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ブックマーク / yashoku.hatenablog.com (8)

  • 「食の科学」と「食の芸術」は、なぜ軽んじられるのか? - 夜食日記

    」は人にとってなくてはならないものですが、「」の科学は、科学の世界の中で必ずしも重要な学問分野として捉えられていないように感じます。 「品学」や「栄養学」を生業にしている私でも、「物理学」や「分子生物学」の方がより“ 高尚”に見えます。おそらく多くの方がそう感じるのではないでしょうか。 また、芸術の分野でも「」の芸術、料理の美的表現は、絵画や音楽などを中心としたこれまでの古典的な芸術界からほとんど仲間外れにされてきたのではないかと思います。 生命にとって不可欠な料理には、重要なサイエンスがたくさん潜んでいますし、料理のおいしさは、他のアート作品に負けずとも劣らない感動を呼び起こすのに、なぜこうもは、科学や芸術の両方から軽んじられているのか? 品科学者や芸術家ともいえる料理人への世間のリスペクトが低いのはいったいなんなのか? 「」の研究者の一人であり、料理人にひときわ敬意を払

    「食の科学」と「食の芸術」は、なぜ軽んじられるのか? - 夜食日記
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    pycol 2014/11/15
  • 「煮ても硬いタケノコがスプーンですくって食べられる」という技術 - 夜食日記

    おととい、日品科学工学会の東北支部主催の市民フォーラムがあり、裏方で手伝いをしたのですが、興味深い話を耳にしてきました。 フォーラムのテーマは「介護のユニバーサル化」という、高齢化社会に向けたについてのお話でした。 高齢の方でなくても、これまで歯の治療や喉の痛み、または病院への入退院後などで、やわらかい事のお世話になった人は少なくはないのではないかと思います。 誰しも年齢を重ねれば、当然若い時と比べて歯が弱り、ものを飲み込む嚥下(えんげ)能力も衰えていきますので、やわらかい事の重要性は増していきます。 世界でも超高齢化社会の“先進国”である日はなおさらです。 しかし、高齢になってこれまでべていた馴染みの事から、突如「流動」のような介護へとすんなり移行できる人はきっと少ないでしょう。 たとえば、下のような「常」の煮物を、「きざみ」や「ミキサー」にすれば、確かに

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    pycol 2013/11/07
  • 博士の愛した寿司 「“細胞”海苔巻き」 - 夜食日記

    今週、自分の誕生日がありました。年齢は、ついに“大台”に。 当日、次のような“冊子”をプレゼントとして頂きました。 「SCIENCE-ish COOKING with YOUR WIFE」。サイエンス“風”の料理のようです。 この『経』を元に、「“細胞”の形をした海苔巻き」を作りました。 完成品はこのように。↓ 左が「動物細胞の海苔巻き」、右が「植物細胞の海苔巻き」。 知育玩具、知育菓子、ならぬ知育寿司、皆さんのご家庭でもいかがでしょうか。 また大学で、研究室の学生さんからもプレゼントと手作りケーキ、そして素敵な「たすき」を頂きました。 “代表”に選ばれて光栄です。おやじの名を汚さぬよう、これからも研究道に精進したいと思います。

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    pycol 2013/10/31
  • ビアガーデン vs オクトーバーフェスト - 夜食日記

    先週末の金曜の夜、複数の研究室の先生や学生たちと仙台三越の屋上のビアガーデンに行きました。三越のビアガーデンは、自分が学生時代に行った時以来でしたので、実に20年弱ぶりでした。 当時とはいろいろ変わっているのでしょうが、屋上に白いプラスチックのテーブルとイスがたくさん並んでいる風景を見た特、なんとなく懐かしいというか妙な安心感を感じました。学生たち聞いてみると「ビアガーデン、初めて来ました。」という人が多かったですね。 私は大のビール党で、学生に常々「私の夢は、水の代わりにビールの入ったプールで、バタフライしながらそのビールを飲み干すことだ!」と公言しています。たいてい「はぁ、そうですか…、」と軽くあしらわれるのですが、まぁそれくらいビールが好きだということです。 特に夏は開放的な野外でビールをみんなでわいわい飲むと、幸せホルモンのセロトニンが脳内でビシュビシュと分泌されます。 また、同じ

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  • 今後、どのような「防災食」が必要か? 宮城大学1年生450名のレポートから見えてくるもの - 夜食日記

    勤務先の宮城大学は、宮城県が設立した公立大学です。学部は、看護学部、事業構想学部、産業学部の3学部があり、それぞれ地域ニーズにマッチした教育が行われています。 毎年、新入生の1年生には「基礎ゼミ」という大学教育の導入科目があります。基は、各教員が3、4名の学生に対して行う少人数教育です。 しかし、今年度の基礎ゼミは、全学部から3名(組)の教員によって、全学部の1年生に「防災とボランティア」という講義が少人数教育の前に行われました。もちろん、東日大震災を受けての対応です。産業学部からは私が担当することになり、特に「防災と」に関する講義を依頼されました。 その講義が、先月末に終わりました。宮城大学3学部の1年生全員、総勢約450名に対する講義でした。 どの学部、どの学科も半数以上は、地元宮城県出身の子供たちです。さらに、東北6県出身を含めると、約8、9割に達します。3.11東日大震

    今後、どのような「防災食」が必要か? 宮城大学1年生450名のレポートから見えてくるもの - 夜食日記
  • 「どうして海外のたまごの黄身の色は薄いんですか?」 - 夜食日記

    先日、学生と話をしていた時に、出てきた話題。 「せんせー、私、春休みにカナダに短期留学したんですけど、向こうの卵の黄身の色が薄くて驚きました。あれ、なんでですか?」 私もカナダに研究留学していたので、よくその色がわかりますが、黄色がとても“うっすーい”のです。 わたし的には、卵黄の色よりも、パック内の卵が結構な確率で割れているのがショックでした。日に帰ってきてからしばらくの間、卵を買う前に割れていないかチェックする習慣が抜けませんでしたから。 このブログでも以前「白い卵黄」の話*1をしましたが、もともと卵の色は、卵を産むニワトリが自分の体内で合成しているわけではなく、エサのなかの黄色の成分が黄身に移行して、卵黄は黄色になります。 卵黄のエサの黄色の成分は、ルテインやゼアキサンチンと呼ばれる成分で、トウモロコシやホウレンソウなどに多く入っています。 ただ、トウモロコシだけべていれば、日

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  • おばあ曰く「福島ナンバーは来ねぇでくれって言われたんだ」 - 夜食日記

    福島の実家に帰省中、母親や「おばあ」と話して、トーンが一番暗くなったと感じたのが、風評被害の話の時でした。 母親は、「去年とれた米だって、福島県産っていうだけでもうぜんぜん売れてねんだ。福島県産はもうだめだ」と、怒りとも悲しみともわからない口調で言葉を吐き出していました。 おばあは、「他県に仮設住宅の資材を取りにいった車が、『放射能が怖えから、福島ナンバーは来ねぇでくれ』って言われたんだ。だから、群馬でわざわざ群馬ナンバーの車に乗り換えて福島に資材を運んだ。福島ナンバーやいわきナンバーの車は、どごがらも嫌われてんだ」と、私に言葉を漏らしました。 私もWebサイトで「福島県人は被害者ヅラしてる」とか「福島県の人は、こっちに来てほしくないよね」などは目にしていました。その度に、心はざわつきましたが、まあいろいろな意見があるのがネット世界と流していました。 しかし、パソコンを触ったこともない情報

    おばあ曰く「福島ナンバーは来ねぇでくれって言われたんだ」 - 夜食日記
  • カニの味を合成したら、確かにカニだった - 夜食日記

    べる人を夢中にさせるカニ。そのカニの味を、人が簡単に合成できると知ったら誰しも驚くのではないでしょうか。 今日の大学1年生対象の少人数教育産業基礎演習」でのお話です。この演習科目は、基的には各教員が何を教えても構わないというフリーな科目で、私はべ物の「おいしさ」に関連したディスカッションや簡単な実験をしています。 今日のテーマは、今が旬の「カニ」について。 カニの味を再現することができる成分表(カニ味再現表)というのが、明らかになっています。具体的には、下の表のとおりです。 必須成分 組成(mg/100 ml) グリシン 600 アラニン 200 アルギニン 600 グルタミン酸ナトリウム 30 イノシン酸ナトリウム 20 塩 500 第二リン酸カリウム 400 4つのアミノ酸と1つの核酸、そして2つの塩類、たったこれだけです。これを混ぜあわせただけで、はたしてカニの味になるの

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