言論の自由には、フラットな言論空間が必要だが…。(提供:Panther Media/アフロイメージマート) 「学問の自由」と同時に「表現の自由」の問題 日本学術会議の任命拒否を巡り、多くの識者・表現者が声を上げた。 当初は「学問の自由の侵害だ」という学者からの声明や談話が続いたが、時間を経るにつれ、この問題の影響は社会の広範囲に及ぶことが見えてきた。ジャーナリストや作家など、「大学」に所属する学者ではない表現者が声を上げていることには当然の理由がある。 憲法23条「学問の自由」は、「大学の自治」を中心的な要素としているが、専門的な学問の世界は学会などを通じてその外にも広がっている。中でも日本学術会議は、「学術」の名にあるとおり、学問にたずさわる人々の見識を政府のために提供するべく設置され、法的にも認められた公的機関である。 大学や影響力のある学者は狙い撃ちされやすく、その心理的影響は広く社