具体例を挙げると、ハンガリー政府は子育て世代への無利子貸付や住宅購入補助、子どもがいる母親の所得税の優遇といった諸政策を用意し、子育てを支援してきた。 これらの少子化対策に伴うハンガリー政府の支出は、名目GDP(国内総生産)の5%に及んでいる。経済開発協力機構(OECD)の統計によると、日本の子ども・子育て支援に対する公的支出の対GDP比率は2020年時点で1.7%だった(OECD平均2.1%)。単純比較はできないが、ハンガリーの少子化対策の規模の大きさが分かる。 出生率はV字回復したが… その結果、2011年には1.23にまで低下したハンガリーの出生率は、2020年には1.56まで上昇した。 とはいえ、これをどう評価するかは、様々な意見があるだろう。ハンガリーのように大規模にやって初めて出生率は上昇するともいえるし、ここまで大規模にやっても人口の安定的維持に必要な出生率2以上には達しなか