公明党が中国との距離感に頭を悩ませている。公明は昭和39年の結党以来、中国共産党と親密な関係を築き、日中友好の橋渡し役を自負してきた。ただ、今年は日中国交正常化50周年を迎えたものの、両国の関係は冷え切り、改善の糸口は見えない。日本国内の世論は中国に厳しい目を向けており、公明は「親中」のイメージを封印せざるを得なくなっている。(千田恒弥) 「中国は軍事的な行動を拡大し、台湾周辺での軍事演習を行い、わが国の排他的経済水域(EEZ)にミサイルを5発撃ち込んでくる挑発、牽制(けんせい)を行った」 山口那津男代表は15日、東京・池袋で街頭演説し、ペロシ米下院議長の台湾訪問を受けて中国軍が実施した台湾周辺での軍事演習を厳しく批判した。山口氏が中国の行動に批判的な言葉を使うのは珍しい。 公明が親中派と指摘されるのは、歴史的な背景があるからだ。原点は結党の際、党の支持母体となった創価学会の池田大作会長(