レースで勝つことと、自己ベストを更新していくこと、陸上には2つの目標があります。でも自分は、レースで人と勝負をする場合でも、結局は自分自身との闘いなんだと感じています。たとえレースで勝ったとしても、レース展開、ラップタイムの上げ下げなど内容を細かく見ていくと、トータルとしては自分の中で腑に落ちないことも結構あるんです。だからこそ、自己ベストやレース前に立てた目標タイムを達成した時のほうが喜びは大きいですね。 その意味で一番満足度の高かったレースは、中学2年のジュニアオリンピックです。全国の舞台もまだ2回目で、学年別ではあるんですけど初めて全国優勝できたんです。その時はすごい満足というか、すごいうれしかった。わー日本一って(笑)。驚きのほうが大きかったんですけど、タイムも含めて内容に達成感があったんです。 トラックで冒険をしていたような気が…… 昨年12月に1万mを走った時はレース中に“冒険