グルック 貴族を遠ざけ、平民を近づけた王妃 フランス王太子妃、のちの王妃マリー・アントワネットは、アットホームなところのある実家のハプスブルク家とは違った、堅苦しいフランス王家の宮廷儀礼、無意味に思えるしきたりに反発します。 もっと自分の思うようにやりたい、という自由への欲求がつのります。 彼女は、宮廷ルールや慣例を次第に無視し、才能ある平民を近づけ、自分のやりたいことを実現していきます。 それは、自己顕示欲と特権への執着しかない、貴族や廷臣たちへの反発でもありました。 そして、平民の髪結いレオナールや、モード商ベルタン嬢を取り立て、ファッション界を自分の力でリードしていきます。 音楽家もほとんど平民出身ですが、髪結いに比べたらはるかに地位は高く、何世紀も前から宮廷に出入りが許されていました。 しかし、エステルハージ侯爵家に30年仕えたハイドンのように、身分としては基本的には従僕と変わらな