流体力学はニュートン力学である 流体力学はニュートン力学の応用である.ニュートン力学といえばという式であるが,流体の各部分は明確な形を持つわけではないし,連続したような存在であるから,このような方程式をそのまま当てはめて議論するのは難しい.それで幾つかの工夫をする. まず「流体要素」と呼ばれる微小部分を考えて,そこに働く力を考えることにする.流体要素はその時々の議論に応じて考えやすい形を想定すればよい.決まった大きさがないのだから質量を使う代わりに密度を使って議論する方が便利である.さらに力を使う代わりに,単位面積あたりに垂直に働く力を考えるのが便利である.つまり,これは圧力である.流体の各部分は圧力によって加速したり減速したりする.流体力学では力ではなく圧力が主役になるのである. こういうわけで,流体力学に出てくる式は普通の力学に出てくる式とは見た目が大きく違って来てしまう.そのせいで流