安倍元首相が国士と賞賛した葛西敬之が死の床についた。政界と密接に関わり、国鉄の民営化や晩年ではリニア事業の推進に心血を注ぎ、日本のインフラに貢献してきた。また、安倍を初めとする政治家たちと親交を深め、10年以上も中心となって日本を「事実上」動かしてきた。 本連載では、類まれなる愛国者であった葛西敬之の生涯を振り返り、日本を裏で操ってきたフィクサーの知られざる素顔を『国商』(森功著)から一部抜粋して紹介する。 『国商』連載第8回 『「突貫工事で費用が倍に」...リニアモーター推進の立役者・葛西敬之が立ち向かった「国鉄改革期」のヤバすぎる愚行』より続く 法で定められた借入金 国鉄の借入金については、日本国有鉄道法第42条の2に定められてきた。基本的には長期財源に充当することを目的として運輸大臣の認可を受け、国鉄が鉄道債券を発行して資金調達する。 一定の時期までは国会予算の枠内でその債券の発行