ずっと悪い予感がしていた。 大阪で行われた、ウーゴ・ルイスvs長谷川穂積、山中慎介vsアンセルモ・モレノのダブル世界タイトルマッチである。 長谷川は3階級制覇をかけての挑戦で、勝てば国内では最高齢での戴冠となるが、階級を上げて以降の長谷川は、打たれ弱いにも関わらず打ち合いにつきあってしまう悪い癖が、どうにも抜けきらなかった。山中は昨年に2−1のスプリット・ディシジョンで勝った相手との再戦で、大苦戦した相手だけに今回も楽な試合にはならないと予想していた。ふたりとも負けるかもしれない、という悪い予感がどうしてもぬぐえなかった。 先にメインエベントのほうから書くが、山中慎介も、最近の試合ではガードの粗さと打たれ弱さが目立った。前回の防衛戦、vsリボリオ・ソリスの一戦では一発ダウンを1ラウンドに2回も喰らっていたし、チャンスになると左ストレートばかり狙ってほかのパンチが出なくなる悪い癖も、いつにな