「それは、ジェンダーではなく、セクシュアリティというのよ」 「そうですか。性のグラデーションなんていらない」 「どうして?」 「怖いじゃないですか」 「何が?」 「人は、子孫を残すべきだし。伝えていくべきじゃないですか」 「残さなくてもいいじゃない」 「子どもを産まないと」 「それは、産みたい人は産めばいいわけで、産まないといけないわけじゃないじゃん」 「えー、やだー。セクシュアリティがいろいろなんて」 「だから、その理由は?それって、性的志向の対象が減っちゃうからじゃないの。どうしても子どもを産むんだ、なんて探すと、いいの見つからないよ」 「違いますよ。そういうの嫌なんです。怖いんです」 最後まで、怖い理由はわからなかった。 個人が、個人の嗜好として「こわい」と思っている分には、なんの問題もない。 他者にそれを要求したり、社会的制度として構築し始めたりしなければ。 その点、現在の教科内容