5月14日、大阪の夜が、緑色に照らされた。 休業要請などの解除基準、「大阪モデル」を達成したことを宣言した、大阪府の吉村洋文知事(44)は、語気を強めた。 「これまで防戦一方だった新型コロナウイルスとの闘いは、第2のステージに入った。感染拡大を抑えながら、社会経済活動を再開させていきたい」 就任1年の吉村はこの間、全国的にも一躍注目を集めた。コロナと向き合った大阪、そして隣県の知事たちの戦略を振り返る。 (青木新、浦林李紗、平山明秀) 始まりはライブハウス 大阪で新型コロナウイルスの感染が広がったのは、ことし2月。市内4か所のライブハウスで集団感染が発生した。 吉村がいち早く行ったのが「店舗名の公表」だった。訪れた人は保健所に相談するよう広く呼びかけた。 「感染経路が明らかなうちに封じ込める。そのための情報公開はどんどんやる」 結果、参加者から延べ364件の相談が寄せられ、全国で83人の感