名古屋市立中学校の非常勤講師四人が市教委に残業代の支払いを求めて労働基準監督署に申告し、市教委と各勤務校が是正勧告を受けた問題で、市教委は、中学校長に勤務時間を申告した別の非常勤講師一人を加えた計五人に対し、計約百三十万円の未払い賃金があると認め、支払うと決めた。小中学校の非常勤講師に未払い賃金が支払われるのは全国的にも珍しい。 (福沢英里) 同市の小、中、特別支援学校で働く非常勤講師は約千四百人。同様に未払い賃金があれば影響は大きいとみられるが、今回の五人以外への対応について市教委は「申し出がないため、調査はしない」としている。 五人の未払い賃金の対象は昨年四月〜今年三月。各校の校長が十月までに本人に聞き取りをし、勤務記録などを調査。市教委は授業準備やテストの作問、提出物の点検などを「業務命令による勤務」と認め「各校で適切な勤務時間管理ができていなかった」とした。二カ月以内に支払う予定。