『公研』2020年8月号「対話」 兼原 信克・同志社大学特別客員教授×白鳥 潤一郎・放送大学准教授 終戦から75年経ち、日本は経済大国として世界に確固たる地位を占めた。しかし、世界の平和・安定に対して十分な役割を果たしてきたと言えるのだろうか。また、現実的で具体的な安全保障を行ってきたのだろうか? 戦後の日本外交を振り返り、この先の戦略を構想する。 コロナ危機が世界の潮流を大きく変えることはない 白鳥 「終戦」から75年が経ちました。今日は戦後の日本外交のいくつかの場面を振り返って考えてみますが、その前に未だ収束に至っていないコロナ危機が今後の世界に与える影響について、意見を交換できればと思います。 コロナ後の世界については、すでにいろいろな事態が想定されています。ただし予測することはできないし難しいのではないか、というのが私自身の率直な印象です。「ウィズコロナ」という考え方も打ち出されて