自分たちで作った仮設住宅の設計図を基に、今後の暮らしについて話し合う村上育朗さん(左から4人目)ら=岩手県陸前高田市の小泉避難所で 岩手県陸前高田市の小泉公民館に避難している被災者たちが、避難所生活で生まれた人間関係を仮設住宅に移った後も生かせるよう、台所や茶の間を共通にした仮設住宅を設計した。きっかけは「避難所にいた1人のお年寄りをみんなで見守り続けたい」という気持ちだった。(吉光慶太) 避難所生活で食事も寝る場所も十分ではないのに、福田サチ子さん(80)は一人で歩けるようになった。孫と二人暮らしだった震災前は外出する機会が少なく、起き上がるのも一苦労。誰かと手をつながないと歩けず、全壊した自宅からつえをついて避難してきた。 「自然に良くなったんだよ」。福田さんは言う。 避難所では座ってばかりではいられない。被災者四十人全員に仕事がある。福田さんも食事前のテーブル拭きを任されている。「家