大河ドラマであり、SFであり、戦争作品であり、人間ドラマであるガンダムシリーズは、日本のアニメ作品の中でも特異なポジションにある。富野由悠季監督が1作目を手がけた後、多くの作り手の元でさまざまなアプローチが試みられ、40年以上の歳月にわたり愛され続けてきた。そして現在、富野監督によって生まれ、新たな作り手に受け継がれた『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』が、大ヒットを記録している。この記事ではガンダムシリーズの魅力と、本作がどのようにそれを受け継いでいったのか、考えてみたい。 『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』は『機動戦士ガンダム』の生みの親である富野由悠季監督が、1989年から90年に発表した同名小説を基にした作品だ。ガンダムファンには特に人気が高く、30年の時を経て待望の映像化ということもあって、高い注目度を集めていた。本作は3部作構成の1作目、また劇場でのBD販売などもある中で