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創文社の検索結果1 - 40 件 / 62件

  • 「全数調査なら何でもわかる」という誤解 - 間違えがちな母集団とサンプリングそしてベイズ統計 - - ill-identified diary

    この文章は pandoc-hateblo で tex ファイルから変換しています. PDF 版はこちら 2021/10/15 追記: 後半のベイジアンブートストラップに関する解説はこちらのほうがおそらく正確です ill-identified.hatenablog.com 概要挑発的なタイトルに見えるかも知れないが, 私はしらふだしこれから始めるのは真面目な話だ — 正直に言えばSEOとか気にしてもっと挑発的なタイトルにしようかなどと迷ったりはしたが. 「全数調査できれば標本抽出の誤差はなくなるのだから, 仮説検定は不要だ」という主張を見かけた. いろいろと調べた結果, この問題を厳密に説明しようとすると最近の教科書には載ってない話題や視点が必要なことが分かった. ネット上でも勘違いしている or よく分かってなさそうな人をこれまで何度か見かけたので, これを機に当初の質問の回答のみならず関

      「全数調査なら何でもわかる」という誤解 - 間違えがちな母集団とサンプリングそしてベイズ統計 - - ill-identified diary
    • 創文社の全書籍が絶版免れる 講談社がオンデマンド形式で出版へ:東京新聞 TOKYO Web

      学術書専門の老舗出版社で6月30日に解散した「創文社」(東京都千代田区)が世に送り出してきた全書籍について、大手出版社の講談社(文京区)が刊行を引き継ぐことが決まった。神学者トマス・アクィナスの「神学大全」(全45巻)などの良書が絶版を免れる。一つの出版社の書籍を丸ごと別の出版社が引き継ぐのは業界では異例。良書を残したい、という両社の思いが結実した。(小佐野慧太) 講談社は創文社の全書籍1500点以上のうち、権利者から同意を得られた書籍について、読者から注文があれば、そのつど製本するプリント・オンデマンド(POD)出版や、電子書籍の形で届ける。「創文社POD叢書(そうしょ)(仮称)」シリーズとして刊行する。

        創文社の全書籍が絶版免れる 講談社がオンデマンド形式で出版へ:東京新聞 TOKYO Web
      • まず読みたい100冊

        I. <まず読みたい図書> 1)全学生向きの図書 著作名 著者・編者名 *シリーズ名な ど 出版社 西暦発行年 現在書店で 入手が可能 か(○または ×) 筑波大学図書館 での所蔵の有無、 ある場合は配架番 号 *その他の情報 紹介コメント(80字以内) 三四郎 夏目漱石 岩波文庫 岩波書店 ◯ 081-I95-G10-6 漱石が明治時代の大学生を描いた名作です。自分と比べて見るのも一 興。 地獄変・偸盗 芥川龍之介 新潮文庫 新潮社 ◯ 無 各作品は図書館所蔵 の他の版で読むこと ができる。 何百もの小説を残した芥川。「羅生門」だけじゃ物足りない。 万葉集と日本人:読み継がれる 千二百年の歴史 小川靖彦 角川選書 KADOKAWA 2014 〇 911.12-O24 古典と呼ばれる作品が現代までどのように読み継がれてきたのか、そして それは書物(モノ)としてどのように伝えられてきたのか。

        • 後編 政治家が高学歴化しないのは日本の知的伝統? | 河野有理×森本あんり「日本の『反知性主義』を問い直す」 | 河野有理 , 森本あんり | 対談・インタビュー | 考える人 | 新潮社

          著者: 河野有理 , 森本あんり 尾原宏之さんの「考える人」連載をまとめた『「反・東大」の思想史』が、新潮選書から刊行されました。刊行を記念して、東京大学の出身で、尾原さんと同じく日本思想史を専門とする河野有理・法政大学教授と、『反知性主義:アメリカが生んだ「熱病」の正体』(新潮選書、2015年)の著者、森本あんり・東京女子大学学長が、本書をめぐって対談しました。 (「前編 東大の学費は値上げすべきなのか?」はこちらから) 日本の知的伝統は「反・科挙」? 森本 アメリカの反知性主義には、「神の前ではみな平等である」というキリスト教的な軸があります。だから、ハーバード大学やプリンストン大学の出身者と対峙しても、一歩も引かない強さがある。もし「反・東大」が日本版の反知性主義だとするなら、何がその思想的な軸となるのでしょうか? 河野 その軸をひと言で説明するのは難しいのですが、私のような日本思想

            後編 政治家が高学歴化しないのは日本の知的伝統? | 河野有理×森本あんり「日本の『反知性主義』を問い直す」 | 河野有理 , 森本あんり | 対談・インタビュー | 考える人 | 新潮社
          • 前編 東大の学費は値上げすべきなのか? | 河野有理×森本あんり「日本の『反知性主義』を問い直す」 | 河野有理 , 森本あんり | 対談・インタビュー | 考える人 | 新潮社

            著者: 河野有理 , 森本あんり 尾原宏之さんの「考える人」連載をまとめた『「反・東大」の思想史』が、新潮選書から刊行されました。刊行を記念して、東京大学の出身で、尾原さんと同じく日本思想史を専門とする河野有理・法政大学教授と、『反知性主義:アメリカが生んだ「熱病」の正体』(新潮選書、2015年)の著者、森本あんり・東京女子大学学長が、本書をめぐって対談しました。 日本における「反知性主義」? 河野 尾原宏之さんの『「反・東大」の思想史』(以下、『反・東大』と表記)を読んで、この本をめぐって対談をするなら、ぜひ『反知性主義』の著者である森本あんりさんにお願いしたいと思いました。というのも、まさにこれは日本版の『反知性主義』として読めますし、またそのように読むべきだと思ったからです。 森本 ありがとうございます。アメリカにおける反知性主義(anti-intellectualism)とは、名門

              前編 東大の学費は値上げすべきなのか? | 河野有理×森本あんり「日本の『反知性主義』を問い直す」 | 河野有理 , 森本あんり | 対談・インタビュー | 考える人 | 新潮社
            • 世界史をやり直したら、自分の時代錯誤に気づいた

              まず、自分の歴史認識が古いこと。 学校で習った「歴史」は、石油危機と東西冷戦のあたりで終わっている。そして当然、私が生きているあいだも歴史は書かれていく。 しかし、私はそれらを「ニュース」として知る。 メディアやネットを通じた出来事として接する。大きな事件や紛争の報道には、そこに至る経緯も解説されるが、それだけだ。私は少し心を痛め、赤十字に募金し、次のニュースを見る。ニュースは上書きされ、私の関心や、日本との関わりが遠いほど速やかに流されてゆく。 食糧問題は解決した? 例えば、飢餓人口について。 どこかで「飢えに苦しむ人は大幅に減少している」と耳にしたことがあった。食糧問題や貧困は大きく解消に向かっているという主張だったと記憶している。 しかし、サハラ以南ではここ半世紀一貫して増加していることを知った(下図参照)。また、世界全体から見ても、2014年を境に増加に転じていることが分かった(※

                世界史をやり直したら、自分の時代錯誤に気づいた
              • 国会図書館デジタルコレクション個人送信サービスで読めるフランス現代思想|MasakiUeta

                人類学篇が人気だったので、たぶん求められているだろう──いや、作成者自身が求めている──フランス現代思想版をつくりました。例により作成者は専門家ではありません。またおそらく漏れているひともたくさんいます(特に1900年以前に生まれたひとは適当)。なにとぞご了承ください。 2024年6月1日 植田将暉 (6月5日更新) アンソロジーJ.デリダ ほか著 ほか『現代フランス哲学12講』,青土社,1986.10. 〔レヴィ゠ストロース、フーコー、バルトとの対話〕レーモン・ベルール 著 ほか『構造主義との対話』,日本ブリタニカ,1980.2. ジャン=ルイ・ド・ランビュール 編 ほか『作家の仕事部屋』,中央公論社,1979.5. 1900年代以前の生まれガブリエル・タルド(1843–1904)タルド 著 ほか『タルドの社会学原理』,岩波書店,1923. ガブリエル・タルド 著 ほか『模倣の法則』,而

                  国会図書館デジタルコレクション個人送信サービスで読めるフランス現代思想|MasakiUeta
                • 老舗出版の「創文社」、書籍販売を終了へ  20年めどに解散、惜しむ声続々

                  老舗出版社の「創文社」(東京都千代田区)は2019年12月、来年3月末をもって書籍販売を終了すると発表した。 SNS上では「実にお世話になりました、残念です」「創文社から出すのが夢の一つだったが間に合わなかった」と惜しむ声が相次いでいる。 大学予算縮小などが背景 1951年創業の創文社。学術書専門の出版社として、学識者の知を長年支えてきた。 哲学・宗教・歴史・東洋学など人文学系や、法律・法制史・政治学・経済学など社会科学系の専門書を扱い、『神学大全』(トマス・アクィナス著)や『ハイデッガー全集』などを刊行してきた。 しかし17年3月に、2020年をもって会社を解散すると発表された。大学予算の縮小化による大学図書館への販売低迷や、学術論文の電子化などが、経営に大きな打撃を与えた。 発表文では、「著者の先生方、および取引業者の方々に、経済的なご迷惑をおかけしないために、この度の決断と相成りまし

                    老舗出版の「創文社」、書籍販売を終了へ  20年めどに解散、惜しむ声続々
                  • 創文社が解散 学術書に救い手 競合他社が刊行引き継ぎへ - 日本経済新聞

                    『ハイデッガー全集』や『神学大全』といった学術書を多く刊行してきた創文社が6月末、解散した。出版不況に加え、大学の予算減少で学術書の需要が落ちていることもあり、売上高は10年前に比べ半分に落ち込んでいた。同社の解散に伴い、学術の良書の行方が心配されたが、出版・学問を守ろうと、業界各社が動いている。創文社は哲学や歴史といった社会系の学術書に強く、書籍は研究者からの需要も多かった。しかし、経営難か

                      創文社が解散 学術書に救い手 競合他社が刊行引き継ぎへ - 日本経済新聞
                    • 国会図書館デジタルコレクション個人送信サービスで読める人類学系の翻訳書(著者篇)|MasakiUeta

                      とりあえずつくった暫定版です。主要な人類学者(岸上伸啓ほか『はじめて学ぶ文化人類学』ミネルヴァ書房、2018年などを参考にしました)の翻訳書のうち、国会図書館デジタルコレクションの(主に)個人送信サービスで読むことができるものを集めています。※ 個人送信サービスの説明や登録方法はこちら。 おもに2024年4月末の追加によって、1995年ごろまでの絶版書目を中心に、多くの文献(とくに各分野で「古典」とされているようなもの)が登録すればオンラインで読めるようになっています。これはすごい! 暇をみて更新するつもりですし、テーマ・地域別のリストも作成したいし、日本人の著者についてもまとめたいと思っている(今回は多すぎたので断念)のですが、そんな余裕はないかもしれません。ぜひ誰かやってください。また作成者は人類学の専門家ではありません。漏れがあったり、主要な人類学者の選定に論争性があったりするのかも

                        国会図書館デジタルコレクション個人送信サービスで読める人類学系の翻訳書(著者篇)|MasakiUeta
                      • 【最難解名著リスト】おすすめの教養となる本(哲学書)の古典的名著30冊。古典とは何かを知り教養を身につけるおすすめの難しい本  - 日々是〆〆吟味

                        初心者向けのリストは以前に書いたものがこちらにあります。最初に哲学書を読もうと思われたら下記のリストのほうがいいかもしれません。 waka-rukana.hatenadiary.com 最難解な哲学書 30冊 選ぶ基準 1.歴史的評価の高いもの 2.分厚いものや巻数の多いもの 3.翻訳も難しいとされているもの 4.西洋哲学の範囲内のもの 5.哲学以外の本も若干含まれる 古代 8選 『ソクラテス以前哲学者断片集』 プラトン『国家』 アリストテレス『形而上学』 プリニウス『博物誌』 『初期ストア派断片集』 セクストス・エンペイリコス『学者たちへの論駁』 プロティノス『エネアデス』 『ナグ・ハマディ文書』 中世 4選 『中世思想原典集成』 アウグスティヌス『神の国』 トマス・アクィナス『神学大全』 オッカム『『大論理学』注解』 近世/近代 10選 ヤコブ・ベーメ『黎明』 カルヴァン『キリスト教綱

                          【最難解名著リスト】おすすめの教養となる本(哲学書)の古典的名著30冊。古典とは何かを知り教養を身につけるおすすめの難しい本  - 日々是〆〆吟味
                        • 日本が大国から取り入れ自家薬籠中の物とすることとあまりに偉大な中国の拒絶 ~日本は後進国ゆえにヨーロッパ文明を学んだが、中国は超大国ゆえにヨーロッパ文明を必要とせず近代化に後れ衰退した - 日々是〆〆吟味

                          日本の取り入れと中国の拒絶 〜中国はあまりに偉大だったから衰退した? 外国文化と日本文化 自家薬籠中のものとする 超大国からやってくるものをずっと取り入れている日本 あまりに偉大で自足している中国 文化としての中国 偉大すぎて取り入れるのがちょっと苦手な中国 参考となる本 【橋爪大三郎,大澤真幸,宮台真司『おどろきの中国』】 【橋爪大三郎,大澤真幸『げんきな日本論』】 【ウェーバー『儒教と道教』】 日本の取り入れと中国の拒絶 〜中国はあまりに偉大だったから衰退した? 手塚治虫とアニメの関係をお話ししていたのですが、どんどん話がズレていってしまいました。いつのまにか富野由悠季の話にまでなってしまって…え〜と、なんだったっけな。そうそう、もとは日本の文化の話をしていたんでしたっけ。 外国文化と日本文化 アニメや漫画が日本文化化したのは、過去の日本文化からアニメや漫画を説明し、意味づけていったか

                          • フォーゲル他『十字架の時:アメリカ奴隷制の経済学』:おもろいでー。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

                            ポランニーで、ダホメの輸出側の奴隷事情を見ました。 cruel.hatenablog.com それで奴隷に興味が出てフォーゲルの『十字架の時:アメリカ奴隷制の経済学』を読み始め、訳し始めてしまいました。まだ前半だけ。もちろん、フォーゲルはずいぶん長生きしたし、翻訳権は当分フリーにならないので、みなさんは読んではいけません。以下にあるけれど、見ないように。 フォーゲル&エンガーマン『十字架の時:アメリカ黒人奴隷制の経済学』(まだ前半だけ、pdf18MB) なぜか知らないが、目次のハイパーリンクがずれていて、きちんと当該の章にジャンプしなくなっている。もちろん、みなさんはご覧にならないでしょうから関係ないけれど。あと、Excelで作り直したグラフの相当分は、目分量で原著のグラフから数字を読み取って再現したものなので、完全に厳密ではありません。プラマイ3%くらいの誤差はあるはず。 著作権を遵守す

                              フォーゲル他『十字架の時:アメリカ奴隷制の経済学』:おもろいでー。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
                            • 人間に与えられる社会認識の問題と、それに対する自我 ~デカルトの懐疑した社会的価値と疑う自我の発見【デカルト『方法序説』】 - 日々是〆〆吟味

                              社会からの認識の問題と、それに対する自我 〜まずはデカルト 社会の価値観と危険性 デカルトと自我と疑うべきあらゆるもの 気になったら読んで欲しい本 【デカルト『方法序説』】 【デュルケーム『宗教生活の原初形態』】 【トマス・アクィナス『神学大全』】 社会からの認識の問題と、それに対する自我 〜まずはデカルト 社会の価値観と危険性 デュルケームの言う通り人間の認識が社会(集合表象)から与えられるのだとすれば、色々と問題が出てきそうです。社会(もしくは世の中と言った方がいいのかな)から価値観を与えられて正しいものだと思っていても、間違っているということなどしょっちゅうありそうです。 たとえば世の中で誰かを犯罪者に仕立て上げてしまった時、事実として間違っていても世論が沸騰していれば違うと言いにくいかもしれません。また別に犯罪でもないスキャンダルで苛烈に指弾されているのを塗りかえようとするのも至難

                                人間に与えられる社会認識の問題と、それに対する自我 ~デカルトの懐疑した社会的価値と疑う自我の発見【デカルト『方法序説』】 - 日々是〆〆吟味
                              • 【伝統と合理性】エートスの形成を阻害する社会の伝統性と、合理性の追求を可能とする近代教育や社会にいきわたっている既存の公共志向な思想の必要性について【ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』『支配の社会学』】 - 日々是〆〆吟味

                                エートスと社会の伝統性と合理性 〜昔ながらの世の中を変えるのは大変なんです 資本主義の成立と成立後 世界化する資本主義とエートス 資本主義を担う、エートスのある層 共同体と近代社会と経済圏 日常を超えた普遍的な価値観の必要性 気になったら読んで欲しい本 【ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』『支配の社会学』】 エートスと社会の伝統性と合理性 〜昔ながらの世の中を変えるのは大変なんです 近代資本主義はエートス抜きには成り立たない、と書きましたが、しかし見回してみますとエートスのある人よりなさそうな人の方が多そうですし、お金儲けして成功してますね。今ももちろん資本主義のはずですが、こりゃ一体どういうことでしょうか。最近は資本主義が機能していないことになるのでしょうか。とてもじゃないですけどそんな風に見えませんね。 資本主義の成立と成立後 実はウェーバー先生が研究したのは資本

                                  【伝統と合理性】エートスの形成を阻害する社会の伝統性と、合理性の追求を可能とする近代教育や社会にいきわたっている既存の公共志向な思想の必要性について【ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』『支配の社会学』】 - 日々是〆〆吟味
                                • 近代における数学の世界と中世における神の世界 〜自然についての理解や認識の変化と決定的な世界認識の転換 - 日々是〆〆吟味

                                  近代の数学的世界と中世の神学的世界 〜自然ってなんなのだ、というところから始まってると思います 世界の数学化 自然世界の認識 神の作った物理的世界としての自然 気になったら読んで欲しい本 【クライン『数学の文化史』】 【グラント『中世の自然学』/小山宙丸『ヨーロッパ中世の自然観』 近代の数学的世界と中世の神学的世界 〜自然ってなんなのだ、というところから始まってると思います 数学化こそが世界の正しい認識だ、とデカルト以降は思っています。ちょっと前にも似たようなこと書きましたので一応載せておきますね。 https://www.waka-rukana.com/entry/2019/07/03/063019 https://www.waka-rukana.com/entry/2019/07/04/060037 まだ本を記載していた頃なのでタイトルが長いですね(ちょっといそがしくてリンクの貼り直し

                                    近代における数学の世界と中世における神の世界 〜自然についての理解や認識の変化と決定的な世界認識の転換 - 日々是〆〆吟味
                                  • 【まとめ】出版社についての逸話/お話(中央公論,大修館,創文社)【15】 - 日々是〆〆吟味

                                    まとめ15 出版社についての逸話/お話 このまとめの要旨 書いたものの一覧 現在時間がなくリンク切れのままとなっております。申し訳ありません。 まとめ15 出版社についての逸話/お話 このまとめの要旨 今まで書いたものの中で出版社に関わりありそうなものをまとめてみました。興味あればご覧ください。 書いたものの一覧 www.waka-rukana.com 戦時中に何の役に立たない小説を書き続けていた谷崎潤一郎を中央公論社ががんばって支えていた、ーというようなことも含まれているお話。 www.waka-rukana.com 今もって一級であり、当時世界一であった漢字辞典を作ったという大修館のお話。すごい! www.waka-rukana.com 老舗学術出版社だった創文社が廃業してしまうということを知って、あまりの悲しさに書いたもの。重要な出版物がたくさんあり、それらが新しく得られることがなく

                                      【まとめ】出版社についての逸話/お話(中央公論,大修館,創文社)【15】 - 日々是〆〆吟味
                                    • 日本の古本屋 / 「総ルビ」や「著者略歴」の効用――古本を分析書誌してみる(古本の読み方3)

                                      初回、前回と、価値観のズレを読んだり、観点をズラして「読み替え」たりした。今回は真正面から戦前古本のテキストを読んでみる。即物的な読み方、あるいは「分析書誌」と言ってもよいかもしれない。 ■戦前本は造りのルールが違う――例えば、パラルビvs.総ルビ 戦前本には、今の我々が知らない共通ルールがいくつかある。例えば、新聞紙夕刊は記載発行日の発行でなく、前日の(夕方)発行だったり、大正期まで辞書はイロハ引きだったり、ページ付けなども1冊の途中で何度も1から始められていたり。 ここでは、ふりがなのルールについて見てみる。 パラルビと総ルビ 書籍ならその書籍を出すとき、対象とする読者の智能程度によつて、ふりがなをつける。このふりがなを、ある幾つかの、むづかしい字だけにつけるのはパラルビと云ひ、漢字の殆んど全部につけるのを総ルビと云ふ。(編集者同志会 編『編集から出版まで』創文社, 1949) 想定読

                                      • 人間の精神が形成される根本的な考え方となるイデアや神と経験論 ~目の前のものを超えて与えらるものと目の前のものから与えられるもの - 日々是〆〆吟味

                                        人間の精神が形成される根本的な考え方となるイデアや神と経験論 ~目の前のものを超えて与えらるものと目の前のものから与えられるもの 外から与えられる人間の精神 神やイデア 全知全能の創造主としての神 〜人々の断絶も神はすべて知ることができる 【トマス・アクィナス『神学大全』】 目の前にある物を超えたところにあるイデア 〜目の前の花はそれ自体が美しいのではなく美しさのイデアを分け持っている 【プラトン『テアイテトス』】 目の前にある物自体から人の精神は形作られる 〜イギリス経験論 【ロック『人間知性論』】 人を超えた全体的なものから個人への目線への変化 前回のお話 https://www.waka-rukana.com/entry/230/2020.09.01 人間の精神が形成される根本的な考え方となるイデアや神と経験論 ~目の前のものを超えて与えらるものと目の前のものから与えられるもの テア

                                          人間の精神が形成される根本的な考え方となるイデアや神と経験論 ~目の前のものを超えて与えらるものと目の前のものから与えられるもの - 日々是〆〆吟味
                                        • 古典となる本を読むことにより新しい価値を生み出す書物と批評による人類の思想的営為 〜世界の現状維持は衰退を意味し、書物と批評と思想による現実の変革 - 日々是〆〆吟味

                                          フィクションと本と読むこと、思想と現実 ~人は読むことによって何かを生み出す フィクションは必要か? 漫画や小説は必要か? 【夏目漱石『吾輩は猫である』/小林秀雄『読書について』/小林よしのり『ゴーマニズム宣言』】 【呉智英『読書家の新技術』】 【サルトル『嘔吐』】 人はパン(=物質的なもの)のみに生きるにあらず 【新約聖書】 書物と批評と人類の思想的営為 【中世思想原典集成 精選版】 【リチャーズ『文芸批評の原理』/アリストテレス『詩学』/レッシング『ラオコオン』/ヘーゲル『美学講義』】 【アウグスティヌス『告白』/アンセルムス『モノロギオン』/トマス・アクィナス『神学大全』】 思想と現実の現状維持と変革 前回のお話 https://www.waka-rukana.com/entry/2020/06/01/200057 フィクションと本と読むこと、思想と現実 ~人は読むことによって何かを

                                            古典となる本を読むことにより新しい価値を生み出す書物と批評による人類の思想的営為 〜世界の現状維持は衰退を意味し、書物と批評と思想による現実の変革 - 日々是〆〆吟味
                                          • 人間が経験することによって認識が可能な科学的に存在しうる世界と、経験を超えた領域へ哲学的思考によって捉えられる世界の違いによる、科学者と哲学者の相違 - 日々是〆〆吟味

                                            経験世界の科学と思考能力の向かい先を見る哲学者 理解出来る領域としての経験世界 【ロック『人間知性論』】 経験世界に限定して考える科学 【カント『純粋理性批判』】 哲学者と科学の微妙な関係 〜経験世界以外も人間は考える 【ヘーゲル『精神現象学』,フッサール『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』,ハイデガー『存在と時間』】 【アリストテレス『形而上学』】 前回のお話 矛盾とは認識できない領域への思考である哲学や思想へといざなう日常的な契機となる ~論理的解決では果たされず残されるままの矛盾 - 日々是〆〆吟味 経験世界の科学と思考能力の向かい先を見る哲学者 形而上学 (講談社学術文庫) 作者:アリストテレス メディア: 文庫 理解出来る領域としての経験世界 ところで私たちにわかる限りの領域とはどのような世界でしょうか。それはカント大先生たちいわく、経験世界での事柄だ、というわけです。 どう

                                              人間が経験することによって認識が可能な科学的に存在しうる世界と、経験を超えた領域へ哲学的思考によって捉えられる世界の違いによる、科学者と哲学者の相違 - 日々是〆〆吟味
                                            • ハイデガーと実存主義と実存主義者への態度とその影響 - 日々是〆〆吟味

                                              ハイデガーと実存主義者たち ハイデガーと実存主義 【手塚治虫『ネオ・ファウスト』】 【サルトル『嘔吐』『実存主義とは何か』】 実存主義者とは異なるらしいハイデガー サルトル以外にも影響した実存主義者たち 【ヤスパース『哲学』,マルセル『存在と所有』】 前回のお話 waka-rukana.com ハイデガーと実存主義者たち ハイデガーと実存主義 ハイデガーに影響を受けたのは別に日本人だけではなく(当たり前か)ヨーロッパでもそうでした。その中でなんとなく直接ハイデガーの後を引いたような印象があるのがサルトルかもしれません。 サルトルは実存主義の代表的哲学者ですが、同時に作家でもあります。小説にも『嘔吐』という有名なものがあります(でも文芸批評家の江藤淳は、サルトルの小説は『嘔吐』以外面白くない、なんて書いてたなぁ)。ちなみに日本に講演しにきたこともあって、手塚治虫の漫画にそんな様子が1コマ書い

                                                ハイデガーと実存主義と実存主義者への態度とその影響 - 日々是〆〆吟味
                                              • ネトウヨ批判を存在証明とする「知識人」たち

                                                日韓関係の緊張に伴って日本では韓国に厳しい世論が形成されている。だが、気になるのは、それにともなって顕著になっている「ネトウヨ批判」を存在証明とする「知識人」たちの活動だ。 「ネトウヨ」という言葉が非常に流通している。そこに侮蔑的な意味が含まれていることも、いわゆる「知識人」の間では自明の前提である。そこで発展した紋切り型ビジネスは、「お前はネトウヨだ!(したがって私のほうが正しい)」というレッテル貼りである。 現在、日本の大学人の多くが「ネトウヨ批判」でビジネスをしている。つまり「お前はネトウヨだ!(したがって私の方が正しい)」という紋切り型に、あらゆる問題をも持ち込んでいくというビジネスである。 もう一方では「パヨク」嘲笑のビジネスもある。ただ左翼批判の基本パターンは、在野の言論人が、大手新聞社や戦後民主主義系の学者を揶揄する、というものである。これに対して「ネトウヨ批判」ビジネスは、

                                                  ネトウヨ批判を存在証明とする「知識人」たち
                                                • キリスト教とローマ時代の哲学の存在を賭けた緊張関係 ~キリスト教が自らを確立するために行った思想闘争 - 日々是〆〆吟味

                                                  キリスト教と周囲の哲学や思想との緊張関係 ローマ社会内におけるキリスト教のかよわい立場 身を守るための護教論 【中世思想原典集成 ギリシア教父】 【アームストロング『古代哲学史』】 キリスト教内部の異端との戦い 【オリゲネス『諸原理について』】 前回のお話 ローマにおけるキリスト教の関係と苦闘 ~社会から疎外された者の新しい存在としてのキリスト教 - 日々是〆〆吟味 キリスト教と周囲の哲学や思想との緊張関係 中世思想原典集成 精選1 ギリシア教父・ビザンティン思想 (平凡社ライブラリー) 発売日: 2018/11/12 メディア: 単行本 キリスト教が新しい普遍的な思想として世界史に現れてきたのはいいのですが、それはのちの時代になった現在から見てそう言えるわけですね。当時のキリスト教としてはまわりの哲学や宗教と常に接しながら自分たちの存在を確立する必要がありました。 ローマ社会内におけるキ

                                                    キリスト教とローマ時代の哲学の存在を賭けた緊張関係 ~キリスト教が自らを確立するために行った思想闘争 - 日々是〆〆吟味
                                                  • ウォーラス(英 1858-1932) 本【著作(翻訳)ブックリスト一覧/リンク(Amazon)】 - 日々是〆〆吟味

                                                    グレーアム・ウォーラス(Wallas, Graham) ウォーラス著作リンク一覧 社会之心理的解剖(大鳥居弃三 訳. 大日本文明協会事務所, 大正10) 社会伝統論(岡島亀次郎 訳. 文明協会事務所, 大正14) 政治における人間性 (名著翻訳叢書 石上良平, 川口浩 共訳. 創文社, 1958) 思考の技法 (ちくま学芸文庫 松本 剛史 訳 筑摩書房 2020) ウォーラス著作一覧 大正時代の出版 社会之心理的解剖 社会伝統論 戦後の出版 政治における人間性 思考の技法 Wikipedia ja.wikipedia.org

                                                      ウォーラス(英 1858-1932) 本【著作(翻訳)ブックリスト一覧/リンク(Amazon)】 - 日々是〆〆吟味
                                                    • 閣議決定とはそもそも何か?――その濫用は「法の支配」を蔑ろにし「人の支配」を生む(高安健将さんインタビュー) - Dialogue for People(ダイアローグフォーピープル)Dialogue for People

                                                      ――初めにお伺いしたいのですが、安倍元首相の銃撃事件のことを最初に耳にされた時、高安さんはどのように受け止められたのでしょうか? 戦前の日本では政治家の暗殺というものはしばしば起こっていたわけですね。それが政治の自由な空間を少しずつ圧迫し、最後には窒息させてしまいました。戦後日本で首相経験者が暗殺されるということ、それ自体が驚愕である一方、どのような背景でそういう事態になったのかということが大変心配でした。私たち市民が十分に認識していないところで、日本の政治社会に何か重大なことが起きている現れなんじゃないのか――そういう不安がありました。 戦後これまでにも、国政・地方を問わずに政治家が狙われるということはあり、命を落とす事件も少なくありませんでした。今回の事件を受けて、当初「民主主義に対する挑戦」という言葉が聞かれましたが、それは今回の安倍元首相の場合に限らず、強く非難し否定するということ

                                                        閣議決定とはそもそも何か?――その濫用は「法の支配」を蔑ろにし「人の支配」を生む(高安健将さんインタビュー) - Dialogue for People(ダイアローグフォーピープル)Dialogue for People
                                                      • 【心に沁みる名言】今日を精一杯生きるために…。#131 - ioritorei’s blog

                                                        #131 心に沁みる名言 心に沁みる名言 今日を精一杯生きるために… フリードリヒ・グスタフ・エミール・マルティン・ニーメラー(「ニーメラーの警句」より) 今日を精一杯生きるために… 明日ではなく今日。 今、この時を精一杯生きるあなたのために素敵な言葉を綴ろう。 フリードリヒ・グスタフ・エミール・マルティン・ニーメラー(「ニーメラーの警句」より) フリードリヒ・グスタフ・エミール・マルティン・ニーメラー(Friedrich Gustav Emil Martin Niemöller)は、ドイツの福音主義神学者、古プロイセン合同福音主義教会、ヘッセン=ナッサウ福音主義教会(ルター派)の牧師、反ナチ運動家。 ナチスの弾圧とそれに対する抵抗運動を描いた詩『彼らが最初共産主義者を攻撃したとき』(Als die Nazis die Kommunisten holten)の作者。 マルチン・ニーメラーと

                                                          【心に沁みる名言】今日を精一杯生きるために…。#131 - ioritorei’s blog
                                                        • 老舗学術出版「創文社」解散の波紋…全書籍を講談社などが異例の引継ぎ - 産経ニュース

                                                          老舗の人文・社会科学系出版社として知られる創文社が6月末で解散し、同社出版物の刊行を講談社や東京大学出版会などが引き継ぐことが決まった。出版社の解散に際し、刊行物が絶版にならず大規模に引き継がれるのは異例だ。背景には大学の図書購入費減少や出版電子化の進展に伴う学術出版社の苦境と、その中で懸命に良書を守ろうとする関係者の努力が見える。 「良書は一人歩きする」 創文社は昭和26年設立。「良書は一人歩きする」という創業者の信念のもと、昭和35年から半世紀をかけて完訳した中世の神学者トマス・アクィナスの『神学大全』の邦訳(全45巻)や全102巻の『ハイデッガー全集』の邦訳(刊行中)など、主に哲学や歴史学、社会学の研究者向けの学術書に定評があった。 刊行物の多くは比較的少部数で高額のため、図書館などへの納入が大きなウエートを占めていた。だが、日本図書館協会の統計によると、平成12年度に317億円あっ

                                                            老舗学術出版「創文社」解散の波紋…全書籍を講談社などが異例の引継ぎ - 産経ニュース
                                                          • ライプニッツ「ペスト対策の提言」期間限定公開/工作舎

                                                            【期間限定公開】 ライプニッツ「ペスト対策の提言」 新型コロナウイルス感染拡大による不安の中、哲学者ライプニッツが300年以上前に記した「ペスト対策の提言」が、現在の感染症対策に通じると、話題をよんでいます。 「…確実な予防措置はいまだに医師諸氏によって見出されていないので、政治に基づく予防措置に訴えざるをえない。それだけが効果を確認されているものである。それはつまり伝染病を避けることである。」 「…とはいえ、疑わしい物質は勝手にやってくるわけではなく、疑わしい人間によって運ばれることがはるかに多いのだから、何よりも人間に対して十分な警戒をするべきである。」 これは『ライプニッツ著作集 第II期 第3巻 技術・医学・社会システム』第2部医学に収載の論考。翻訳者の長綱啓典先生ならびに、監修者の酒井潔先生、佐々木能章先生の快諾を受け、「ペスト対策の提言」全文・解説をWeb公開いたします。 【公

                                                            • 硬派学術出版「創文社」解散の波紋…絶版にならず、全書籍を講談社などが異例の引継ぎ(産経新聞) - Yahoo!ニュース

                                                              解散した創文社から他社に引き継がれた書籍の一部。文庫化された(左から)「ヨーロッパ世界の誕生」、「独裁の政治思想」、「叙任権闘争」、「比較史の方法」はいずれも歴史学などの基礎文献となっている 老舗の人文・社会科学系出版社として知られる創文社が6月末で解散し、同社出版物の刊行を講談社や東京大学出版会などが引き継ぐことが決まった。出版社の解散に際し、刊行物が絶版にならず大規模に引き継がれるのは異例だ。背景には大学の図書購入費減少や出版電子化の進展に伴う学術出版社の苦境と、その中で懸命に良書を守ろうとする関係者の努力が見える。 創文社は昭和26年設立。「良書は一人歩きする」という創業者の信念のもと、昭和35年から半世紀をかけて完訳した中世の神学者トマス・アクィナスの『神学大全』の邦訳(全45巻)や全102巻の『ハイデッガー全集』の邦訳(刊行中)など、主に哲学や歴史学、社会学の研究者向けの学術書に

                                                                硬派学術出版「創文社」解散の波紋…絶版にならず、全書籍を講談社などが異例の引継ぎ(産経新聞) - Yahoo!ニュース
                                                              • 性別分業と「男性が上」の考え方が広まったのは明治時代

                                                                1952年生まれ。政治学者、法学博士。北海学園大学名誉教授。75年、東京大学法学部卒業。東京都職員を経て、88年北海道大学法学研究科博士後期課程単位取得退学。主な著書に『福沢諭吉 文明と社会構想』(創文社)、『トマス・ホッブズの母権論――国家の権力 家族の権力』(法政大学出版局)、『女性差別はどう作られてきたか』(集英社)があり、訳書に『社会契約と性契約――近代国家はいかに成立したのか』(岩波書店)がある。 日本の伝統的な「家」では、夫婦はほぼ平等な立場で協働していた 中村敏子さん(以下、中村さん) 「家制度」は1898年(明治31年)民法によってつくられましたが、ここで第一に注意すべきは、「家」と「家制度」は違うということです。日本には「家制度」がつくられる前から「家」という組織がありました。 今ある議論の混乱の背景の一つは、日本において平安時代ぐらいからある「家」と、明治政府のもとで民

                                                                  性別分業と「男性が上」の考え方が広まったのは明治時代
                                                                • 今、緒方貞子・元国連難民高等弁務官を追悼することの意味

                                                                  緒方貞子・元国連難民高等弁務官が10月29日に他界した。緒方氏の業績について、私がここで書く必要はないだろう。私は学生時代に難民を助ける会というNGOに出入りしていた。そのつながりで1991年湾岸戦争後のクルド難民支援の現場に行ったのは、最初に体験した国際的な緊急人道援助の現場だった。 その当時、UNHCRの存在感は、圧倒的だった。国連機関の中でも圧倒的だった。大学を卒業する頃の私には、UNHCR職員の全てが格好良く見えた。そのUNHCRを指導する緒方氏は、テレビ等で見るたびにほれぼれするほど、格好が良かった。 今、SNSでも緒方氏を悼むメッセージが多数見られる。いずれももっともな気持ちの表現になっている。ただ、しかし、私自身は、なぜかそうしたメッセージを出す気にならない。自分が多感な20歳代を緒方氏のUNHCR時代で過ごした人物であるだけに、私は、SNSで「緒方氏を悼む」などと書く気にな

                                                                    今、緒方貞子・元国連難民高等弁務官を追悼することの意味
                                                                  • 中村哲医師をイデオロギー論争に利用する愚

                                                                    アフガニスタンで亡くなられた中村哲医師は、あらゆる方面の人々から尊敬されていた偉人と言ってもいい人物だ。政治的立場も超えて尊敬されていたことが中村医師のすごさだ。 小川和久氏は、テロ特措法をめぐる国会審議の際に、国会で参考人として、中村医師が自分とは反対の立場から意見を述べたとき、「中村さんの穏やかさには感銘を受けた」とSNSで思い出を披露している。これが本当だろう。 私自身、憲法9条の理解は中村医師と違っていると思う。だが、そのことと、中村医師が偉大な人物であったとことには、何も関係がない。 中村医師は、偉大な実践者だ。口だけのレベルの人たちとは、レベルが違う。 憲法9条を改正すべきだ、だからガンジーは偉大だと思わない、などという人は、よほど偏屈な人だ。政策論と、ある人間の人生の偉大さは、全く別の次元の話だ。 憲法9条は、平和主義を掲げる日本の大きな財産である。 ただし、政策論であれば、

                                                                      中村哲医師をイデオロギー論争に利用する愚
                                                                    • 統計検定の受験体験記へのリンク集——どんな参考書で統計を勉強しているか|Colorless Green Ideas

                                                                      統計検定1級・準1級・2級のウェブ上の受験体験記へのリンク集。合わせて、1級・準1級・2級の対策にどのような参考書等がよく使われているかを紹介。 はじめに 本記事は、統計検定のウェブ上に公開されている受験体験記をまとめたものである。統計検定は、統計学に関する知識などを問う試験であり、一般財団法人統計質保証推進協会が実施している。統計検定には1級・準1級・2級・3級・4級があるが、本記事ではこのうち1級・準1級・2級の受験体験記のみ紹介する。 以下、1級から順に級ごとに受験体験記へのリンクと、体験記の中で推奨されている参考書・ウェブサイトを挙げる。統計検定をこれから受験しようとしている人にとって、参考になればと思う。 他の人の勉強方法を参考にして、合格を目指そう [1] 。 出題範囲の変更に関する注意 なお、以下に示すように、統計検定の出題範囲は過去に何度か変更されている。 2017年:準1

                                                                        統計検定の受験体験記へのリンク集——どんな参考書で統計を勉強しているか|Colorless Green Ideas
                                                                      • 反転可能性テストとは何か?|まるがお

                                                                        この記事では「反転可能性テスト」を解説する。反転可能性テストを提唱し、詳細に論じたのは法哲学者の井上達夫である(井上 1999 第7章、井上 2003 第1章・第9章、井上 2008 場外補講、井上 2015 第一部)。よって、井上の議論を――私の独自の表現も用いながら――解説する。 ※ 参考文献は記事の最後に示し、本文では著者名・刊行年・ページのみを括弧に入れて表記する。 Ⅰ.反転可能性テストの趣旨 反転可能性テストとは次のことである[注1]。 【反転可能性テスト】 〈自分の他者に対する主張・要求・行動〉は〈自分と他者の立場が反転しても受容できる理由〉によって正当化できるかどうかを吟味すること。 このテストをパスしない主張・要求・行動は正義に反することになる。以下では、3つの要点を解説していこう[注2]。 第1に、「反転」について。〈自分と他者の立場が反転する〉とは〈自分が他者の身になる

                                                                          反転可能性テストとは何か?|まるがお
                                                                        • 次に読みたい100冊

                                                                          II. <次に読みたい図書> 1)全学生向きの図書 著作名 著者・編者名 *シリーズ名な ど 出版社 西暦発行 年 現在書店で 入手が可能 か(○または ×) 筑波大学図書 館での所蔵の 有無、ある場合 は配架番号 *その他の情報 紹介コメント(80字以内) 日本近代短篇小説選(全6 巻) 紅野敏郎ほか(編) 岩波文庫 岩波書店 2012 ○ 081-I95- G191-1〜6 明治編1〜昭和編3までの全6巻。さまざまな作家の短篇を所収。時代の変化と 文学の関係を味わってみてください。 万葉集の発明:国民国家と 文化装置としての古典(新 装版) 品田悦一 新曜社 2019 〇 911.12-Sh57 古典がもつ権威性はいかに生まれるのか。文学に限らず、伝統がいかに創られ るかという問題を考えるのにも好適な一冊。図書館には旧版があるが、買うなら 新装版がおすすめ。 葬式仏教 圭室諦成 大法輪

                                                                          • マイケル・フリードとジョナサン・エドワーズ——『アメリカ哲学史』翻訳余滴|入江哲朗

                                                                            みなさまこんにちは。私はアメリカ思想史が専門の研究者で、映画批評もときどき書いています。だいぶまえにnoteのアカウントを作ったものの放置していたのですが、せっかくなので試しに記事を書いてみることにしました。みなさまが自宅でまったり過ごされる際の暇つぶしとしてご笑覧いただけましたら幸いです。 去る2月に、私も共訳しているブルース・ククリック『アメリカ哲学史——一七二〇年から二〇〇〇年まで』(勁草書房)という本が出版されました。私は同書第1–3章の訳と訳者解説の執筆を担当しています。今回は、『アメリカ哲学史』を翻訳しながらつらつら考えていたことのひとつを、とりとめもなく綴ってみようと思います。 ◇ 私が担当した『アメリカ哲学史』第1章は、「カルヴィニズムとジョナサン・エドワーズ」と題されています。ジョナサン・エドワーズは、1703年から58年まで北米植民地で生きたプロテスタントの牧師です。「

                                                                              マイケル・フリードとジョナサン・エドワーズ——『アメリカ哲学史』翻訳余滴|入江哲朗
                                                                            • [PDF] 提言:「同意の有無」を中核に置く刑法改正に向けて―性暴力に対する国際人権基準の反映―

                                                                              提 言 「同意の有無」を中核に置く刑法改正に向けて ―性暴力に対する国際人権基準の反映― 令和2年(2020年)9月29日 日 本 学 術 会 議 法学委員会ジェンダー法分科会 社会学委員会ジェンダー政策分科会 社会学委員会ジェンダー研究分科会 i この提言は、日本学術会議法学委員会ジェンダー法分科会、社会学委員会ジェンダー 政策分科会及び社会学委員会ジェンダー研究分科会の審議結果を取りまとめ公表するもの である。 日本学術会議法学委員会ジェンダー法分科会 委員長 三成 美保 (第一部会員) 奈良女子大学副学長・教授(研究院生活環境科学 系) 副委員長 吉田 容子 (連携会員) 弁護士 幹 事 武田万里子 (連携会員) 津田塾大学学芸学部教授 幹 事 立石 直子 (連携会員) 岐阜大学地域科学部地域政策学科准教授 糠塚 康江 (第一部会員) 東北大学名誉教授 廣瀬真理子 (第一部会員) 東

                                                                              • 緊迫の中東海域へ:自衛隊の「調査・研究」能力は十分か?

                                                                                米軍の“カリスマ将軍殺害”で予断を許さなくなった湾岸情勢 アメリカが、イラクのバグダッド空港において、イラン革命防衛隊コッズ部隊のソレイマニ司令官を殺害する作戦を遂行した。イラクのイスラム教シーア派(Shiite)武装勢力の連合体「人民動員隊(Hashed al-Shaabi)」に属する親イランで知られるイラクのシーア派民兵組織「カタイブ・ヒズボラ(KH)」(神の党旅団)の指導者のアブ・マフディ・ムハンディス(Abu Mahdi al-Muhandis)氏も同時に殺害されたと伝えられている。 大変な事態である。ソレイマニ司令官は、イラン強硬派の象徴的存在であり、イラクに対するイランの影響力の拡大においても大きな役割を持っていたとみなされている。 攻撃に先立つ1月2日、アメリカのエスパー国防長官は、「状況は一変した」と明言し、さらなる攻撃を防ぐための先制攻撃を辞さない、と明言していた。その数

                                                                                  緊迫の中東海域へ:自衛隊の「調査・研究」能力は十分か?
                                                                                • 森ゆうこ質問通告騒動を見て、日本の民主主義を考える

                                                                                  森ゆうこ議員による、台風が東京を直撃する前夜の深夜まで質問通告を行い続けた問題(と名誉棄損の疑いがある発言問題)が騒動になっているようだ。この問題の背景に、野党による日程闘争と、官僚にブラック労働を強いる文化がある、という指摘がなされている。 参照:“犯人探し”に固執!国民民主党というバカの集まりにつける薬なし この問題の根は深いな、と私も思う。思い出す言葉がある。まだ20代半ばだったときだ。私の留学先のLSEには、日本の官僚の方々もよく留学に来られていた。その中のお一人と、中央省庁の官僚機構ではなぜ度を越した残業が常態化しているのか、という話をした。そのとき、「第一の理由は民主主義だから」、と言われたことが妙に心に残った。それから四半世紀が立っているが、まだ覚えているのだから、本当に耳に残ったのだ。 なぜ民主主義をとると、官僚が深夜まで連日残業することになるのか? 「国会議員の先生は大変

                                                                                    森ゆうこ質問通告騒動を見て、日本の民主主義を考える