ブーリンノット(ボーラインノット、もやい結び)は、かつては結びの王様(キング・オブ・ノット)と呼ばれていました。結びやすく、ほどきやすく、信頼性が高いという文字通り「結び」の頂点に君臨していました。 そのため、学校の山岳部や社会人山岳会では、ロープワークとして先ず最初に初心者に教えるのが「ブーリン」でした。暗闇でも目をつぶってでもブーリンが出来なければ山登りの入門コースの第一歩が踏み出せないような最も重要な「結び」でした。 私よりもずっと年配の人でしたら、おそらく、山から離れて何十年と経っている人でも、まったく問題なくブーリンが出来ると思います。それほど重要な技術として体得されたと思います。 ところが、1970年代の初めごろ、ブーリンは、「リング負荷」というロープを結んでできた輪への負荷がかかるとほどけやすいことがヨーロッパで取り沙汰されました。 その情報が遅れて日本に届き、色々な論争があ