パリのエッフェル塔をバックにキスをするカップル=2018年3月11日(安元雄太撮影)フランスといえば「アムール(愛)の国」。恋多き国民を手厚い家族手当が支え、欧州一の出生率を誇る。それが昨年、出産件数が戦後最低水準に落ち込み、「いったい、なぜ?」と衝撃が走った。国を挙げての大論争から、セックスレスの進行が浮き彫りになった。地球温暖化への不安から「子供を産まない」と宣言する若者もいる。 フランスの合計特殊出生率(女性が生涯に産む子供数の平均)は昨年、1・68になった。かつては2以上あったのに、この10年は下降カーブに歯止めがかからない。出産数は67万8000人で、15年間でほぼ2割減った。 統計が今年1月に発表されると、マクロン大統領は記者会見で「人口再強化」を宣言。ただちに、育児休暇の取得を促すための制度改革を公約した。