「母」を捨てるか、どうするか。 そんなことも、攻防の焦点だった。 そして、100億円以上もする「ストーブル」。 ーー戦後日本の防衛力のあり方を大きく転換する、新たな「防衛計画の大綱」が12月18日に決定した。これに沿っていけば、日本は事実上「空母」を持つことになる。 誰が、どのように決めたのか。私たちのメモを公開し、内幕を明らかにしたい。 (政治部 防衛省担当 稲田清/高野寛之) さてストーブ…じゃなくて「ストーブル」。 耳慣れないこの言葉の正体は「STOVL」だ。 「Short Take-Off and Vertical Landing」の略称で、空母の短い飛行甲板から自力で発艦することができ、垂直に着艦できる航空機のことだ。(安全保障の分野では、こうして頭文字だけを並べて読む慣習がある)