12文字から書体が始まる デジタルフォントメーカー・イワタは、1998年(平成10)9月から2005年(平成17)6月までかけて手がけた新ゴシック体で初めて、あたらしい書体の制作とファミリー化を経験した。当初、新ゴシック体は日本リテラルの「セイビ角ゴシック体」をベースに制作予定だったが、制作過程でほぼ描き直しをする方針となったため、漢字の制作順序は制作効率には特に配慮せず、文字コード順に頭から進める方法だった。 しかし現状2万字以上を制作しなくてはならないことの多いデジタルフォントにおいて、その方法では効率が上がらない。そこでその後、新書体を制作する際には、漢字では次のような流れがとられるようになった。 (1) 書体見本12字制作 (2) 見本文字100~200字の制作→文章を組んで検証、修整を繰り返す (書体によっては、400字まで増やす) (3) エレメント、線幅、黒みなどが決まったら