安倍首相が具体的な検討作業に入ることを表明した「9月入学」の学校制度。 日本では戦後、9月入学について度々検討が行われてきた。中でも中曽根康弘元首相が主導した臨時教育審議会(以下、臨教審)がまとめた調査研究は、1986年に発表されたものであるが、今にも通じるものとなっている。 「臨教審で行われた議論を知ってほしい」 「知事会から唐突に出てきましたが、都道府県・市町村の教育長や教育委員会の意見を集約されているのか。どうも知事会だけが前のめりになり過ぎているのかなと」 5月1日、自民党本部で行われた教育再生実行本部の会議後、馳浩元文科相は9月入学実現を訴えた一部知事に対して不快感を隠さなかった。 馳浩元文科相 この記事の画像(6枚) そして、この会見で馳氏が言及したのが、臨教審で行われた9月入学の議論だ。 臨教審とは、1984年に中曽根元首相のもと、教育改革に取り組むために設置された諮問機関だ