2012年12月4日更新 2012年12月15日よりTOHOシネマズ日劇ほかにてロードショー 今の日本の暗部をあぶり出す西田征史脚本の果敢な挑戦昨秋のTVシリーズには瞠目した。人間になることを願うベム、ベラ、ベロは、悪事を目の当たりにして悲しみと怒りが頂点に達すると、異形な姿を露わにする。善なる魂の化身だが醜い姿ゆえ、社会から排斥される。亀梨和也を主演に据えたファミリー向け番組でありながら、60年代TVアニメ版の魂を継承し、「ダークナイト」さえ視野に入れた善悪のテーマに挑み、何よりも笑いと涙でくるむ脚本が優れていた。劇場版ではさらに押し進め、ディープな問題をえぐる。 たどり着いた街で遭遇するのは、ダークサイドに堕ち身体の一部が異形と化した母、観月ありさ。彼女は製薬会社の犠牲となり、憎しみの果てに怪物化した存在だ。人間として生きてはいけない者同士の対決を大画面で描くだけではない。この手の企業