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  • 楠多門丸正行 ~『和漢百物語』より~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

    前回と前々回の続きです、まだの方は先にご覧くださいヾ(๑╹◡╹)ノ" kihiminhamame.hatenablog.com kihiminhamame.hatenablog.com 今回は、月岡芳年の浮世絵、『和漢百物語』(慶応元[1865]年刊)の中の一枚、「楠多門丸正行《くすのきたもんまるまさつら》」を紹介します。 和漢百物語 楠多門丸正行 - 国立国会図書館デジタルコレクション ※この記事では、国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。 【原文】 橘正成《たちばなのまさしげ》が男《なん》、南朝無二《なんちやうむに》の良将《りやうしやう》たり正行《まさつら》、未だ幼《いちけな》き頃《ころ》、有《あ》る夜《よ》、庭上《ていじやう》に下《お》り立《た》ちつ、木馬《もくば》を試《こゝろ》ミ居《ゐ》給ひしに、嗚呼《あら》、怪しむべし、忽然《こつぜん》と一個《いつ

      楠多門丸正行 ~『和漢百物語』より~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~
    • 妖怪ヘマムショ入道? 【再読】 ~山東京伝『怪談摸摸夢字彙』より~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

      みなさんは「へのへのもへじ」を知っていますか? 知ってるよヾ(๑╹◡╹)ノ" 君の顔だと「へのへのへのもへじ」になるなヾ(๑╹◡╹)ノ" 今では廃れてしまいましたが、「へのへのへのもへじ」と同じような文字絵で、「ヘマムショ入道」というのが、江戸時代には流行っていました。 山東京伝作・北尾重政画の『怪談摸摸夢字彙(かいだんももんじい)』(享和三[1803]年刊)には、妖怪として「ヘマムショ入道」が登場します。 まず、『怪談摸摸夢字彙』について説明しておきますと、当時、妖怪のことを「ももんじい」とも言っていました。 ただ、ここでは、「摸摸夢字彙」という変な字があてられています。 「摸」は「まねる」、「字彙」は「辞書」という意味です。 この作品では、京伝が創作したパロディー妖怪が登場します。 たとえば、「見越入道」ならぬ「見越入湯《みこしにゅうとう》」、「ろくろ首」ならぬ「欲路首《よくろくび》」

        妖怪ヘマムショ入道? 【再読】 ~山東京伝『怪談摸摸夢字彙』より~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~
      • 神田明神宮① ~『金草鞋』初編中巻~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

        一行は神田明神に参詣します。 今回は右ページの文章を中心に解説します。 【左右ページ全体】 【右ページ詳細】 ※この記事では国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しています。 金草鞋. 1編 - 国立国会図書館デジタルコレクション ※画像は拡大できます。 【原文】 桜田御門より入りて、和田倉御門《わだぐらごもん》を出、常盤橋御門《ときハばしごもん》を本町筋《ほんてうすじ》へ出て、十軒店《じつけんだな》より通筋《とをりすじ》を真つ直ぐに、筋違《すじかい》の昌平橋《せいへいばし》を渡り、神田の明神《みやうじん》へ参詣する。 拝殿に宮子《みやづこ》が水洟《みづばな》を垂らし居たるを見て、 狂「水洟《ミづつぱな》 神田《かんだ》[「擤《か》んだ」と掛ける]の宮は お捻《ひね》りの 紙さあでかく 溜《た》まるべいから」 案内 「もし、其処《そこ》へお屋敷の女中たちが来た。 見なせ

          神田明神宮① ~『金草鞋』初編中巻~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~
        • 病中の女郎 ~『変化物春遊』その9~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

          寛政五[1793]年刊、桜川慈悲成作・歌川豊国画『変化物春遊(ばけものはるあそび)』 ※この記事では、国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しております。 変化物春遊 : 2巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション ※画像はクリックすると拡大します。 【原文】 大坂新町に節木《ふしき》[伏木?][藤木《ふじき》?]と言ふ女良、至つて器量麗しく有りけるが、年々《とし/゛\》京大坂へ小道具買い出しに行《ゆ》きける、小道具屋の大五良と言ふ者、大坂へ行く度にこの節木を呼び遊びける。 或る時、 「かの節木呼びくれよ」 と言へば、茶屋の主《あるじ》、 「節木は此の程病気なり。如何な出でまじ」 と申しける。 大五良、 「何分《なんぶん》呼びてくれよ」 と只管《ひたすら》亭主に言ゝける故《ゆへ》、その事節木へ申し遣はしけれバ、病中なれども馴染み故、節木は来たり。 段/\懇《ねんご》ろ

            病中の女郎 ~『変化物春遊』その9~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~
          • 子供達もハマった児童文学作家「岡田 淳」のおすすめ作品10選 - まったり英語育児雑記帳

            先日、次男の読解力に不安を感じて、読書の働きかけをすることにしました。 www.pandamama-eigoikuji.xyz 今の次男が好きな本といえば、『ざんねんないきもの事典』と『かいけつゾロリ』。 どちらも面白い本ではあるけれど、もう少し物語系に興味を持って欲しい。 そこで、長男が小2〜小3の頃にハマっていた「岡田 淳」の児童書を渡してみました。 「ムンジャクンジュは毛虫じゃない」 ムンジャクンジュは毛虫じゃない 岡田 淳 (著) 単行本 – 1993/3/1 Amazon 楽天 毛虫のように見えるけど、ふわふわしてぬいぐるみみたいなムンジャクンジュ。いいにおいがして、ひとなつっこい。伝説の山・クロヤマで良枝が花畑をみつけてから、大騒動が持ちあがっていく15日間を描き、自然とひととの関わりあいを考えさせる。 岡田 淳先生のデビュー作。 この本は、次男が最初に読む本として、長男が選ん

              子供達もハマった児童文学作家「岡田 淳」のおすすめ作品10選 - まったり英語育児雑記帳
            • 曽呂利が見た夢の話 ~『昨日は今日の物語』上巻より~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

              引き続き『曽呂里物語』を読んで行こうと思うのですが、もうちょっと時間がかかりそうで(ちなみに次は『耳なし芳一』系のお話です)、あんまり更新期間が空くと存在を忘れられそうなので、今日は小ネタでもヾ(๑╹◡╹)ノ" 『曽呂里物語』を書いたとされる(あくまでも設定ですが)曽呂利(一般的には「曽呂里」ではなく「曽呂利」表記をされることが多いです)のエピソードが、『昨日は今日の物語』という小話集(笑話集)にあります。 こういう更新に困った時に丁度いい短さのお話なので(笑)、読んでみることにしましょうヾ(๑╹◡╹)ノ" 一般的に曽呂利は、秀吉のお伽衆[面白い話とかする人たち]として知られますが、ここでは秀次のお伽衆ということになってます。 『昨日は今日の物語』上巻[元和・寛永ごろ(1615-1644)刊か] きのふはけふの物語. 上巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション ※この記事では国立国会図書

                曽呂利が見た夢の話 ~『昨日は今日の物語』上巻より~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~
              • アマビエのオリジナルはこちらになりますヾ(๑╹◡╹)ノ" - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

                ※この記事では京都大学付属図書館の画像を適宜改変して使用しています。 新聞文庫・絵 | 京都大学貴重資料デジタルアーカイブ 【原文】 肥後国海中え[に?]毎夜、光る物出ル。 所之役人行き見るニ、図の如く之者現ス。 「私ハ海中ニ住むアマビヱと申す者也。 當年より六ヶ年之間諸国豊作也。 併《しか》し病流行、早く[早/\?]私シ[ヲ?]写シ、人/\ニ見セ候え」 と申して海中へ入りけり。 右ハ写シ役人より江戸え[に?]申し来ル写し也。 弘化三年四月中旬 【現代語訳】 肥後の国[熊本県]の海の中に、毎晩、光る物が出現しました。 この地の役人が行って見てみると、この絵のような者が姿を現しました。 「私は海の中に住むアマビヱという者である。 今年から六年の間は全国的に豊作が続くであろう。 もし、病気などが流行ったら、すぐに私の姿を描いて、みんなに見せなされ」 と言って、海の中に入っていきました。 この絵

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                • 井原西鶴が描く明智光秀! その1 ~『武家義理物語』巻一の二「瘊子は昔の面影」~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

                  ※下に現代語訳と解説があります。 武家義理物語 6巻. [1] - 国立国会図書館デジタルコレクション ※この記事では国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しております。 ※画像は拡大できます。 【原文】 ㊁ 瘊子《ほくろ》ハ昔の面影《おもかげ》 明智《あけち》日向守《ひゅうがのかみ》[日向は宮崎県]の已前《いぜん》ハ、十兵衛と言ひて、丹州《たんしう》龜山《かめやま》の城主《じやうしゆ》に仕えて、漸《やうや》う廣間《ひろま》の番組《ばんぐミ》に入り、外様の勤めをせしが、朝暮《てうぼ》心ざし、常《つね》の人にハ各別《かくべつ》替《かハ》わりて、奉公《はうこう》に私《ワたくし》無き事、自然《しゼん》と天理《てんり》に叶《かな》ひ、程無く弓大将《ゆミだいしやう》に仰《あふ》セ付《つ》けられ、同心《どうしん》廿五人《にじゆうごにん》預《あづ》かり、武家《ぶけ》の面目《めんぼく》

                    井原西鶴が描く明智光秀! その1 ~『武家義理物語』巻一の二「瘊子は昔の面影」~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~
                  • 人のチョメチョメのぞいた男の運命は? その5 【再読】 ~『野傾友三味線』巻三の四「願成就の宮廻」~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

                    【原文】(クリックで展開) 【原文】 此の江戸男、うつかりと旨《むま》い所を覗いたる皃《かほ》、板《いた》に取り付きて離れず。 無理《むり》に引き離さんとすれば、五体《ごたい》砕けるがごとし。 泊《とま》り合はせし旅人《たびびと》寄り集《たか》つて、「是は不思儀《ふしぎ》」と見物する内に、日が長《た》けると、思ひ/\の東西に出て行く。 後には此の男 壱人《ひとり》、「痛《いた》や、絶《た》へがたや」と男泣《な》きして立ち竦《すく》ミけるを、亭主《ていしゆ》聞き付けて、 「是《これ》只事《ただごと》に非《あら》ず。 立ち聞きすれば、堅牢地神《けんこんぢしん》頭《かしら》を痛《いた》め給ふと申し、殊《こと》に太神宮参詣の人、不浄《ふじやう》なる事を覗きたる神罰《しんばつ》なるべし。 何時《いつ》か其の皃《かほ》離《はな》れ申すべき時節《じせつ》、知れざる事なれば、宿《やど》を致した不祥《ふしや

                      人のチョメチョメのぞいた男の運命は? その5 【再読】 ~『野傾友三味線』巻三の四「願成就の宮廻」~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~
                    • ラナ・デル・レイの音楽と文学:彼女に影響を与えた18人の作家たち

                      音楽と文学のあいだには親密な関係がある。それを物語る現代のアーティストといえば、真っ先にラナ・デル・レイ(Lana Del Rey)が思い浮かぶ。 彼女は2020年に詩集『Violet Bent Backwards Over the Grass』を発表しているが、既にそれ以前から、詩、散文、戯曲、哲学の名著を自らの多彩な作品カタログの中に織り込んできた。シルヴィア・プラスからウォルト・ホイットマンに至るまで、ラナが歌詞の面で影響を受けた著作は膨大だ。それらを詳しく読み込んでいくと、彼女が時間、存在、アイデンティティについて複雑な関心を抱いていることが明らかになる。 ラナの文学的な興味をさらに深く掘り下げるため、今回は彼女にインスピレーションを与えた作家を紹介していこう。ここに挙げた作家の中には、明確に言及している例もあれば、もっとさりげない形で触れている例もある。 <関連記事> ・ラナ・デ

                        ラナ・デル・レイの音楽と文学:彼女に影響を与えた18人の作家たち
                      • KuroNetくずし字認識サービス | ROIS-DS人文学オープンデータ共同利用センター

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                        • 井原西鶴が描く明智光秀! その4 ~『武家義理物語』巻一の二「瘊子は昔の面影」~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

                          ※下に現代語訳と解説があります。 武家義理物語 6巻. [1] - 国立国会図書館デジタルコレクション ※この記事では国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しております。 ※画像はクリックで拡大できます。 【原文】 十兵衛も縁《ゑん》の始めを祝《いわ》ひ、松竹《まつたけ》の臺《だい》の物を調《とゝの》へ、数々《かず/\》の盃事《さかづきごと》迄も、振《ふ》り分《わ》け髪《がミ》に見し姉娘《あねむすめ》と思ひしが、其《そ》の後《ゝち》寝間《ねま》の灯火《ともしび》近く、互《たが》ひに面《おもて》を見合ハせし時、十兵衛、昔の脇皃《わきがほ》に氣《き》を付けて、 「其《そ》の時《とき》ハ此の女に咎《とが》むる程《ほど》には有らぬ瘊子《ほくろ》一つ有りしが、大人しく成りて、其れも恥じて取り失せけるか」 と言はずして、耳《ミゝ》の辺《ほとり》を見しに、娘《むすめ》も早《はや》[最

                            井原西鶴が描く明智光秀! その4 ~『武家義理物語』巻一の二「瘊子は昔の面影」~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~
                          • ①井上ひさしが影響を受けた江戸時代の本 ~唐来参和『莫切自根金生木』~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

                            先日、NHK番組発掘プロジェクト通信を読んでいましたら、 www.nhk.or.jp 作家の井上ひさしさんが影響を受けた本の一つとして、『莫切自根金生木』という作品をあげていました。 『莫切自根金生木』は江戸時代の黄表紙というジャンルの本です。 これは、ここで取り上げるしかないでしょうヾ(๑╹◡╹)ノ" だって、これを読んだら影響を受けて、私も大作家になれるかもしれませんものヾ(๑╹◡╹)ノ" 『莫切自根金生木』は、「きるなのねからかねのなるき」と読みます。 このタイトルは上から読んでも下から読んでも「きるなのねからかねのなるき」です。 回文にするために、文法的にはヘンテコになっていますが、 「切っても切っても根から金のなる木が生えてくる」 「切っても無駄だ、根っこがある限り金のなる木は生えてくるのだから」 と言った意味合いでしょうか。 作者の唐来参和《とうらいさんな》は小沢昭一さんが舞台

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                            • 英語学習にも使える。日本・海外文学の名作を音声で楽しめる無料ウェブサービス | ライフハッカー・ジャパン

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                                英語学習にも使える。日本・海外文学の名作を音声で楽しめる無料ウェブサービス | ライフハッカー・ジャパン
                              • ぶんぶく茶釜② ~江戸時代の絵本~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

                                ※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。 ぶんぶくちやがま - 国立国会図書館デジタルコレクション 【原文】 たる所を、ぶんぶくハ「良き慰ミ」と飛んで下り、やがて狐と引き組ミ、難無く生け取り、我が部屋に来たりける折節、友の坊主立《ぼうずたち》、 「是ハ良き物を捕らへ召さつた。いざ、料《りやう》らん」 と俎板《まないた》の上に直しけり。 無惨や狐わ、 「此処《こゝ》こそ一世の命尽く、然《さ》あらバ、此処を逃げん」 と思へど、四足《しそく》を括《くく》られ、逃ぐる事成り難く、空死《そらじ》にをぞしたりける。 それとハ知らず、坊主立、 「いざや彼奴《きやつ》めが生き肝《ゞも》を取らん」 と言ふ。 ふくさいわ、「尻尾《しりを》が望ミ」と言ふ。 思ひ/\に狐一疋を四人の主付《ぬしづ》き、既に危うく見へし時、 「時分は此処よ」 と跳ね起き、知らせの屁を放《ひ》

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                                • 社会を描くことの困難と表現における娯楽と芸術 ~社会表現における純文学と通俗小説の微妙な関係と正統性の錯覚 - 日々是〆〆吟味

                                  社会を描こうとすることと通俗性? 〜問題も難しいがエンターテイメントになりすぎてもしまうものなのだろうか? 社会を丸ごと描くことなど可能なの? 社会表現と純文学と通俗小説 【クラカウアー『探偵小説の哲学』】 【小谷野敦『久米正雄伝』/ナボコフ『ナボコフのロシア文学講義』】 純文学作家と通俗作家? 【ドストエフスキー『罪と罰』】 エンターテイメントの元ネタと正統性の錯覚問題 【宮下あきら『魁!!男塾』】 社会と通俗作品と具体的なものとからっぽなもののゆくえ 前回のお話 https://www.waka-rukana.com/entry/2020.07.08 社会を描こうとすることと通俗性? 〜問題も難しいがエンターテイメントになりすぎてもしまうものなのだろうか? 社会を丸ごと描くことなど可能なの? 社会を丸ごと表現出来れば、確かに具体的なものとなる諸関係を描ききることも可能な気がしますね。で

                                    社会を描くことの困難と表現における娯楽と芸術 ~社会表現における純文学と通俗小説の微妙な関係と正統性の錯覚 - 日々是〆〆吟味
                                  • 純文学・大衆文学の間『中間小説とは何だったのか』刊行

                                    【読売新聞】純文学と大衆文学の間に位置付けられた「中間小説」という分野があった。戦後 日本文学の研究者らが、昭和20~40年代に刊行された雑誌を分析してその歴史をたどった、『中間小説とは何だったのか』(文学通信)=写真=を刊行した。

                                      純文学・大衆文学の間『中間小説とは何だったのか』刊行
                                    • 鼻長僧侶のお話 その2 ~『宇治拾遺物語』より~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

                                      ※この記事では国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しています。 和文教科書. 7之巻 宇治拾遺物語ぬきほ - 国立国会図書館デジタルコレクション 【原文】 かり、彫《ゑ》り通して、火の炎の、顔に、当たらぬ様《やう》にして、其の折敷の穴より、鼻を差し出でゝ、提の湯に、差し入れて、良く茹《ゆ》でゝ、引き上げたれば、色は、濃き紫のいろなり。 それを、側様《そばさま》に臥せて、下に物を当てゝ、人に踏ますれば、粒立ちたる穴ごとに、煙の様《やう》なる、物出《い》づ。 それを、甚《いた》く踏めば、白き蟲の、穴ごとに、差し出づるを、毛抜きにて抜けば、四分ばかりなる、白き蟲を、穴ごとに、取り出だす。 其の跡は、穴だに、明きて見ゆ。 それを、また、同じ湯に入れて、さらめかし沸《わ》かすに、茹づれば、鼻小さく、萎《しぼ》み上がりて、只人《たゞびと》の、鼻の様《やう》に成りぬ。 また、二三日

                                        鼻長僧侶のお話 その2 ~『宇治拾遺物語』より~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~
                                      • 「ついつい僕たちは、あるジャンルが衰退したときに、コンテンツの内容に理由を求めがち」「一番たくさん売れた小説が文学史に最も貢献した作品とはいわない」 - 頭の上にミカンをのせる

                                        とりあえずこの記事はこの言葉を紹介したかっただけなので、この言葉だけ覚えていってください。 ハックルさんの話は一応紹介しておきますが一切読まなくていいです。 news.denfaminicogamer.jp ついつい僕たちは、あるジャンルが衰退したときに、コンテンツの内容に理由を求めがちですが この北米のアーケード衰退の経緯はコンテンツの消費行動が強く人々の生活文化に規定されていて それこそが決定的な要因になり得ることを示す 以上。 現在私はハックルさんの「ゲームの歴史」を読んで感想を書くという作業を続けているのですが 例えばハックルさんは「鉄拳シリーズ」が3を頂点として売り上げが減少していった理由についてこのような説明をしていますが… 実際の開発現場の人間から「ハックルさんの言ってることは的外れもいいところでそんなのは要因の1%にも満たない」と切り捨てられる ここまで来るとハックルさんが

                                          「ついつい僕たちは、あるジャンルが衰退したときに、コンテンツの内容に理由を求めがち」「一番たくさん売れた小説が文学史に最も貢献した作品とはいわない」 - 頭の上にミカンをのせる
                                        • 「三つ目を探せ!」正解発表! ~唐来参和『莫切自根金生木』まとめ~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

                                          というわけで、『莫切自根金生木』のまとめも兼ねて、「三つ目を探せ!」の正解発表ですヾ(๑╹◡╹)ノ" ①井上ひさしが影響を受けた江戸時代の本 ~唐来参和『莫切自根金生木』~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~ なし ②井上ひさしが影響を受けた江戸時代の本 ~唐来参和『莫切自根金生木』~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~ ③井上ひさしが影響を受けた江戸時代の本 ~唐来参和『莫切自根金生木』~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~ ④井上ひさしが影響を受けた江戸時代の本 ~唐来参和『莫切自根金生木』~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~ ⑤井上ひさしが影響を受けた江戸時代の本 ~唐来参和『莫切自根金生木』~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~ ⑥

                                            「三つ目を探せ!」正解発表! ~唐来参和『莫切自根金生木』まとめ~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~
                                          • 千駄木てね@VTuberもどき on Twitter: "#ノーベル文学賞受賞作品 https://t.co/B7PTsRoIJQ"

                                            #ノーベル文学賞受賞作品 https://t.co/B7PTsRoIJQ

                                              千駄木てね@VTuberもどき on Twitter: "#ノーベル文学賞受賞作品 https://t.co/B7PTsRoIJQ"
                                            • ④化物夜更顔見世【再読】 - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

                                              【前回までのあらすじ】 人間の百物語で人間を呼び出し、驚かしてやろうとした大入道たち。 しかし、現れた人間は化け物の天敵、「暫」の主人公(坂田金時)こと白猿(市川蝦蔵)だったのです。 ※この記事では、国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。 化物夜更顔見世 2巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション (6ページ目です) ※画像は拡大できます。 【原文】 大入道、人間に天井を見セんと謀《はか》りしが、合点《がつてん》違ひ、敵役《かたきやく》さえ嫌気《いやき》の暫《しバらく》、化け物にハ猶《なを》禁物《きんもつ》。 大入道、たま/\面《つら》を出して叩《はた》くかと思ひしが、白猿《はくゑん》野暮《やぼ》でもなく、大入道が子供二人を、床の置物にでもする気やら、入道に貰ひ、その代わり、「大事な所だが、この所ハ互いにいざさらバ」とか何とか、仲良く別るゝ。 「子供を進ゼ

                                                ④化物夜更顔見世【再読】 - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~
                                              • 【まとめ】戦争とイメージ ~戦争と物語/アニメの関係と文学の抵抗【31】 - 日々是〆〆吟味

                                                まとめ31 このまとめの要旨 書いたものの一覧 現在時間がなくリンク切れのままとなっております。申し訳ありません。 まとめ31 このまとめの要旨 消費社会になってイメージ上位の世の中になった時、戦争も含めてイメージ上位になっちゃったようにも見えるけど、そんなことと関係しそうなお話のまとめ。 書いたものの一覧 www.waka-rukana.com 9.11の際飛行機がツインタワーに突っ込んだ様子がどうしても映画のワンシーンのように見えてしまい、現実も映画のように推移するのではないかという期待をどこかでもってしまっていたのではないか、という批評家の分析の紹介、ーというようなお話。 www.waka-rukana.com 現実がこのようにイメージ化してしまうことに対し、フィクションの方でもどのようにしてそんな現実に対抗しているのかな、ーというようなお話。 www.waka-rukana.com

                                                  【まとめ】戦争とイメージ ~戦争と物語/アニメの関係と文学の抵抗【31】 - 日々是〆〆吟味
                                                • [5]日本三大怪談に異議あり??? - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

                                                  あれ? 前回で「四谷怪談」「牡丹灯籠」「皿屋敷」の日本三大怪談は終わったはずだけど、なんで続いてるの? 異議ありだからだよ! なにが? 日本三大怪談が「四谷怪談」「牡丹灯籠」「皿屋敷」っていうのに納得できないの! なんで? だって、「牡丹灯籠」は、元々中国の話だし、「四谷怪談」「皿屋敷」のような恨みの要素が少ないからだよ! かといって、「牡丹灯籠」に代わって日本三大怪談に入れるような話があるのかい? あるじゃないか!どん! ◆桃山人作・竹原春泉斎画「累《かさね》」『絵本百物語』巻4[天保十二(1841)年] ※wikipediaより 「累ヶ淵《かさねがふち》」だよ! 「累《かさね》が死霊《しりょう》のことは、世の人の知る所也」 って書いてあるように、今では忘れられちゃってるけど、当時は誰でも知ってる話だったじゃないか! なるほど、それは一理あるね。 君が三百年生きてる妖怪だということを忘れ

                                                    [5]日本三大怪談に異議あり??? - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~
                                                  • 非教養人による「文学と論理の二分」についての考察 #論理国語 #国語教育 - ozean-schlossの綴方(仮称)

                                                    前回のブログ『論理国語は「本が読めない人」を育てるのか』は新課程の国語教育(主に論理国語の存在)があたかも「本を読めない人」を育てるかのような主張に反論することが目的だった。そしてそのついでに、(高校国語での文学授業自体には反対しないものの)文学は教養の専売特許ではないとも主張した。はてなブックマークやTwitterではそこそこの反響があったようだが、肝心かなめの国語教育関係者にどこまで響いているのかは未知数である。 実のところ、前回のブログは新課程の国語教育そのものに賛否や意見することを意図していなかった。新課程の国語(特に「論理国語」「実用文」)に粗雑な批判を加え、その文脈で「実用文しか読まない者」を「非教養人」という否定的なラベリングをして結論付ける。そんな記事が投稿されなければ、私はこのようなブログを書かずに済んだのである(筆者がどれだけ文学の優位さを説き、国語教育に批判を加えよう

                                                      非教養人による「文学と論理の二分」についての考察 #論理国語 #国語教育 - ozean-schlossの綴方(仮称)
                                                    • Twitter文学から生まれた「この部屋から東京タワーは永遠に見えない」、Amazonレビュー文学を生み出す : 市況かぶ全力2階建

                                                      リノシーの皮を被った投資用マンション屋のGA technologies、「面談すれば5万円のギフト券」広告で吊っておいて出し渋りまくる件がバレて樋口龍社長が慌てて釈明

                                                        Twitter文学から生まれた「この部屋から東京タワーは永遠に見えない」、Amazonレビュー文学を生み出す : 市況かぶ全力2階建
                                                      • さらば!はてなブログヾ(๑╹◡╹)ノ" - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

                                                        はてなブログでの更新を今回で終了することになりました。 先日、次のようなメールがはてな運営から来まして、 -------------------- -------------------- 突然、私が運営する三つのアカウント全てのはてなブックマークが利用停止になってしまいました。 当然、異議申し立てをしたのですが、 -------------------- -------------------- ほぼ、同じ文面のメールが返って来ただけで、全く相手をするつもりはないようでした。 三つのアカウントそれぞれで、みなさんの所にブックマークに訪れていたのが、スパム行為と勘違いされたのかなと思うのですが、理由は教えてくれないので不明です。 もちろん、三つのアカウントは正規の手順で登録したものです。 はてなブックマークが利用停止になってしまったので、みなさんの所にブックマークを付けに行くことが、永久に

                                                          さらば!はてなブログヾ(๑╹◡╹)ノ" - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~
                                                        • 『桃太郎一代記』まとめ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

                                                          『桃太郎一代記』のまとめリンクだよヾ(๑╹◡╹)ノ" kihiminhamame.hatenablog.com kihiminhamame.hatenablog.com kihiminhamame.hatenablog.com kihiminhamame.hatenablog.com kihiminhamame.hatenablog.com kihiminhamame.hatenablog.com kihiminhamame.hatenablog.com kihiminhamame.hatenablog.com kihiminhamame.hatenablog.com kihiminhamame.hatenablog.com kihiminhamame.hatenablog.com kihiminhamame.hatenablog.com kihiminhamame.hatenablog.

                                                            『桃太郎一代記』まとめ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~
                                                          • 毛女郎 ~『変化物春遊』その3~【再読】 - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

                                                            前回の『大昔化物双紙』で大活躍した毛女郎ですが、毛女郎は、おそらく鳥山石燕の『今昔画図続百鬼』で最初に描かれた妖怪だと思われます。 これに関しては、過去記事をご参照くださいませ。 kihiminhamame.hatenablog.com で、今回は以前も取り上げたので、お読みになった方もいるかもしれませんが、『大昔化物双紙』と同じ桜川慈悲成作・歌川豊国画の『変化物春遊《ばけものはるあそび》』(寛政五[1793]年刊)という、妖怪図鑑みたいな本の、毛女郎のページを取り上げたいと思います♪ ※この記事では、国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。 変化物春遊 : 2巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション ※画像は拡大できます。 【原文】 何屋とか言ゝける轡屋《くつわや》に、化け物ゝありと評判強く、「我も見たり」「彼もその由聞ゝたり」と言へども、如何様《いかやう

                                                              毛女郎 ~『変化物春遊』その3~【再読】 - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~
                                                            • 「イギリスで社会現象になった『急進派書店』」清水玲奈|京都文学レジデンシー

                                                              急進派書店が過去9年間で倍増前回の記事(「イギリスで書店が増え続ける理由」)で触れた通り、イギリスでは、不景気にもかかわらず書店の売上がおおむね好調で、独立系書店、大手チェーン書店ともに店舗を増やしている。その中で、とりわけ顕著な社会現象になっているのが、LGBTQ+や有色人種など少数派による少数派のための書店の開店ラッシュだ。社会的、政治的な主張のあるこれらの書店は、「ラジカル・ブックショップ(急進派書店)」と呼ばれている。イギリスでは、互助団体である急進派書店連盟(Alliance of Radical Booksellers、ARB)も盛んに活動している。 急進派書店は、社会正義や政治に関する問題意識と主張を持ち、書籍の販売と関連する活動を通して、政治や社会、個人の変革を目指すことを目的に運営されている。アクティビストを自認するオーナー店長が経営していて、具体的には、LGBTQ+の権

                                                                「イギリスで社会現象になった『急進派書店』」清水玲奈|京都文学レジデンシー
                                                              • 文学的な数学を目指して? - ママンの書斎から

                                                                娘が先日受けた模試が返ってきました。 やはり、数学の答案作成力が課題だな~、という結果でした。 www.mamannoshosai.com 娘の得意・不得意科目の傾向は、完全に私と一致しています。 私の数学嫌いが遺伝してしまったんですね~"(-""-)"。 4.5をどう分けるか 文理に垣根なし 割れないガラス 証明はエレガントに 4.5をどう分けるか 我が家では、夫と息子が理系、私と娘が文系、という感じです。 最近は、文理の垣根をとっぱらった学問の分野も出てきているようですが、興味関心・得意不得意で考えると、我が家はメンズが理系寄り、ウィメンズが文系寄りであるということは、揺るがぬ事実なんですよね。 息子が期末テストの前に、睡眠時間を4時間半しか取れなかった日がありました。 超絶不機嫌で起きてくるに違いないと思っていたのですが、予想に反して、割とスッキリと起きてきたんです。 「あまり寝てな

                                                                  文学的な数学を目指して? - ママンの書斎から
                                                                • 「ウサギとカメ」 ~『通俗伊蘇普物語』より~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

                                                                  みなさま、コメントありがとうございましたヾ(๑╹◡╹)ノ" 「定番の昔話が江戸時代にはどう書かれていたか?」シリーズヾ(๑╹◡╹)ノ" 今回は、「ウサギとカメ」です。 「ウサギとカメ」は日本昔話のような扱いを受けていますが、『イソップ物語』のお話なんですよね。 とはいえ、『イソップ物語』は、安土桃山時代にはすでに日本に伝わり、翻訳されて出版されています(天草版『伊曽保物語《いそほものがたり》』)。 江戸時代に入っても『イソップ物語』の翻訳が出版されますが(仮名草子版『伊曽保物語』)、実は、天草版・仮名草子版、どちらの『伊曽保物語』にも「ウサギとカメ」のお話は収録されていないんですヾ(๑╹◡╹)ノ" つまり、江戸時代の人は「ウサギとカメ」のお話を知らなかったことになります。 というわけで、「定番の昔話が江戸時代にはどう書かれていたか?」シリーズの範囲外なのですが、せっかくなんで、明治時代にな

                                                                    「ウサギとカメ」 ~『通俗伊蘇普物語』より~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~
                                                                  • 人の花散る疱瘡の山 その1 ~井原西鶴『懐硯』巻一の五~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

                                                                    今回も井原西鶴の作品を紹介したいと思います。 今回紹介するのは、『懐硯《ふところすずり》』(貞享四[一六八七]年刊)という作品です。 『懐硯』は、伴山《ばんざん》という半分一般人で半分法師のような人物が、諸国を旅してそこで見聞きした話をまとめたという設定の、短編小説集です。 今回は、前回紹介した話と関連がある、巻一の五「人の花散る疱瘡の山」という話を紹介するわけです。 ※下に現代語訳と解説があります。 懐硯. 第1 - 国立国会図書館デジタルコレクション ※この記事では、国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しております。 ※画像は拡大できます。 【原文】 人の花 散《ち》る疱瘡《はうそう》の山 「懸崕《けんがい》嶮《けわ》しき處《ところ》生涯《しやうがい》を捨つ。 暮鐘《ぼしやう》孰《たれ》が爲《ため》に帰家《きか》を促《もよふ》さん」 扇子《あふぎ》に空《むな》しく

                                                                      人の花散る疱瘡の山 その1 ~井原西鶴『懐硯』巻一の五~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~
                                                                    • [3]「皿屋敷」 ~日本三大怪談~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

                                                                      「皿屋敷」は、家宝の十枚揃いの皿の一枚を割ったという濡れ衣で殺され、井戸に投げられたお菊さんが幽霊となり、毎晩、井戸の中から「いちま~い、にま~い、、、きゅうま~い、いちまい足りない~」と皿を数えて恨むというお話です。 「播州皿屋敷」と「番町皿屋敷」の2バージョンがメジャーです。 それでは、今回も北斎と芳年の浮世絵をどうぞ。 葛飾北斎「皿屋敷」『百物語』[天保1(1830)年頃] ※Wikipediaより 「さらやしき/百物語/前北斎笔[筆]/霍[鶴]喜板」 お菊さんの体が皿で表現されています。 月岡芳年「皿屋敷 お菊の霊」」『新形三十六怪撰』[明治31年(1898)年] 新形三十六怪撰 皿やしきお菊の霊 (新形三十六怪撰) - 国立国会図書館デジタルコレクション 「新形三十六怪撰 皿やしき/お菊の霊 芳年 芳年」 前回の四谷怪談と異なり、こちらは分かりやすく、井戸から現れたお菊さんの霊が

                                                                        [3]「皿屋敷」 ~日本三大怪談~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~
                                                                      • 大名行列② ~『金草鞋』初編中巻~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

                                                                        前回の続き、左ページの文章を中心に解説します。 【左右ページ全体】 【左ページ詳細】 ※この記事では国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しています。 金草鞋. 1編 - 国立国会図書館デジタルコレクション ※画像は拡大できます。 【原文】 侍 「新五左衛門《しんござえもん》殿、御覧なされ、向かふへ美しそふな婦人が参ります。 兎角《とかく》女の歩く尻付きと申す物ハ、悪く無い物で御座る」 「如何様《いかさま》御尤《ごもつとも》も千万《せんばん》、拙者と貴公ハ胴服中《どうぶくちう》で御座る。 はいほう/\、脇寄れ/\、馬ハ溝《どぶ》へ叩き込め、車ハ屋根へぶち上げろ、女ハそつと脇へ御退《おの》きなさい」 「向かふから、生酔《なまゑ》ひめがひよろ/\して失《う》せ居《を》る。 忌々《いま/\》しい奴だ、おいらに気を悪くさせやァがる」 〇 下谷上野町《したやうへのまち》常陸屋《ひ

                                                                          大名行列② ~『金草鞋』初編中巻~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~
                                                                        • 13-赤本再興〇花咲き爺(花咲かじいさん) ~江戸時代の絵本~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

                                                                          『赤本再興《あかほんさいこう》〇花咲き爺《じじ》』[式亭三馬補綴、歌川国丸画、文化九(一八一二)年刊] ※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。 赤本花さき爺 - 国立国会図書館デジタルコレクション 花咲ぢゝ 3巻 鰻谷劇場条書 3巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション 【原文】 ①慳貪爺ハ、悪心 愈《いよ》/\募《つの》りて、「此の上ハ手短《てみじか》に、正直爺が家へ忍び入り、宝の葛籠《つゞら》奪ハん」とて、難無く忍びて奪い取り、葛籠を開くれバ、宝に非《あら》で、様/\の化け物出て、夫婦を悩ます。 ②「葛籠から出たら、のう/\とした」 ③「一つ見越してやらうか。俺に見越されると、三年生きぬぞ」 ④「ひうどろ/\/\/\、もゝんがあ」 ⑤大なる女の首、けら/\/\と笑ふ。 ⑥「誰だと思ふ、蝦蔵《ゑびざう》が暫凧《しばらくだこ》、あゝつがもねへ」

                                                                            13-赤本再興〇花咲き爺(花咲かじいさん) ~江戸時代の絵本~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~
                                                                          • 三十日目その3『稲生平太郎妖怪記』(『稲生物怪録』) - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

                                                                            (魔王一行の行列) 新日本古典籍総合データベース ※この記事では、国文学研究資料館所蔵品の画像データを適時加工して利用しています。 (CC BY-SA 4.0) ※画像は拡大できます。 【原文】 斯《か》くて、立派に暇《いとま》申し、「我が供、行列を見給へ」と立ち出でける。 平太郎も「是を見送るべし」と縁に出ける。 互ひに拝せし其の時、平太郎が頭、俄《にわ》かに重くなりにけるが、五郎左衛門押したると覚えしとぞ。 平太郎は、「今更、欺《あざむ》かれしか」と口惜しく、大の力を出し、聲掛けて頭《かしら》を擡《もた》げしが、早や五郎左衛門、庭に飛び下りて、早くも彼の並み居し供の駕籠《かご》の内に入るとぞ見へて、形ハ更に見へざりける。 髭《ひげ》の生えたる大いなる足を駕籠の内より出しつゝ、並み居たる供、一度にとつと立ち上りしが、彼の髭足ハ更に見へず。※脱文の箇所は他の写本などを参考に補いました。 其

                                                                              三十日目その3『稲生平太郎妖怪記』(『稲生物怪録』) - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~
                                                                            • 人の花散る疱瘡の山 その4 ~井原西鶴『懐硯』巻一の五~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

                                                                              ※下に現代語訳と解説があります。 懐硯. 第1 - 国立国会図書館デジタルコレクション ※この記事では、国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しております。 【原文】 かくて歳半《としなか》ば経《た》ちて、左馬之丞、例《れい》ならず煩《わづら》ひ、四五日過ぎて疱瘡《はうそう》面《おもて》に顕《あらハ》れ、分《わ》けて重かりし故《ゆへ》、家来迄《けらいまで》氣遣《きづか》い、心地《こゝち》安《やす》からず。 されども、専九良ハ右馬之助が前《まえ》を憚《はゞか》りて見廻《みま》ふ事、心に任せず。 早《は》や廿日《はつか》に餘《あま》れば、疱乾《いもハせ》[いもかせ?]て湯掛ゝりしに、面《めん》を脱《ぬ》ぎたる如《ごと》く其の跡《あと》は菊石《ミつちや》大方ならず。 付《つ》き/゛\きの者まで初めの左馬之丞とも覚へず。 世にまた有るまじき器量《きりやう》、忽《たちま》ち変《へ

                                                                                人の花散る疱瘡の山 その4 ~井原西鶴『懐硯』巻一の五~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~
                                                                              • 人のチョメチョメのぞいた男の運命は? その4 【再読】 ~『野傾友三味線』巻三の四「願成就の宮廻」~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

                                                                                【原文】(クリックで展開) 【原文】 「江戸を出てから今日《けふ》で廿一日《にじふいちにち》、水茶屋の女の手から茶を飲《の》むも気味《きミ》悪く、浮世《うきよ》ハ律儀《りちぎ》に構へたが損《そん》なり」 と火吹竹《ひふきだけ》の様《やう》になったを圧《へ》し付けて、そろりと襖《ふすま》の間《あい》から覗《のぞ》けば、屏風《べうぶ》を立て見えず。 「さらば合点《がつてん》」と小便《セうべん》に出る様《やう》にして、閨《ねヤ》を出、縁《ゑん》へ回り、書院床《しよえんどこ》の様《やう》なる鴨居板《かもゐいた》の透《す》かしより、思ふまゝに差し覗き見れば、男一つ夜着《よぎ》に枕《まくら》を並べ、胴《どう》は一所に命々鳥《めい/\てう》のごとく、何を言うやら、笑うやら、鳴くやら。 しらりと夜《よ》明けになれば、「心留《こゝろと》まるは関《セき》の地蔵《じぞう》」と歌ふて、馬の鈴音《すゞをと》に旅籠《

                                                                                  人のチョメチョメのぞいた男の運命は? その4 【再読】 ~『野傾友三味線』巻三の四「願成就の宮廻」~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~
                                                                                • 雪女② ~『宗祇諸国物語』より~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

                                                                                  『宗祇諸国物語』(西村市郎右衛門作か、貞享二[一六八五]刊)巻五-五 ※国文学研究資料館所蔵 (CC BY-SA) 新日本古典籍総合データベース 【原文】 或る暁《あかつき》、便事《べんじ》の為《ため》、枕に近き遣戸《やりど》押《お》し開け、東の方を見出《みい》でたれバ、一反計り向かふの竹藪《たけやぶ》の北の端《はし》に、怪《あや》しの女一人立てり。 背《せい》の高さ壱丈もや有らん。 顔より肌《はだへ》透き通る計り白きに、白き単衣《ひとへ》の物を着《き》たり。 其の絹、未《いま》だ此の国に見慣れず、細かに艶やか也。 糸筋《いとすじ》赫奕《かくやく》と辺りを照《て》らし、身を明《あき》らかに見す。 容貌《ようばう》の端厳《たんごん》なる様《さま》、王母《わうぼ》が桃林《とうりん》にま見え、かぐや姫の竹に遊びけん、斯《か》くや有らん。 面色《めんしよく》によつて年の程を窺《うかゞ》はば、二十歳

                                                                                    雪女② ~『宗祇諸国物語』より~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~