熊本市は本年度、江津湖で、水中に含まれる魚類のDNAを活用した生息状況調査を進めている。「環境DNA調査」と呼ばれる新たな手法で、市が実施するのは初めて。江津湖に生息する外来魚の全体像を推定し、電気ショッカー船で実施している外来魚駆除の効果を検証する。 水中や土壌には、生息する生物のDNAが含まれている。生物のフンや剥がれ落ちた皮膚、分泌物に由来し、「環境DNA」と呼ばれる。サンプルの採取は海や川、湖の水をくむだけ。従来の捕獲による調査に比べて労力がかからず、短時間に広範囲の調査が可能になるため、近年、注目を集める新手法だ。 熊本市は現在、江津湖で電気ショッカー船を使った外来魚の駆除(年20回)と生息状況調査(年4回)を実施。同船から電流を流して魚を一時的に気絶させ、浮いてきた外来魚を網ですくって捕獲する。専門家が同行し、在来魚は目視で種類や数を確認している。 同船でティラピアやブルーギル