厚生労働省が29日、警察庁の統計を基に公表した2024年の自殺者数(暫定値)では、小学生から高校生の子どもの自殺者は527人と、統計が残る1980年以降で最多になる見通しとなった。2020年から500人前後で高止まりが続く状況をどうすればいいのか。精神科医療の現場で働く太刀川弘和・筑波大教授(災害精神医学・自殺予防)に、子どもの自殺が増加した背景や家庭でできる対策などを聞いた。 ――小中高生の自殺者数が過去最多となりました。どう受け止めますか。 ◆教師を対象に自殺予防やメンタルヘルスについて研修することがありますが、ここ数年で自殺が増えてきているという話はよく聞きます。どんどん増えていくことに対する危機感はあります。 ――子どもの自殺にはどのような特徴があるのでしょうか。 ◆一般的に、子どもは自分の気持ちを表現することが得意でなかったり、思春期では大人との関係の中で過敏になって傷付きやすか
