術革新の加速化が経済と雇用に及ぼすインパクトを考察した経済書である。 ★★★★☆ 正直に言って、少なくとも私にとって書かれている内容自体は何ら目新しいものではなかった。たぶんこれは、わが国には池田信夫氏というITと経済学を専門とする希有な書き手がいて、既に『過剰と破壊の経済学- 「ムーアの法則」で何が変わるのか? 』などの著作を目にしてきているからだろう。しかし、いまの時点で改めて理解を確

    機械との競争
    oyoyom
    oyoyom 2013/02/01
  • 核科学者が解読する北朝鮮核実験--技術進化に警戒必要

    東京工業大学助教 澤田哲生 北朝鮮の国防委員会は2013年1月24日、国連安全保障理事会の制裁決議に反発して、米国を核兵器によって攻撃することを想定した「高い水準の核実験」を実施すると明言した。第三回目となる核実験。一体、高い水準とは何を意味するのだろうか。小型化、高濃縮ウラン、同時多数実験をキーワードに解読する。 (編集部より・写真は広島に落とされたリトルボーイ。Wikipediaより。日人には怒りを伴う写真だが、核が日に使用された歴史上の事実、そして引き続き日が核の脅威にさらされている現実は受け止めなければならない。) 高いハードルではない弾頭小型化 小型化とは正確には小型軽量化である。爆発規模が小型であることを必ずしも意味しない。要するに、手持ちの運搬手段(ミサイル)に搭載して、攻撃目標(例えば米国のワシントンDC)まで、運んでいくことが可能な軽量化が第一義的に重要である。兵器

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    oyoyom
    oyoyom 2013/01/27
  • 金利がある世界に戻るとき(やや技術的)

    インフレ目標2%を掲げて、それが実現するまで「大胆な金融緩和」を続けるという方針の政権が誕生しようとしている。そこで、そうした方針が功を奏して、消費者物価上昇率が2%程度の状況が実現したら、どうなるかを少し考えてみたい。といっても、すべてがどうなるかを考えるのは大変な作業なので、ここでは国債の需給への影響だけを考えてみることにする。 現在、日銀行のバランスシートをみると、資産・負債残高は約160兆円となっている。丸めていうと、負債の内訳は、準備預金40兆円、日銀券発行残高80兆円、売り現先勘定30兆円、その他10兆円というところである。他方、資産の内訳は、国債110兆円、リスク資産+外貨資産10兆円、日銀貸出30兆円、その他10兆円というところである。国債整理基金特別会計向けが大宗を占める売り現先勘定による資金調達分を相殺すると、日銀行は、ネット80兆円の国債を保有している計算になる。

    金利がある世界に戻るとき(やや技術的)
  • 戦後なぜハイパーインフレになったのか

    「安倍総裁:建設国債の全額日銀引き受け検討 独立性懸念」というニュースを目にしました。現在の財政状況から考えてさすがに危ないかなと思います。ちょうど今の政府債務が対GDP比で戦後直後とほぼ同じ水準(参照)ですので,戦後のハイパーインフレがどのように生じたのかは参考になると思います。 戦後のハイパーインフレは日銀引き受けが引き金となりました。そして,ハイパーインフレと財産税及び預金封鎖により社会構造が大きく変化しました。重要なのは,現在ハイパーインフレが生じた場合は,格差はリセットされずますます広がるということです。そういう人にとって財政破綻は悲惨であり,社会としても絶対に避けなければいけません。 戦後のハイパーインフレというと,モノ不足やブラック・マーケットが思い浮かびますが,そういった需給のアンバランスで生じるインフレはたかだかしれていて,数百倍にもなるハイパーインフレを説明できません。

    戦後なぜハイパーインフレになったのか
  • 責任を取らないシャープ経営陣が再建策を出せるのか

    高橋洋一氏の論評「シャープ“惨状”を招いた日銀無策…超円高はなぜ起きたか」を読んだ。「円安に誘導するため日銀は一層金融緩和すべき」という論旨で納得し難いが、冒頭の電機大手への言及が気になった。 国内電機大手の2012年4~6月期決算では連結ベースで8社中5社が赤字となった。これだけ業界全体が不振となると、各社の個別事情ではなく、世界景気減速や円高傾向というマクロ経済の影響である。 電機大手不振の原因の一つはテレビが売れなくなったことだ。電子情報技術産業協会の統計によれば、薄型テレビの国内販売台数(2012年上半期)は数量ベースで前年比16.9パーセント。デジタル化特需が終わり、市場はたった1/6になった。輸出も3割減で、半期で合計3000億円ほど市場が縮小している。 需要の停滞を経営陣は見込んでいなかった。シャープの株主総会を伝える東洋経済を読めばわかる。「亀山、堺工場の投資を決定した際に

    責任を取らないシャープ経営陣が再建策を出せるのか
  • 金融政策の限界

    国際決済銀行(BIS)の2011-12年版の年次報告書が去る6月24日に公表されている。国際決済銀行は、今般の金融危機に先立って2003-05年頃に、その年次報告書で金融的不均衡の累積が生じている旨の警告を発していたという(敬意を払うべき)実績を持っている。それゆえ、「その年次報告書は常に読むに値する」とジョン・テイラーはそのブログ記事の中で述べている。しかも、「そのことは今回の年次報告書についてとりわけ当てはまる」とも言っている。というのは、「金融政策の限界(The limits of monetary policy)」と題した一章をもうけて、現下のきわめて緩和的な金融政策のもたらしかねない弊害について考察しているからである。 報告書によれば、「金融緩和政策は、それ自体では、根にある健全性の問題やより基礎的な構造的諸問題を解決できるものではない。それは、時間を買うことはできる。しかし実

    金融政策の限界
  • デフレ:原因と症状の取り違え

    日常、「熱が出て体の具合が悪い」といった言い方をしばしばする。これと同じような感じで、「デフレで経済の調子が悪い」という言い方をするのだと思う。ただし、誰にも理解出来るように、「熱が出て体の具合が悪い」というときに「熱」は原因ではなく、症状である。これに対して「デフレ」に関しては、同様に症状であるにもかかわらず、あたかも原因であるかのように言われることが少なくない。 何らかの原因があって体の具合が悪くなって、その結果、熱が出るわけである。したがって、その原因を解消するための根治療が肝要である。もっとも対症療法も必要で、高熱が何日も続いたりすると、それだけで体力を消耗してしまって、病気がより深刻化しかねない。それゆえ、解熱剤を処方するといったことは欠かせない。しかし逆に、解熱剤だけを投与しておけばよいということには(風邪のような軽い病気の場合を除いて)ならない。 デフレは、発熱に類似した症

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  • 「政策の不確実性」こそが景気回復の障害

    池田さんが、「増税で景気はよくなる」という記事を書いている。私も、基的には同じ意見で、「政策の不確実性(policy uncertainty)」がいまや景気回復の最大の阻害要因になっているとみている。それゆえ、「政策の不確実性」の除去に努めることが、最大の景気対策だと考えている。 それで、昨秋(10/17/2011)に日経の経済教室に寄稿する機会があったときには、次のように書いた。 政府にできるのは、民間部門の将来の見通しを曇らせるような余計な不安要因を排除することだ。将来が不確かであるほど、自信の回復は妨げられる。この意味では、景気に悪影響を与えるからといって増税を先送りすることは、むしろ景気回復を遅らせかねない。 確かな財政再建の計画もなしに増税を先送りするだけでは、将来の不確かさを増大させる。いつ実際に増税が実施されるのか、その前に財政面の不安定性が顕在化しないかといった不安要因を

    「政策の不確実性」こそが景気回復の障害
  • 一票の格差是正に反対する

    明治大学加藤和久教授の記事でも指摘されているように、わが国の世代間格差は先進国でも最悪の水準であるものの、高齢化の進行による高齢有権者の増加と若者の低投票率とにより、政治の視線はもっぱら高齢者層に熱く注がれており、現時点では、高齢者に有利な受益負担構造の既得権を打破するのは困難な状況となっている。つまり、世代間格差問題と政治過程は表裏一体の関係にある。 今後、一層の高齢化が進展することを考えると、小黒一正一橋大准教授の記事にもある通り、高齢世代による若者世代に対する世代間搾取が強化される可能性が高い。そこで、高齢者の政治的なパワーを削ぎ、若者世代の政治的パワーを強化するために、ドメイン投票制度、年齢別選挙区制度等様々な方法が提案されるに至っている。地方部に多い高齢者と都市部に多い若者の一票の価値のバランスを回復し、政治的高齢化(political ageing)に対抗するものと期待されてい

  • 「消費税の地方税化」私ならこう考える

    アゴラで、橋下大阪市長の政策方針を巡って、議論が大いに盛り上がっている。中でも、「消費税の地方税化」は、その是非に関する意見が交錯している。 日頃、地方税財政の研究を専門の一つとしている私は、橋下市長から、区政改革に関する大阪市特別顧問を仰せつかる身であるが、地方税財政は直接の所掌でないことから、発言の自由をお許し頂き一経済学徒として、この議論についての個人的見解を述べたい。稿に込めた思いは、争点の中で無用な対立を引き起こしている部分は、互いに争わず合意点を見出す(ないしは主要な争点から外す)こととして、願わくば超党派での合意をよりよく形成できるようにして頂きたいということである。ただ、政治的戦術、政治的手続きの上で、敢えて対立する道を選ぶことがあるのは承知しているが、同意できる点では対立はできれば避けて頂きたいところである。 議論を拝見していて、社会保障における地方の位置づけについての

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  • 「いまさら聞けない経済学」の予習

    明後日のニコニコ生放送「いまさら聞けない経済学~お札を刷ればデフレは止まるのか?~ 」の予習を少ししておきましよう。ニコ生だけではなく、もちろん大学の授業を受けるときも、「予習」と「復習」が大切です。 まず、1.のテーマ「国の借金は増税しなくても返せる?-国はいくら借金しても大丈夫?」から。いくら借金を抱えていても、貸し手が返せと言ってこない限り、困ることはない。あるいは、貸し手が返せと言ってきても、その分を別の貸し手から借りることができるのであれば、困ることはない。要するに、貸し手がいる限りは、問題は起きない。 個人の場合には、高齢になって稼得能力が失われてくると、返済が見込めないことから、新たにお金を貸そうとする者は出てこなくなり、いつまでも借り続けることはできない。これに対して国は永続する存在なので、これと同じ理由から新たな貸し手が見つからなくなるということはない。しかし、別の理由か

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  • 夏休みの読書ガイド

    この「良書悪書」のコーナーも、毎週末に連載してきて、100冊を超えた。これは日語の新刊を毎週1冊というノルマだが、良書はそんなペースでは出ない。だから読んではいけない悪書も書評しているが、★★★★以上はおすすめできる。そこで読書ガイドとして、このコーナーのベスト10を選んでみた。 『フォールト・ラインズ』 『人間らしさとはなにか?』 『マンキュー マクロ経済学』 『マネーの進化史』 『フーコー 生権力と統治性』 『生命保険のカラクリ』 『国家は破綻する』 『シュンペーター伝』 『ポスト・マネタリズムの金融政策』 『イギリス近代史講義』 このうち1と7と9は、週刊東洋経済のベスト4に入っている。1の原著は全世界で賞賛された名著だが、訳がひどい。2は脳科学の権威の書いたやさしい入門書。3は「動学マクロ経済学」とはどんなものかを知りたい人のための入門書。4は貨幣を通じた世界の経済史、5はフーコ

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    oyoyom
    oyoyom 2011/08/13
  • 2年の空白の演出者―「鳩山狂言」作家を振り返る

    2009年8月に、鳩山氏がNYタイムズに寄稿したカルトを思わせる奇妙な論文が、海外の多くの識者から失笑を買ってから、遅くも8月には予想される菅内閣の終焉まで、2年に亘る政治の空白を自作自演して来た、鳩山氏の言行を振返って見たいと思います。 首相就任間もない2009年9月の国連総会でのデビュー演説は、野心的な数字を入れた環境問題への並々ならぬ決意表明で、日の首相には珍しい大胆さが歓迎されたものでした。 然し、正常であったのはこれが最後で、その後の鳩山氏の発言は、統合失調症のように自分が何を述べているかも明確に認識していなかったり、妄想や幻覚と現実の区別がつかず、時に記憶すらも曖昧となり、時が経つにつれて事実と反する発言を連発する症状が顕著になって来ました。 その間の鳩山語録を引用してみますと : 「地球から見れば、人間が居なくなるのが一番優しい自然に戻るんだという思いも分かるし、日と言う

    2年の空白の演出者―「鳩山狂言」作家を振り返る
  • 戦前期の日銀国債引き受けの実態

    昨日、ツイッター上に、 高橋是清による国債の日銀引き受けは、国債を日銀に保有し続けさせ、国債のマネタイゼーション(貨幣化)を行おうとしたものではありません。当時のベースマネーの動きを確認すれば分かります。高橋是清自身は、日銀保有国債の民間金融機関への売りオペにも腐心していたのであり、実際にも高橋財政期の1932-36年の間については、日銀が引き受けた国債のほぼ90%は、市中に売却されています。史実を正確に確認することなしに、歴史から学ぶことはできません。日銀引き受け=マネタイズ、というイメージになっているけれども、高橋財政期の実態はそうではなかったというのが史実 という旨を書き込んだら、多少反響があったので、もう少しちゃんと書いておきたい。 昭和恐慌の深刻化にもかかわらず、政策転換を果たせないままに行き詰まった民政党・若槻礼次郎内閣に代わって、1931年12月に政友会・犬養毅内閣が成立し、

    戦前期の日銀国債引き受けの実態