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小田嶋の検索結果1 - 40 件 / 51件

小田嶋に関するエントリは51件あります。 社会政治小田嶋隆 などが関連タグです。 人気エントリには 『小田嶋隆さん、お疲れ様でした。そしてありがとう。』などがあります。
  • 小田嶋隆さん、お疲れ様でした。そしてありがとう。

    日経ビジネス電子版で「『ア・ピース・オブ・警句』~世間に転がる意味不明」、日経ビジネス本誌では「『pie in the sky』~ 絵に描いた餅べーション」を連載中のコラムニスト、小田嶋隆さんが亡くなりました。65歳でした。 小田嶋さんには、日経ビジネス電子版の前身である日経ビジネスオンラインの黎明(れいめい)期から看板コラムニストとして、支えていただきました。追悼の意を込めて、2021年11月12日に掲載した「晩年は誰のものでもない」を再掲します。 時の権力者だけでなく、社会に対して舌鋒(ぜっぽう)鋭く切り込む真のコラムニスト。その小田嶋さんがつむぐ1万字近い原稿を、短い言葉でどう表現するか。記事タイトルを短時間で考える担当編集者にとっては、連載の公開前日は勝負の1日でもありました。 再掲載するコラムは療養中の病室から送っていただいた原稿です。「晩年」という言葉やそれを何も考えずに使う社

      小田嶋隆さん、お疲れ様でした。そしてありがとう。
    • 死ぬこと以外かすりキス?

      なんと、黒川弘務東京高検検事長が辞意を表明した。 2020年に入ってからというもの、毎日のようにびっくりすることばかりが続いていて、何かに驚く感受性自体が、たとえば去年の今頃に比べて、50%ほど鈍化した気がしているのだが、それでも今回のこのニュースには仰天した。 黒川氏は、5月21日発売の「週刊文春」誌がスクープしている新聞記者との賭け麻雀の事実関係を認めて、辞意を漏らしたもののようだ。 してみると、3日前(18日)に政府が検察庁法の改正案の今国会での可決成立を断念した理由も、安倍総理が説明していた「国民の皆様のご理解なくして前に進めて行くことはできない」という筋立ての話ではなかったことになる。 「ネット世論が政治を動かした」 というわたくしども野良ネット民の受け止め方も、こうなってみると、ぬか喜びというのか、勘違いだった可能性が高い。 政府が法改正を断念した理由は、あらためて考えるに、黒

        死ぬこと以外かすりキス?
      • 「日本人感」って何なんだろう

        Netflixの『13th -憲法修正第13条-』というドキュメンタリーを見た。 現在、この映画は、Netflixの契約者以外にもYou Tube経由で無料公開されている。 お時間のある向きは、ぜひリンク先をクリックの上、視聴してみてほしい。 世界中の様々な場所に、BLM(Black Lives Matter)のスローガンを掲げたデモが波及している中で、Netflixが、2016年に制作・公開されたこのオリジナル作品を、いまこの時期に無料で公開したことの意味は小さくない。 世界の裏側の島国でステイホームしている私たちとしても、せめて映画を見て考える程度のことはしておこうではありませんか。 ただ、視聴に先立ってあらかじめ覚悟しておかなければならないのは、1時間40分ほどの上映時間いっぱい、間断なく表示される大量の字幕を、ひたすらに読み続けることだったりする。この作業は、字幕に慣れていない向き

          「日本人感」って何なんだろう
        • 荒れるアメリカがうらやましい理由

          アメリカが大変なことになっている。 海外のニュースサイトやTwitter経由で流れてくる動画を見る限り、ほとんど内戦が勃発しているように見える。 こういう時は、頭を冷やさないといけない。 現地で暮らしている複数の日本人の証言に耳を傾けると、デモが暴徒化しているのはあくまでも一部のできごとであるようで、アメリカ全土に火が放たれているわけではない。報道メディアのカメラが、武装した警官隊と群衆との衝突のような、扇情的な映像をとらえるのは、彼らの責務でもあれば商売でもある。しかし、その映像をリビングの液晶画面越しに視聴しながら、全米がニュース映像そのままの混乱に陥っていると考えるのは、やはり早計だ。 とはいえ、トランプ大統領のTwitterを眺めていると、やはり心配になる。彼は、デモのために集まっている市民や、暴徒化しつつある一部の人々をむしろ煽りにかかっている。それどころか、この混乱に乗じて、全

            荒れるアメリカがうらやましい理由
          • 「マルチアンチ」な彼らの正体

            前回更新分の当欄コラムで、『13th -憲法修正第13条-』というNetflix制作の無料配信動画をご紹介したところ、その動画を見たという人々から様々な反響が寄せられた。 大部分は、 「見る価値のある映画だった」 「合衆国の歴史を見る目が変わった」 という感じのポジティブな反応だったのだが、一部には 「内容が一方的だ」 「プロパガンダ臭が強すぎる」 といった見方を伝えてきた人々もいる。 私個人としては、あの動画を「プロパガンダ」と断定してしまう評価には共感できないのだが、それはそれとして、自分の中に無い視点から作品を読み解く解釈を知ることができたのは収穫だった。ひとつの作品を、ネット上に散在する不特定多数の人々とともに同時視聴する経験の貴重さに、感銘を受けた。 ただ、作品の評価とは別に、先日来アメリカで吹き荒れているBLM(Black Lives Matter)の運動について、 「ここ10

              「マルチアンチ」な彼らの正体
            • 告発する人間を異端視する世界

              先週から今週にかけて、似たような事件が3件続発した。 「似たような事件」とは言っても、細かく見て行けば、背景は微妙に違っている。個々の事件が明るみに出した問題点も、それぞれに異なっている。ところが、3つの話題を伝える報道記事をひとつのテーブルの上に並べてみると、あらまあびっくり、なんとも見事な「女性蔑視連続事件」とでも言うべきひとつのシリーズが出来上がってしまっている。ここのところがポイントだ。 つまり、われわれは、それぞれに異なった別々の出来事が、ほとんどまるで同じひとつの事件であるように見えてしまうメディア環境の中で暮らしている。このことは、われわれの感覚が粗雑になっているということでもあれば、メディアによる報道がそれだけ劣化してきているということでもある。 今回は、この1週間ほどに相次いで発覚した3つの炎上案件をひとまとめに扱うことで、それらの出来事に共通の背景を与えている「気分」に

                告発する人間を異端視する世界
              • Zoomに心を許さない理由

                緊急事態宣言が出てからこっち、世の中の設定が、すっかり変わってしまったように見える。 にもかかわらず、先週も書いたことだが、私の生活はたいして変わっていない。 あるいは、私はずっと以前から緊急事態を生きていたのかもしれない……というのは、はいそうです、格好をつけただけです。本当のところを申し上げるに、私の生活は、緊急性とはほぼ無縁だ。それゆえ、このたびの事態にも影響を受けていない。それだけの話だ。 ブルース・スプリングスティーンの歌(1973年に発売されたアルバム「アズベリー・パークからの挨拶“Greetings from Asbury Park, N.J.”」に収録されている“For You”という歌です)の中に 「おい、人生ってのはひとつの長い非常事態だぞ」(Your life was one long emergency) という素敵滅法な一節がある。 私は、残念なことに、そういうロ

                  Zoomに心を許さない理由
                • 杉田水脈氏が「無敵」だった理由

                  「女性はいくらでもうそをつけますから」 と、杉田水脈議員は言ったのだそうだ。記事にはそう書いてある。 見出しを読んだだけでは、この発言の悪質さは伝わらない。 うっかり読むと、杉田議員は個人的な観察を述べただけであるように思える。 というのも、実際、女性はうそをつくことができるからだ。 うそをつくのは女性だけではない。男性だってうそをつく。子供も大人も、当然ながら、うそをつく。のみならず、日本人も外国人も、金持ちも貧困層も、およそすべての人類は例外なくうそをつくことができるし、現実に、多くの人間は、うそをつきながら日々を暮らしている。 そういう意味で、一般論として述べるのであれば、杉田議員の言葉は間違っていない。間違っていないどころか、人類普遍の真実を端的に述べた勇気ある言葉であると評価することさえ可能だ。 しかし、杉田議員は一般論を語ったのではなかった。 彼女は、性暴力に対する相談事業につ

                    杉田水脈氏が「無敵」だった理由
                  • 森氏が五輪組織委トップに祭り上げられる理由

                    「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかる」 と、森喜朗・ 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長は言ったのだそうだ。 この発言の第一報が伝えられた日の夜、ツイッターのタイムライン上には、記事を読んだ人々が、それぞれ、五輪の幕引きの手順や、尻拭いの方法について、思い思いの感慨を書きこんでいた。 なんというのか、第一報が伝わった時点で、すでに 「女性蔑視」 というのは、主要な論点ですらなくなっていたわけだ。 当然といえば当然だろう。森さんの発言がドンピシャリの女性蔑視であることは、いまさら誰が検証するまでもなく、隅々まではっきりしている。そんな論点について、ことあらためて議論をするのは時間の無駄というものだ。 とすると、次の問題は、森さんの言葉が、JOCの臨時評議員会という公の場所で五輪組織委のトップが発信する内容として適切であったのかどうかなのだが、これについても

                      森氏が五輪組織委トップに祭り上げられる理由
                    • 小田嶋さんへの手紙

                      2022年6月24日、日経ビジネスオンライン時代から長くご執筆をいただいてきたコラムニスト、小田嶋隆さんがお亡くなりになりました。 今回は、小田嶋さんに近しい方々にいただいた寄稿を掲載して、皆さんと一緒に偲びたいと思います。 最初は、日経ビジネスに小田嶋隆さんをご紹介くださったジャーナリスト、清野由美さんです。 追悼、小田嶋隆さんへ ついにこの時が来てしまった。 小田嶋さんが脳梗塞で入院された時から、ずっと、はらはらと過ごしてきた。編集Yこと、日経ビジネスの山中浩之さんから電話の着信があると、覚悟を決めて出るのが習いになっていた。小田嶋さん本人の美学から、逐一の病状はうかがっていなかったが、じわじわと砂の落ちる音は伝え聞いていた。 私にとっては、昨秋「中央公論」で小田嶋さんとオバタカズユキさんの対談の仕切り役をした時が、今生のお別れとなった。幾度かの入院治療のインターバルのタイミングで、身

                        小田嶋さんへの手紙
                      • 2カ月後にこの国で展開される悲喜劇への覚悟

                        東京五輪・パラリンピックは、本当に開催されることになりそうだ。 まさかそんなバカなことが、と思っていたまさにそのバカなことが、想定した悪夢の外形を保ったまま、真に俗悪で陋劣な安物の悲喜劇として、いよいよ上演の時を迎えるわけだ。 なんということだろう。 私たちは、またしても引き返すことのできない“崖の上のレミング”であることを、全世界に知らしめるのだ。 覚悟を決めておかなければならない。 われわれは、とんでもないものを目撃するだろう。 正直なところを申し上げるに、私は、ここへ来て、五輪の醜態を、ちょっと楽しみにしはじめている。 というのも、これほどまでに壮大な人類史的愚行をつぶさに観察できる機会は、この先、一生涯めぐってこない気がしているからだ。 2カ月後に、この国で展開されることになっている人間の愚かさの爆発を、私は、細大漏らさず、可能な限り克明に記録しようと思っている。 一介のコラムニス

                          2カ月後にこの国で展開される悲喜劇への覚悟
                        • ワクチン担当大臣が「ブロック」すべき相手

                          いくつかの国で新型コロナウイルスのワクチン接種がはじまっている。 たとえば、イスラエルでは、すでに100万人以上がワクチンの接種を終えている。ちなみに、イスラエルの100人あたりの接種率は11.55%になる。この接種率は現状(2021年1月3日時点)では世界一の数字だという。 ほかにも、アメリカで医療従事者向けの接種が開始されたことや、トルコのエルドアン大統領がワクチンの注射を受ける姿を公開したことなど、世界各地からワクチン関連の報道が続々と伝わってくる。 これらのニュースは、COVID-19に対して、各国が「情報戦」をはじめたことを伝えるものだと考えて良い。 感染爆発から脱却して国民経済を再建することは、世界中の政治家にとって、政治生命を賭した命がけの「戦争」にほかならない。してみると、有効なワクチンを優先的に確保して、それらをなるべく早いタイミングで、可能な限りたくさんの国民に接種せし

                            ワクチン担当大臣が「ブロック」すべき相手
                          • 汚れてしまった「絆」という日本語

                            東日本大震災から10年の節目を迎えて、テレビの画面や新聞の紙面には、震災回顧の企画が並んでいる。 似たようなトーンの番組に食傷する一方で、10年という時間的な尺度の有効さを、あらためて思い知らされている。 あわただしい日常に追われていると、どうしても視野が狭くなる。 日々の仕事に忙殺されている21世紀の人間は、だから、いつしか、過去を振り返ったり、未来に思いを馳せたりする作業を怠るようになる。 10年を区切りとしたタイムスケールは、そんな調子で近視眼的になっている私たちに好適な時間的視野を提供してくれる。 たとえば、自分の人生を10年刻みのブロックに分けて、そのひとつひとつに見出し(ヘッドライン、あるいは「章タイトル」)をつけてみるとわかりやすい。生まれてから現在までのひとかたまりの人生に、ひとつの決定的なタイトルをつけろと言われたら、誰であれ、途方に暮れるところだと思うのだが、自分の過去

                              汚れてしまった「絆」という日本語
                            • 路上飲みを楽しむみなさんに伝えたいこと

                              ほどなく、3回目の緊急事態宣言が発令されるようだ。 まあ、仕方がない。 PCR検査の実施数が頭打ちで、ワクチン接種のメドが立っていない以上、お国としても、国民に忍耐を強いるほかに打つ手がないのだろう。 ちなみに、東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長は、4月21日の会見の中で、五輪選手には大会中毎日のPCR検査を実施する方針を明らかにしている。なんと毎日!である。 つまり、「頻回の検査と陽性者の隔離を確実に励行していれば、感染の拡大を防止できるはずだ」という、昨年来ずっと言われていたこの当然の指摘を、政府の中枢にいる人々は、内心ではきちんと理解していたのである。 とすると、彼らが、その「検査と隔離による感染拡大防止策」を、五輪出場選手に適用する一方で、その同じ方針を、われら一般国民に適用しないでいる理由は那辺にあるのだろうか。 数が多いからあきらめているのだろうか。 それとも、コ

                                路上飲みを楽しむみなさんに伝えたいこと
                              • かくして、全国民がダサくなる

                                菅義偉総理大臣が、日本学術会議の会員候補105人のうち6人の任命を拒否したことへの反発は、意外な方向に広がりつつある。 当事者たる学問の世界の人間が抵抗するのは当然なのだとして、反発の声は、映画人や出版界にも飛び火し、ネット上では署名運動もはじまっている。 もっとも一方では、抗議や反発の動きを牽制する声も高まっている。 ……と、ここまでは、よくある両睨みの定型的な書き出しなのだが、当稿では、反政権派でも政権支持層でもない第三極の人々に注目するつもりでいる。 というのも、日本人の大多数は、その第三極に当たる洞ヶ峠で、静かに事態を眺める態度を選んでいるように思えるからだ。 重要なのは、サイレントマジョリティーの真意が「沈黙」それ自体の中にあるということだ。 どういう意味なのか説明する。 思うに、うちの国の静かなる大衆は、どうやら、学問の自由を防衛しようという声にも、倒閣運動に反発する声にも耳を

                                  かくして、全国民がダサくなる
                                • あなた、ウソヲツイタネ?

                                  ディエゴ・マラドーナが死んでしまった。 多少ともサッカーに関わりを持ったことのある人間は、誰もが落胆していると思う。私も同じだ。朝方に第一報を知って以来、茫然としている。 本来なら、今回はマラドーナ追悼のためのテキストを書くべきなのだろう。 ただ、私は、読者を納得させるに足る文章を書く自信を持てない。たぶん、マラドーナについて私が書くテキストは、ひどく個人的な話になる。その個人的な話が普遍性を持っているのなら良いのだが、おそらくそういうことにはならない。私の個人的なマラドーナ追想譚は、うっかりすると、少なからぬ人々の反発を買う。でなくても、ネット上のメディアで万人が共有できるような心あたたまるエピソードには着地しないだろう。むしろ、炎上するはずだ。大好きな人間に向けた最も率直な言葉は、ネットにぶら下がっているそれぞれに鈍感だったり粗雑だったりする野次馬の心にはどうせ届かない。だとしたら、沼

                                    あなた、ウソヲツイタネ?
                                  • 出羽守に叱られろ!

                                    最初にネタをひとつ。 《TLがデワノカミ批判だらけなので、ライバルの神仏を告知しておきます。 1.出羽守(デワノカミ):「欧米では」を連発する外国かぶれ 2.奈良の大仏(ナラノダイブツ):「日本人なら」を連発する国粋主義者 3.救世観音(クセカンノン):「◯◯人のくせに」を連発する差別主義者》 これは、2018年の8月にツイッター上に投下した書き込みなのだが、こんな未消化なネタをわざわざ公開したのは、私自身が、この数年、いわゆる「出羽守」を嫌う日本人が増えたことをとみに実感しているからだ。 念のために「出羽守」についてざっと解説しておく。 「出羽守」は「でわのかみ」と読む。意味は、weblio辞書では 《-略- 海外(特に欧米)の習慣や事柄を引き合いにして、日本のことを貶すような言動を取りがちな人のこと。 -略-》 と説明されている。 「欧米では」「アメリカでは」「フィンランドでは」という

                                      出羽守に叱られろ!
                                    • 私たちはどこへ行くのか

                                      Go Toについて書いておきたい。 7月16日午後6時の執筆時点では、東京を対象外とする方針が固められたようだ。 とすれば、Go Toトラベルキャンペーンが、国の施策として動きはじめようとしているいまのうちに、その決定の経緯と現時点での反響を記録しておく必要がある。このタイミングを逃すと 「お国が引っ込めた施策について、いつまでもグダグダと言いがかりをつけるのは、あまりにも党派的な思惑にとらわれたやりざまなのではないか」 「世論の動向にいち早く反応して、一旦は動き出した政策を素早く見直す決断を下した安倍政権の機敏さを評価しようともせずに、死んだ犬の疱瘡の痕を数えるみたいな調子で撤回済みのプランを蒸し返してあげつらっているパヨク人士の叫び声が必死すぎて草」 てな調子で、検証作業そのものが、要らぬ非難を招くことになる。 でなくても、いったいに、現政権は、検証ということをしない。 彼らは、森友案

                                        私たちはどこへ行くのか
                                      • 伝言板世代が身に付けた「五箇条の御誓文」

                                        毎日新聞が伝えているところによれば、なんでもJR東神奈川駅の駅員が、 《新型コロナウイルスの感染拡大に伴う休校や外出自粛が長引く中、少しでも明るい気持ちになってもらおう》 ということで、改札の前にあの昔なつかしい黒板の伝言板を設置したのだそうで、これが、好評をもって迎えられているのだという。なるほど。 いきなりのヒマネタだ。やれ新型コロナだ検察庁法改正だで世間の空気が緊迫しているなかで持ち出すには、あまりにも能天気な話題にも思える。でも、「伝言板」というフレーズを何十年ぶりかで見て、いろいろな記憶がよみがえってしまった私の執筆脳は、もはや後戻りができないのだね。 今回は伝言板の話をする。 そもそも、こんなほのぼの系の街ネタがどうして私のアンテナにひっかかったのかというと、週イチで出演しているラジオのディレクターさんが拾ってきてくれたからだ。ディレクター氏は、毎週、私が出演する20分ほどのコ

                                          伝言板世代が身に付けた「五箇条の御誓文」
                                        • 昭和の笑いはおおらかだったのか

                                          スイスのシンクタンク「世界経済フォーラム」(WEF)が3月31日に公表した「ジェンダーギャップ指数」の年次報告書によると、日本の男女平等の達成率は65.6%で、ランキングでは、世界156カ国中で120位に相当する。 ここまで書いてみてあらためて気づいたのだが、当欄でジェンダーないしは男女格差の話題を扱うのは、前回から2回連続になる。 そうでなくても、ここのところフェミニズム関連の話題をとりあげるケースが増えている。 「オダジマはフェミ推しに転向したのか」 「あいつもめんどうくさいヤツになっちまったなあ」 と、そう思っている読者もいらっしゃることだろう。 コラムニストとして自覚しておかねばならないのは、 「フェミニズム関連の話題は一般受けしない」 ということだったりする。もう少し踏み込んだ言い方をすると 「フェミの話題を持ち出すと、つまらない書き手だと思われる」 のである。 問題は、ここにあ

                                            昭和の笑いはおおらかだったのか
                                          • コラムニスト・小田嶋隆さん死去 65歳 政治や社会を鋭く批評(毎日新聞) - Yahoo!ニュース

                                            政治や社会を反権力の立場から鋭く批評したコラムニストの小田嶋隆(おだじま・たかし)さんが24日、病気のため死去した。65歳。葬儀は近親者のみで営む。 【2022年に亡くなった方々】石原慎太郎さん、西村賢太さん 東京都生まれ。早稲田大卒。食品メーカーを退社後、ラジオ局アシスタントディレクター、作詞家などを経験する。雑誌「噂の真相」(2004年休刊)でコラムを連載し幅広い支持を得た。最近ではツイッターでも積極的に発言。19年に脳梗塞(こうそく)を公表し、その後入退院を繰り返していた。今月、自身初の小説集「東京四次元紀行」を刊行したばかりだった。 著書に「日本語を、取り戻す。」「小田嶋隆のコラムの切り口」「超・反知性主義入門」など多数。

                                              コラムニスト・小田嶋隆さん死去 65歳 政治や社会を鋭く批評(毎日新聞) - Yahoo!ニュース
                                            • 訥弁は忖度を生み、詩は思考を呼ぶ

                                              新型コロナウイルスの感染拡大を警戒する中で行われたバイデン米新大統領の就任式は、私がこれまでに見た大統領就任式の中で、最も地味なイベントだった。それでも、彼の国の人たちが、あの種の式典を演出するにあたって発揮する手腕のみごとさには、毎度のことながら感心させられる。 とりわけ印象的だったのは、自作の詩を朗読したアマンダ・ゴーマンさんという若い詩人の素晴らしいスピーチと、その彼女の朗読に耳を傾ける聴衆の姿だった。 なんと言うべきなのか、詩という文芸への尊敬を失っていない国の式典のありように、羨望の念を抱かずにはおれなかった。 もっとも、私は、当日、ナマの朗読を聴いて、その場で英語の詩の意味を解したのではない。残念なことに、そういう能力を私は持っていない。私が「印象的だった」と言っているのは、その日のうちにネット上に流れてきた抄訳や、翌日の新聞に載った日本語訳を参考にしながら、ゴーマンさんの作品

                                                訥弁は忖度を生み、詩は思考を呼ぶ
                                              • 一億総祖父母時代に、大坂なおみ選手をたたえる

                                                菅義偉氏が第99代の内閣総理大臣に就任した。各メディアは新首相および新内閣の話題で持ち切りだ。 私個人としては、 「ああそうですか」 と申し上げる以外に伝えるべき言葉が見つからない。 もう少し事態がはっきりしてきたら、あるいは、何かを言うことになるかもしれないが、何も言わないかもしれない。私が何かを言う前に、政権の方が倒れているかもしれない。どっちにしても、先のことはわからない。 今回は、大坂なおみ選手の全米オープンテニス大会での優勝をめぐって、いくつかのメディアで取り上げられた話題を振り返ってみたいと思っている。 この話題には、いくつかの重要な問題の糸口が顔をのぞかせている。その「いくつかの重要な問題」を思いつくままに箇条書きにすれば、 アメリカにおける黒人差別の問題に、われら日本人は、どのようなスタンスで関与すべきであるのか。 スポーツ選手や芸能人などの著名人が社会的な問題や政治的な事

                                                  一億総祖父母時代に、大坂なおみ選手をたたえる
                                                • 小田嶋隆『東京四次元紀行』について - 兵庫慎司のブログ

                                                  小田嶋隆の遺作となった……いや、この後も、すでに書かれたものをまとめた本が出る可能性はあるし、大いに出してほしい、買いますので、とも思うが、少なくとも「生前に出た」という意味では遺作となった、著者初の小説が『東京四次元紀行』である。 「あとがき」に明記されているように、この短編小説集の元になった雑誌連載は、2014年の春、月刊サイゾーと、季刊の総合誌SIGHTで、ほぼ同時に始まっている。 SIGHTの方は『小田嶋隆の私物小説』というタイトルだった。自分の記憶に残っている「物」をモチーフにして、過去のことを書いていく、という設定なので、ご本人の発案で、そういうタイトルに決まった。 SIGHTでは、その前の号までは、『小田嶋隆の万巻一読 ベストセラーを読む』という連載が、長いこと続いていた。ざっくり言うと、「その時に売れているベストセラー本を読んで批判する」という趣旨だった。そうではなく、肯定

                                                    小田嶋隆『東京四次元紀行』について - 兵庫慎司のブログ
                                                  • 「五輪」の蚊帳の外で思ったこと

                                                    久しぶりです。 またしても、やや長めにお休みしました。 と、まずは、休んでいた間の事情についてお話しします。 とは申せ、すべてを明かすわけにはいかない。理由は、私が、インターネット経由でテキストを読んでいる読者を信用していないからだ。 読者にもいろいろな認識の人間がいる。 仮に95パーセントの読者がマトモな感覚の持ち主であるのだとしても、残りの5パーセントがあらかじめ悪意を抱いて文章を読みにかかる人間であれば、書き手の側が想定している前提は、そっくりそのまま、台無しになる。 少なくとも病気の話はできない。 以前、ある疾患で入院したことがあって、その時は、自分なりに穏当な書き方を心がけたつもりでいたのだが、結果はさんざんだった。 一部の心ない読者が、各方面に悪意ある情報を拡散したことで、私は、一定期間、いやな気持ちを味わう羽目に陥った。 あの時の繰り返しは避けたい。 とにかく、100人の読者

                                                      「五輪」の蚊帳の外で思ったこと
                                                    • 「数」の力を妄信する人々

                                                      愛知県の大村秀章知事のリコール(解職請求)に向けた署名集めをめぐって、奇妙な事実や不可思議な背景が漏れてきている。 現状で判明している事実と、明らかになっていない疑惑を整理しつつ、事態を適切に説明し得るシナリオと、今後究明が期待されるポイントを検討していく大切な仕事は、ジャーナリズムの世界の記者さんたちにまかせる。 私は、自分の足で取材をしている人間ではない。ひとさまの書いた記事を上から論評して、なにがしか意味のあることを言える立場の人間でもない。 なので、当稿では、自分の身に起こったことを起点に、今回の事件を、個人的な視点から眺め直してみるつもりでいる。 事件の真相や背景について、憶測を並べることは差し控える。 というのも、署名運動を推進していた人々の杜撰な仕事ぶりや粗雑な情報管理のありさまが、続々と漏れてきてしまっている現今の状況からして、事態の全容が解明される日は、そんなに先の話では

                                                        「数」の力を妄信する人々
                                                      • 「理解増進」というコンサル話法

                                                        「LGBT法案」(LGBTなど性的少数者に対する理解増進法案)の今国会での成立は、どうやら困難であるらしい。 法案の中身に触れる前に、いくつか、前提部分の話をしておきたい。 まず、「理解増進」という言葉の据わりの悪さについてだ。 もともと、この法案は、LGBTなどの性的少数者への差別を法律に基づいて禁止する目的で上程されたものだ。 ところが、その最初の前提部分である 「差別禁止」 ないしは 「差別撤廃」 に反発する人々が現れた。 というよりも、この法案は、そもそもの発端からして 「差別禁止」 や 「差別撤廃」 という法律の効果に不快感を覚える人々によって議論され、審議され、検討されている。 思い出すのは、かつて使われていた 「男女平等」 という用語に反発した保守派の政治家や官僚が、いつしか、それを 「男女共同参画」 に置き換えてしまったことだ。 ちなみに、内閣府が所管する「男女共同参画局」

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                                                        • うっかりマスクを忘れた人は「加害者」か

                                                          先日、ある場所で開かれた会合で久しぶりにタバコの煙にさらされた。 タバコの煙を身に浴びた程度のことをいまだに覚えているのは、過剰反応であったと、わがことながら反省している。 コロナ禍の影響は多方面に及んでいる。私たちが「他人」から受けるささいな「迷惑」を容認できなくなっていることもそのうちのひとつだと思う。 じっさい、私はコロナ禍以来、タバコの煙に敏感になっている。 ソーシャルディスタンスに慣れたわれらコロナ下の日本人は、「他者」への違和感をエスカレートさせるステージに突入している。であるからして、おそらく、アンダー・コロナのゆとりある通勤電車に慣れたビジネスパースンの中には、仮に新型コロナウイルスが収束したのだとして、あの満員電車の距離感に戻れなくなる人々が一定数現れるはずだ。 私自身の話をすれば、私はすでに30年以上前から、朝夕のラッシュの時間帯の電車には乗れない。そういうカラダになっ

                                                            うっかりマスクを忘れた人は「加害者」か
                                                          • 正義を再定義しよう

                                                            この一週間ほど、「しゃべる」ことについて考えている。 私たちは、話をする対象が個人なのか、不特定多数であるのかによって話し方や話の内容を微妙に変化させている。また、クローズドな環境で話をするのか、オープンな環境で話すのかによって、あるいは、対話の内容が記録されるのかどうかで、話題を使い分けている。まあ、当然ではある。気のおけない親しい友人と、その場限りのジョークを投げつけ合うみたいな対話は、もはやレアケースなのだろう。 あらためて考えてみるに、語り手が自在にしゃべっているつもりでいる「話」にしたところで、21世紀に突入してからこっち、いつの間にやら、オープンな場所に漏れ出てしまっている。さらに、われわれの「話」は、公的なコンテンツとして記録・共有され、不特定多数の他人によって野放図に拡散される次第になっている。 つまり、われわれは、しゃべることの自由を喪失しつつある。 インターネットが情報

                                                              正義を再定義しよう
                                                            • われら日本人は義理と人情を踏みにじることができるのか

                                                              菅義偉首相の長男(菅正剛氏)を起点とする、総務官僚への一連の接待攻勢が政治問題化している。 当然だろう。 菅正剛氏(←どうして、主要メディアはいつまでたっても「菅首相の長男」という書き方を改めないのだろうか)は、衛星放送の事業を展開している東北新社という企業の社員だ。ということは、総務省の官僚にとって、正剛氏は、許認可案件の対象者であり、明らかな利害関係者に相当する。 しかも、正剛氏は元をたどれば総務大臣の秘書官である。逃げを打てる話ではない。 さらに言えば、その正剛氏の実父にあたる菅義偉氏は、かつて剛腕の総務大臣として鳴らし、正剛之氏を秘書官に登用した人物であり、現職の内閣総理大臣でもある。 ということになれば、すでに「週刊文春」経由で、写真から音声記録からの証拠が提示されているこの接待事案が、問題にならないはずがないではないか。 個人的には、特捜部が動き出していないことに意外さを感じて

                                                                われら日本人は義理と人情を踏みにじることができるのか
                                                              • 「日常事態宣言」を発令してしのぐつもり

                                                                7月にはいって間もなく、神戸市をはじめとするいくつかの自治体が、新型コロナウイルスのワクチン接種予約を取り消す方向で検討しているというニュースが届いた。 私は、頻々と伝えられて来る似たような記事の見出しを眺めながら、しばらくの間、起こっていることの意味を理解できずにいた。 予約をめぐって事務の混乱が生じているのか、それとも、各自治体が、ワクチンの打ち手に当たる医療従事者を確保できなくなってきているということなのか、あるいは、もっと根本的な次元で現場が混乱しているのか、あれこれ考えてはみるものの、真相はわからない。 と、7月6日に配信されてきたニュースで、謎が解けた。 河野太郎行政改革担当大臣が、新型コロナウイルスのモデルナ社製ワクチンについて、日本への6月末まで(第2四半期)の供給量が当初計画の4000万回分から1370万回分へ約6割減っていたことを明らかにしたのである。 なるほど。要はタ

                                                                  「日常事態宣言」を発令してしのぐつもり
                                                                • いっそ、閉会式だけリモートで

                                                                  東京都知事選挙は、現職の小池百合子都知事による圧勝という結果に終わった。 小池氏が圧勝することそのものは、ずっと前からはっきりしていたことだし、投票率が前回を下回ったことも、大方の予想通りだった。 ただ、私の個人的な予測としては、小池さんが、コロナ対策や五輪へのマイナス評価によって、多少とも得票数を落とすであろう結果を思い描いていた。 ところが、フタを開けてみると、小池候補は、得票率、得票数ともに前回を上回る結果で当選している。 なるほど。 グウの音も出ないとはこのことだ。 私は、どうやら、今回のこの結果についてあれこれ分析をする資格を持っていない。ともあれ、私の戦前予測が、またしても願望によって歪められていたことがはっきりした以上、結果が出た後の弁解で恥の上塗りをする愚は避けるべきだろう。 さてしかし敗軍の将が兵を語らないのだとして、それでは、選挙で勝った陣営が総取りにする権利を手にして

                                                                    いっそ、閉会式だけリモートで
                                                                  • 怒鳴る大臣を応援してみる

                                                                    自民党の総裁選挙に名乗りを上げている候補者の一人が、居並ぶ官僚を前に、断定的な口調で語る動画が流れてきた。 言葉の調子の強さにも驚かされるが、座り方がよろしくない。大臣は、左腕を椅子の背もたれの後ろ側に回して、右手を振り回しながら、 「○○に決まっているじゃないか!」 と、決めつけるものの言い方で、官僚たちを叱責している。 当該の動画は、既にテレビで放映されたシーンの一部分らしい。 既に一般に流布しているコンテンツでもあることなので、私としては、ツイッターのタイムラインに流れてきたその動画ツイートを、そのままRT(リツイート)して拡散した。 あわせて、大臣が怒鳴り散らしている場面のスケッチを描いて投稿した。 1時間ほどのうちに、何百件かのリプライと引用ツイートが寄せられた。 反響の半分以上は、 「ひどい」 「態度悪すぎ」 「こんなふうに威張り散らす人間が人の上に立つのはいやだなあ」 「ナニ

                                                                      怒鳴る大臣を応援してみる
                                                                    • 「たびたびイケイケキャンペーン」ではダメな理由

                                                                      最初に告知をさせてください。 9月に自著が二冊出ます。その宣伝です。 一冊目は『日本語を、取り戻す』(亜紀書房)というタイトルのコラム集で、9月初旬発売の予定になっています。当欄(日経ビジネス電子版)に掲載した記事をはじめ、「日経ビジネス」「GQ JAPAN」「Journalism」今は亡き「新潮45」などなど、各種商業メディアに寄稿したコラムをまとめたものです。タイミングがタイミングでもあるので、毎度、コラム集をまとめるたびに微妙に遠ざけられていた感のある政治ネタを、あえてひとまとめに集成してみました。読み応えのあるど真ん中直球の論説集に仕上がったと自負しています。政局や時事問題以外では、メディアや行政で使われる日本語の問題に焦点を絞った文章が揃っている点も特徴のひとつかなと思っています。軽快な疾走感とやや重い読後感を、この機会に、ぜひ味わってください。 進行のお話をすると、本書のゲラは

                                                                        「たびたびイケイケキャンペーン」ではダメな理由
                                                                      • 「ときめき」はその一瞬の判断でしかない

                                                                        年の瀬が迫るこの時期になると、毎年、無駄なニュースが増える。 年末年始のカレンダーイベントを伝えるヒマネタが発生するからだ。 12月13日の月曜日には、毎年各メディアが伝える「今年の漢字」というのが発表された。 でもって、その「今年の漢字」をネタに有識者のコメントが紹介され、さらに、当該の漢字を墨痕鮮やかにしたためる僧侶の動画がテレビ各局の画面を席巻した。ま、例年通りの手順が粛々とこなされているわけだ。 そして、この種の回顧ネタの陰に隠れるようにして、油断のならないニュースが伝えられている。 14日には、「こども庁」に関連する記事が一斉に配信された。 かねて子どもに関連した施策の司令塔となる新組織の名称を「こども庁」と予定していたが、「こども家庭庁」に変更することになったというお話だ。 さらりと伝えられているが、ここへ来ての突然の名称変更には奇異の念を抱かざるを得ない。 翌15日には裁判の

                                                                          「ときめき」はその一瞬の判断でしかない
                                                                        • 無敵化する「インフルエンサー」たち

                                                                          アメリカの下院本会議は、1月13日、連邦議会議事堂の占拠事件を扇動したとして、トランプ大統領を弾劾訴追する決議案を可決した。 この弾劾訴追はトランプ大統領にとって2回目に当たる(1回目は2019年の12月)。つまり、トランプ氏は在任中に2回の弾劾訴追を受けた史上はじめてのアメリカ大統領になったわけだ。 下院での弾劾訴追の可決を受けて、今後、上院で弾劾裁判が行われる運びになっている。で、その弾劾裁判において、出席議員の3分の2が賛成すれば、有罪が確定する。その可否は、共和党の議員のうちの何人が賛成にまわるのかによって決まる。見通しは、正直なところ、わからない。 仮に、私が今回のこの事態を受けて何かを言うのだとして、弾劾裁判の意義や先行きを予想する趣旨の原稿を書くのは、あんまり意味のない仕事だ。というのも、私のような立場の人間がこのテーマで何かを書く以上、どう工夫したところで、誰かの受け売りに

                                                                            無敵化する「インフルエンサー」たち
                                                                          • 自称「ファン」の攻撃性について

                                                                            体調が良くない。 3日ほど前から寝てばかりいる。 商業媒体に連載コラムを寄稿している書き手が、自身の体調の低下をいちいち読者に訴えるのが、ほめられた態度でないことは承知している。 しかし、今回は、大坂なおみさんにならって、ネガティブな個人情報をありのままにお知らせしておくことにする。 たぶん、コメント欄には 「甘えるな」 という趣旨の書き込みがいくつか並ぶことになるだろう。 しかし、甘えない人間は、コラムを書き上げることができない。というよりも、自分を甘やかすことをしない人間が執筆したテキストは、甘やかされる必要を持った経験のない読者にしか届かない。とすれば、そんな血も涙もない原稿は、そもそも書かれるべき価値を持っていないはずなのだ。 長い間連載を続けるうちには、体調のすぐれない時期もある。常に理想的な状態で執筆に臨めるわけではない。あたりまえの話だ。 そんなわけなので、今回は、短めに仕上

                                                                              自称「ファン」の攻撃性について
                                                                            • 「喧嘩両成敗」にはご用心

                                                                              この何日かネット上で話題になっているナイキのCMは、すでにご覧になっただろうか。 YouTube経由で随時再生可能なので、この先を読む前にぜひ視聴していただきたい。 この動画を見て何を感じるのかは、人それぞれだろう。 私は、とても感心した。 明らかなメッセージを発信していながら、それでいて押し付けがましさを感じさせない上質な映像作品を、2分間のストーリーにさらりとまとめあげている腕前に感嘆した。こういうセンスを備えたクリエーターが登場しているわが国の現状に希望を感じたと申し上げても良い。 このCMを「炎上」という言葉で紹介しているメディアがいくつかある。メディアの人間が、特定の話題に「炎上」というタグを貼り付けることで、読者や視聴者を誘引しようとする態度の悪辣さには、毎度のことながら、うんざりさせられる。大げさに言えばだが、この種のコンテンツに寄せられる賛否両論を「炎上」と呼んでフレームア

                                                                                「喧嘩両成敗」にはご用心
                                                                              • 「させていただく敬語」に抱く敵意の正体

                                                                                先週はお休みをいただいた……と、書きはじめたのだが、やめておく。 「先週は当欄の更新をしなかった」 と、単にそう書いておくことにする。 私は休みをいただいたのではない。 フリーランスで仕事をしている人間が休養をとるのは自己責任だ。私は、自分自身の判断で、連載を中断して休養をとることにした。それだけの話だ。 それを「休みをいただいた」という言い方で表現するのは、謙虚なようでいて、実のところ無責任な話なのだと思っている。 私は読者に休暇をもらったわけではない。 誰かの下働きをしているのでもない。 いったいに21世紀の日本人は、させていただきすぎる。 この言い方を用いる人々は、自分が主体的に行動したことを表現しているはずの動詞語尾を「させていただく」「引き受けさせていただく」「お知らせさせていただく」てな調子の使役+謙譲語の疑似敬語に変換することで、危険回避をはかっている。 ちょっと注意して耳を

                                                                                  「させていただく敬語」に抱く敵意の正体
                                                                                • 「中二病」という都民の宿痾

                                                                                  昨年の夏に、Spotify(スポティファイ)という音楽配信サービスに会員登録した。実は、それ以前に、似たような会員制の配信サービスであるApple MusicとAmazon Musicに加入している。サービス内容がカブっていることは、承知している。ただ、いくつかのコンテンツやアーティストについては、サービス運営会社ごとに若干の異同があって、現状では、すべてを聴くためには、3つのサービスを網羅せねばならなかったりするのだ。なので、90%以上のコンテンツに関して、まったく同じ楽曲をカバーしているほぼ同一内容の3つの配信サービスを、重複して利用している。 無駄といえば無駄ではある。 でも、不思議ななりゆきではあるのだが、どうやら、私は、こと音楽に対しては、積極的に無駄遣いをしたいみたいなのだ。 事実、10代の頃から、この分野にはずっと不毛な投資を繰り返してきた。 アナログで揃えたコレクションを、

                                                                                    「中二病」という都民の宿痾

                                                                                  新着記事