ベトナム戦争当時の韓国の指導者は、陸軍少将の時にクーデターを起こし、軍事独裁政権を樹立した朴正熙(パク・チョンヒ)大統領だった。現在の朴槿恵(パク・クネ)大統領の父親だ。彼は30万人以上の韓国兵を戦地ベトナムに送り込んだ。そこで起こった「虐殺と陵辱」にいま改めて注目が集まっている。 ベトナム問題に詳しいフォトジャーナリストの村山康文氏は、現地取材を通じ、韓国軍による民間人の無差別殺戮や女性の性的陵辱といった戦争犯罪について、多くのベトナム人から直接の証言を得てきた。 ベトナム中南部ビンディン省の省都・クイニョンにほど近い「ゴダイ集落」は、韓国兵の暴虐が最も苛烈を極めた地だ。1966年1月23日から2月26日にかけ、多数の民間人が殺された。ベトナム国内では〈ゴダイの大虐殺〉と呼ばれ、いまだ民族の悲劇として語り継がれている。 同集落にあるタイヴィン村に住むグエン・タン・ランさん(62)は、15