今から20年以上前、私がマイクロソフトに在籍していたころ、Windows XPの日本でのCMにレニー・クラヴィッツの楽曲が採用された。曲名は「Dig In」。私はこのCMの前からレニー・クラヴィッツの音楽が好きだったので、彼の起用を喜んだ記憶がある。 レニー・クラヴィッツの代表曲のひとつに「Rock and Roll is Dead」がある。直訳すれば「ロックンロールは死んだ」。しかしこれは、ロックという音楽ジャンルそのものが終わったという意味ではない。むしろ、商業化し表面的なイメージばかりが強調される音楽業界への皮肉と、ロックの精神を問い直す強いメッセージが込められている。 実際、「Rock is Dead」という言葉は、クラヴィッツに限らず、幾度となく音楽業界で語られてきた。時代が変わるたびに「ロックは死んだ」と言われてきた。しかし、ロックはそのたびに形を変えながらも生き続け、私たちの