病気や災害、自殺で親を亡くした子ども、障害などで親が働けない子どもたちを支援する「あしなが育英会」が資金不足に陥っている。月3万円を給付する高校奨学金には2024年度、過去最多の3487人から申し込みがあったが、給付できたのは1538人にとどまった。 支給を受ける高校生も、家庭状況は厳しい。育英会の調査では、税金などを引いた後の可処分所得は全世帯平均の半分にも満たないという。 高校授業料の無償化が進んでも、それ以外に教科書代や交通費、部活動と出費はかさむ。育英会は「一人でも多くの子どもに奨学金を届けたい」と4月19、20、26、27日に各地で街頭募金を行う。奨学生で大学3年生の金井優佳(かない・ゆうか)さん(20)は街頭に立つ覚悟を語る。「私と同じように親を亡くした子どもたち、親に障害がある家庭の子どもたちに進学を諦めてほしくない」(共同通信=松本智恵) ▽苦しい生活 遺児家庭や親が障害者