国書刊行会編集部の(昂)です。 突然ですが、ノルウェーといえば、どんなイメージを思い浮かべるでしょうか? フィヨルド、氷河と雪原、森と山、白夜にオーロラ、絵本のような街並み、高福祉、男女平等、経済発展、サーモンに捕鯨、メタル音楽、北欧神話にヴァイキング…… あるいは文豪ヘンリック・イプセンやクヌート・ハムスン、北欧ミステリ作家のジョー・ネスボやアンネ・ホルト、あるいは画家ムンク、作曲家グリーグ、南極探検家アムンゼンなどの著名人を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。 そんなノルウェーには、日本ではあまり知られていないものの、国民に広く愛されている一人の作家がいます。 その名は、タリアイ・ヴェーソス。 おそらく「聞いたことがない」という方が多いのではと思います。 ですが彼こそは、ノーベル賞に幾度となくノミネートされてきた、20世紀ノルウェー文学を代表する作家の一人であり、本国では短篇作