『万葉集』に関わる新聞に気になる記事を見つけました。昆虫の「蝶」を詠った歌がひとつもないというのです。「令和」の典拠となった梅花の歌の序に「庭舞新蝶」とあり、蝶に目が留まっていたことは確かです。 まず、私にとって蝶といえば縁起物のイメージであり、着物の柄、また中国の文様のイメージです。中国では、蝶は縁起が良く高貴な身分の人に好まれたと聞きます。私自身も和装を好み、先日結婚式に参列した際に着た振袖も蝶の柄でした。中国で縁起物として扱われた蝶は古代日本においても縁起物であったのではないでしょうか。
『万葉集』に関わる新聞に気になる記事を見つけました。昆虫の「蝶」を詠った歌がひとつもないというのです。「令和」の典拠となった梅花の歌の序に「庭舞新蝶」とあり、蝶に目が留まっていたことは確かです。 まず、私にとって蝶といえば縁起物のイメージであり、着物の柄、また中国の文様のイメージです。中国では、蝶は縁起が良く高貴な身分の人に好まれたと聞きます。私自身も和装を好み、先日結婚式に参列した際に着た振袖も蝶の柄でした。中国で縁起物として扱われた蝶は古代日本においても縁起物であったのではないでしょうか。
少し前の記事で、「憲法十七条」の第二条・第十四条の典拠となるだけでなく、「憲法十七条」全体の基調となっているのは大乗戒経の『優婆塞戒経』であることを指摘した拙論が刊行されたことを紹介しました(こちら)。この発見のおかげで、第二条中で違和感をおぼえてきた箇所が、なぜそう書かれているのか分かりました。 古代の文献は、典拠と語法に注意しなくては正確に読めないという一例ですが、拙論刊行後になって、さらに「憲法十七条」の第一条のうち、疑問に思われる箇所が基づいていた儒教の文献を発見しました。 第一条では、「和」を強調したのち、世の人々は党派を組みがちであって、悟っている者が少ないため、「是を以って、或いは君父に順わず、また隣里に違[たが]う(以是、或不順君父、乍違于隣里)」、つまり、「君主や父の言うことに従わず、また近隣と仲違いする」と述べており、それを防ぐために「上和下睦」してなごやかに話し合うこ
小林昌樹(図書館情報学研究者) 本を読んでいたり、書きものをしていて困るのは、自分の知らない固有名、とくに人名が出てきた時だろう。織田信長、吉田茂などの超有名人なら、広辞苑や百科事典、人名辞典を引けば出てくるし、ネットならGoogle経由でウィキペディアをすぐ引ける。しかし、それらで見つからない時にどうすればよいか。 ■人物調査の三類型 実は、人物情報の調べは、有名人、限定的有名人、無名人の3つに分けて調べると効率がよくなる(これは私が16年前に発見したノウハウ)。 ・表1 人物調査の三類型 いままで物を書く場合などで出ずに困っていたのは、みんなしてa有名人――むしろ「超有名人」というべきか――用の、人名事典類を引いていたからである。本などに出てくるのに経歴が不明で困るような「限定的有名人」はbの、時代業界限定の紳士録類を引かないといけなかったのだ。レファ司書の重要な仕事は、こういった問い
Web NDL Authorities(正式名称:国立国会図書館典拠データ検索・提供サービス)について、典拠データの機能を用いた資料の検索サービスを中心にご紹介します。Web NDL Authoritiesをご存知ない方、どう使ったらいいのかがよく分からないという方はぜひご一読ください。 1. Web NDL Authoritiesって? 2. 典拠データってなに? 3. 典拠データってなんの役に立つの?:典拠データを使った資料の検索 3.1. シェイクスピア作品をまとめて探したい 3.2. 色川武大が別名義で書いた本を探したい 3.3. ソーシャルネットワーキングサービスについての本を探したい 3.4. 「星の王子さま」の翻訳作品をまとめて探したい 3.5. とにかく「漫画」が見たい 4. その他の機能:典拠データの利活用 4.1. 典拠データをダウンロード 4.2. RSS配信 4.3
読者の方々がすでに知っているように、このブログの管理者は夏目漱石作品を愛読していて、それらを世に送り出した作家本人にも並々ならぬ興味を持っている。とても、好きなのだ。漱石先生が。 だからいつも残念に思っている。 実際に漱石がそのような発言をした、という記録がどこにも残っていないのに、かなりの人々がその根拠を確かめないまま、不確かな情報の拡散に加担してしまっている事柄があることを。 「夏目漱石が "I Love You" を『月が綺麗ですね』と訳した」という伝説には、その典拠となる文献が、ない。 現時点でどこにも見つかっていない。 ・国立国会図書館のレファレンス協同データベース しつこいようだがもう一度書く。 「夏目漱石が、英語における "I love you" を『月が綺麗ですね』と日本語に訳した」という言説には、出典がない。 現時点でどこにも見つかっていない。 彼がいつ、どこで、さらにど
こんにちワン!ぼく、カーネ。国立国会図書館の書誌データ広報犬です。 国立国会図書館ホームページ「書誌データの作成および提供」やパンフレット「国立国会図書館の書誌データ」、『国立国会図書館月報』などで、国立国会図書館の書誌データを紹介しています。 カーネ(CANE) 2007年、「NDL書誌情報ニュースレター」創刊と同時に誕生。ニュースレター終刊後も各所で活躍中。 書誌調整(Bibliographic Control)の"C"と書誌アクセス(Bibliographic Access)の"A"、"Newsletter"の "NE"から名付けられました。 みなさまと末永くお付き合いできたらいいな、という願いが長~い胴に込められています。 典拠データとWeb NDL Authorities(国立国会図書館典拠データ検索・提供サービス)の妖精、典拠三兄弟。 『国立国会図書館月報』で連載していた「Wh
2022年1月10日、米国国立公文書館(NARA)が、目録や典拠情報に含まれる差別的な表現等の有害な記述(harmful description)の修正に関する指針“Guiding Principles for Reparative Description at NARA”を公開しました。 NARAは、職員・コミュニティ・連携機関と協力し、有害な記述の評価・更新や将来の目録作成作業のための基準や方針の策定を、同指針に則って行うとしています。指針には、「透明性」「言語」「組織的変革」「連携」「反復的・内省的プロセス」「リーダーシップ」の6項目が挙げられています。 1月18日付のNARAのブログ記事によると、同指針は、人種差別に関する内部タスクフォース“Archivist’s Task Force on Racism”が発表した推奨事項に基づき設置されたワーキンググループ“Reparative
・所蔵する図書『バルトーク』(グリフィス)p.167-170に、「・・・1930年に彼は「アレグロ・バルバロ」のブラスバンドへの編曲のレコードを聴き、その編曲ではなく速度に肝をつぶしたといわれる。あとでわかったことだが、このきわめて異彩を放つ曲は、十二年のあいだ間違ったメトロノーム記号が記されたまま売られていたのだった。そこで彼は自分が書いたあらゆる楽章に、メトロノーム記号ばかりでなく所要時間をも記そうと心に決め、・・・」とあった。 注にバルトークの演奏する録音レコードに付けられているラースロー・ソムファイの解説によるとあり。 このレコードは本学図書館未所蔵。 ・現在刊行中のバルトーク全集(ヘンレ社)で刊行済みの第24巻「管弦楽のための協奏曲」、第40巻「ミクロコスモス」の前書きに、演奏時間を指定するようになった経緯について、バルトークがユニヴァーサル社に書いた1930年の手紙の一部の引用
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近代以降(だと思うのだが)、曹洞宗の修行観を的確に示す語句として「威儀即仏法・作法是宗旨」が用いられている。然るに、後者については『正法眼蔵』「洗浄」巻に見えるから、典拠は明かだが、前者については道元禅師の教えには見えない。無論、似たような語句や、意味として捉えることが出来る文脈はあるのだが、直接的にこの語句を用いた文章が無いということである。 それで、以前からその典拠が気になっていたのだが、とりあえず、遡っていかないと全く分からないので、一試論としてこの記事をアップする次第である。 儀式とは開山の所謂、威儀即仏法、作法是れ宗旨なるものを意味するのである。 原田祖岳老師『参禅の階梯』「第八章 威儀即仏法」、丙午出版社・大正4年(1915) このように、原田老師は明確に「威儀即仏法」の用語をお使いになられ、しかもそれを、「開山の所謂……」と、道元禅師の言葉であることを示しておられる。だとする
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ご質問のラテン語の箇所は、スピノザからの引用ではありません(vitalは誤記、正しくはvitatです)。 ここでは単に「スピノザにならって言うならば」と、自分の鍵概念を、スピノザが『エチカ』で「定理」をあげていったのを模して、ラテン語で言っているだけです。ですから典拠明示がないんです。 「妥当な思考というのは、同じことを回避する」ぐらいの意味です。 繰り返し言われているのは、自我とは無視と誤認の領域であるということ。ですから合理的な思考は、同じことを避けるんです。けれども、現実界は同じところに回帰してくる。だから"res cogitans"(考えるもの)は現実界と出会えない、という脈絡です。 ラカンは十代半ば、スピノザに傾倒して、『エチカ』の構成を表した図を部屋に貼っていたといいます。その傾倒は一時的なものではなく、最初の重要な著作『人格との関係から見たパラノイア精神病』の冒頭に、スピノザ
A Dutch book entitled Algemeene Aardrijksbeschrijving (General Geography) by Jacob de Gelder in 1803-1808, which was introduced into Tokugawa Japan, is found to be one of the crucial sources for Kyuri-tsu, 1836 by Hoashi Banri. This Dutch book covers related topics such as astronomy, meteorology, geology and natural geography, but not human geography. French physics developed by LaPlace, etc. is e
IFLA図書館参照モデルなど新しい書誌データモデルの採用・実装が進んでいるが,それらモデルによる書誌データ作成の方法論やコストについて議論の余地が大きい。本研究はビデオゲーム資料の目録作成においてゲーム作品の典拠構築にWikidataを活用した事例を通じて,オンラインコミュニティが生成したデータ活用の方法論について,網羅性・粒度・記録の完全性という3つの観点から検討した。ここでは所蔵資料の半数強のデータが接続され,コストや外部接続性について有効性が確認できた。一方で特定のデータセットだけを利用することによる課題と複数データセットの統合戦略の有効性が示唆された。
ウィキペディアでの典拠管理とは、ウィキペディアの各記事に固有の識別子を付与することです。典拠管理によって、同じ記事名となる異なる項目を区別したり、複数の呼び方で知られている項目に標準的な呼び名を割り当てることができます。人物記事に使われることが多く、これは人物では同姓同名となることが一般的だからです。ウィキペディアで典拠管理テンプレートを使うと、ページ下部に表示され、世界中の図書目録上の書誌レコード(書籍情報)にリンクされます。 典拠管理を用いることで、曖昧な検索結果から細かな選別作業を行わずに、その記事に関する適切な情報を検索しやすくなります。例えば、音楽の記事で典拠管理を使えば、音楽データベースのMusicBrainzとの相互参照が簡単になります。このことで、多くのメディア再生ソフトウェアは、ある曲が再生された時に、関連するウィキペディアの記事からアーティストの情報を取得して表示できま
1. 著作典拠について 1-1. 著作典拠とは 著作典拠とは、書誌データの検索の手がかりとなる「著作」の情報を整理してまとめたものです。「著作」とは、文字や音声などで表現される前の作品のアイディアそのものを表す概念です。 たとえば、サン=テグジュペリの小説「Le petit prince」は、『星の王子さま』『小さな王子』などのように、さまざまな翻訳タイトルで刊行されていますが、本のタイトルや翻訳者が異なっていても、「著作」としては同一のものです。 「著作」の情報を整理してまとめた著作典拠によって、個別の資料のタイトルや翻訳者の違いに関わらず、同じ「著作」を具体化した資料をまとめて検索したり、同じタイトルをもった別の「著作」と区別して検索したりすることができます。 国立国会図書館では、2021年1月から著作典拠の作成・提供を開始しました。国立国会図書館における著作典拠の作成対象は、次のもの
In 1770's Maeno Ryotaku, one of the pioneers introducing Western science into Tokugawa Japan, wrote a couple of notes entitled by Honyaku Undoho (Parallelogram of Forces) and Sokuyogi Zusetsu (Planetarium). The former concerns with the method to compose as many as four forces into a single force. The latter is illustration of the apparatus to demonstrate elliptic motion of the planets. The present
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