「再犯」を防ぐためにできること では、この被疑者に対して、社会はどのように対処していけばよいのだろうか。 先にも述べたように、さまざまな刑罰が科せられる可能性があるが、それは捜査の進展と裁判の経過にかかっている。もちろん無罪の可能性もある。 したがって、一時の感情から冷静さを失った吊し上げや攻撃をすることは差し控えるように、私自身の自戒も含めて、今一度考え直すべきだろう。 もちろん、行った行為に見合った罰を与えることは、当然のことである。刑罰には応報の側面があることは事実である。 その一方で、いたずらな厳罰化は犯罪を抑制しないこともまた、エビデンスが示している。確かに、厳しい罰を与えることによって、被害者感情に少しは報いることはできるかもしれないし、一時的にわれわれの溜飲も下がるだろう。 しかし、重要な点は、厳罰化には再犯抑止効果はないという事実である。 なぜ厳罰化は再犯を抑制しないのか、