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赤の女王の検索結果1 - 40 件 / 249件

  • 赤の女王とお茶を - 日本の理系が敗北するたった一つのシンプルな理由

    残業代を払えない経営者は無能である 有能な経営者を期待したら負けである なかなか面白くなってまいりました。 経営に関することは御大二人にお任せするとして、私はこれを一種の「理系哀歌」モノとして読みました。 ですが実は、日本の技術者や研究者の社会的立場がいつまでたっても弱く、「搾取」され続ける理由は明白なんです。 支持団体がないから これですよ。 もちろん瑣末な理由はいくらでも出して来れますが、社会的に観るならば間違いなくコレです。 例えば米国。 かの国には世界最大・最強の理系支持団体、 "AAAS (American Association for the Advancement of Science)" があります。 262の支部と1000万人の加入者を誇るこのNPOは世界最高峰の科学雑誌「Science」の発行元として有名ですが、ホームページを読めばその活動はまさに「アメリカ理系力」の

      赤の女王とお茶を - 日本の理系が敗北するたった一つのシンプルな理由
    • 赤の女王とお茶を - Youtubeで読むジャズ史「東京大学のアルバート・アイラー」(その1)

      菊池成孔師匠の例の本読んでます。歴史編、通称「青本」のほうですね。 東京大学のアルバート・アイラー―東大ジャズ講義録・歴史編 作者: 菊地成孔,大谷能生出版社/メーカー: メディア総合研究所発売日: 2005/05/01メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 74回この商品を含むブログ (185件) を見る流石に面白い。 本人が言うように、かなり和声主義的な「バークリー史観」ですから異論は多いと思いますが*1、ジャズを手っ取り早く俯瞰するには最良の書ではないでしょうか。特に聴くだけでなく「やってみたい」人向きには随一だと思います。 しかしモノは音楽、ことにジャズ。やっぱり聴いて、見てナンボですよね。 ここは一つ、みんな大好きなYoutubeを使って(Web2.0!)菊池流ジャズ史を追ってみようではありませんか。 プレ・モダン・ジャズ 「モダン」成立以前のジャズです。ブルーズやゴスペル、

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      • 赤の女王とお茶を - マインド・ハックから脳を守る二冊 ~その1・実践編~

        お正月は主に本を読んだり攻殻機動隊S.A.C.を観たりしておりました。 課題図書にしていたのは前から気になっていたコレ。 影響力の武器―なぜ、人は動かされるのか 作者: ロバート・B・チャルディーニ,社会行動研究会出版社/メーカー: 誠信書房発売日: 1991/09/01メディア: 単行本購入: 12人 クリック: 699回この商品を含むブログ (123件) を見るいや、噂にたがわず面白い。 これはもう現代人必読の書といっても構わないのではないでしょうか。 基本は心理・認知・行動科学的な原理の紹介と解説なのですが、その中でも社会生活に特に密接に関与する法則に重点がおかれています。著者自身の体験やフィールドワーク、実験や実例も豊富で、なかなか説得力があります。 特筆すべきは、現代に蔓延する強力な心理・認知トリック(広告やマーケティング含む)をしっかり把握し、それらから自分の認識を防衛すべきだ

          赤の女王とお茶を - マインド・ハックから脳を守る二冊 ~その1・実践編~
        • 志低く • 赤の女王の走りかた

          I saw the Sex Pistols. They were terrible. I thought they were great. I wanted to get up and be terrible with them. ベイエリアをふらついていて感じることは、やたらとスタートアップの数が多いということ。もちろん、そういう連中が集まる所にいるのだから、そりゃ出会う機会だって多かろうよということなのだけれど、SOMAやUniversity Avenueあたりのカフェはもとより、Palo Altoの外れの客が数人しかいないような薄汚いカフェで本を読んでいても、「こんなプロダクト作ろうと思ってるんだ」だとか、「こないだ調達したんだよね」なんて会話が耳に飛び込んでくる。六本木や道玄坂あたりのカフェにいたって、転職エージェントやマルチ商法の売り込みに出くわすことはあっても、こんな頻度でスタ

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          • ブランデンブルク辺境伯領、 赤の女王仮説、CRISPR Cas9… 今日から使える賢そう&かっこいい用語集

            ブランデンブルク辺境伯領、 赤の女王仮説、CRISPR Cas9… 今日から使える賢そう&かっこいい用語集 なんとか定理、なんとかのパラドックス、なんとか理論、なんとかの法則…。 この世には、口にしただけで賢くなった気がする言葉があります。そんな言葉を募集したところ、鼻血が出るくらいの投稿が集まりました。 ぜんぶ紹介すると読者のみなさんも鼻血が出てしまいますので、ここでは厳選してご紹介します。 ※みなさまのお気に入りのかっこいい言葉も募集しております!→賢そう&かっこいい用語 投稿フォーム

              ブランデンブルク辺境伯領、 赤の女王仮説、CRISPR Cas9… 今日から使える賢そう&かっこいい用語集
            • 赤の女王とお茶を - アメリカの科学教育は76ヶ年計画で着々と進行中。

              納豆だの波動水だの血液型だのに沸く日本列島。 安部首相率いる現政府は「識者」達の「教育再生会議」を招集し、実にステキな対策や提言を通じて教育改革に取り組んでいます。 一方、アメリカにおいては既に1985年から大規模な教育改革プログラムが発動しており、現在も進行中です。 その名も"Project 2061"。 Project 2061は、先日も書いた最強の民間理系支持団体AAASを中心として、様々な分野の専門家を集め国ぐるみで作成された一大プロジェクトであり、全アメリカ国民の科学的思考力を増進するための76ヵ年計画を米国全土、あるいは州レベルにおいて遂行せんとする極めて戦略的で具体的なプランです。 Project 2061ではまず、Science for All Americansという報告をまとめ、「科学」とは何か、そして国民が身に付けるべき「科学力」とはどういうものであるか、について徹底

                赤の女王とお茶を - アメリカの科学教育は76ヶ年計画で着々と進行中。
              • 基礎科学が種まきだとするなら日本に必要なのは苗を育て収穫しおいしく料理して食卓に届ける仕組みだ - 赤の女王とお茶を

                まさにタイトル通り。 週末は出張と博士ミーティングが連続して仕分けについてはリアルタイムでは見ていないのですが、ついった等で概要は把握しました。 緊急メッセージ、未来の科学ために 本職の研究者ではない榎木氏が真っ先に動いているということが象徴的。第一声としてはバランスの取れたよい文章ではないしょうか。 科学は重要だし、わたしもその末端でメシを食わせていただいているのでもちろん守りたい。 社会的に発言すべきということはかねてより言い続けてきたことなので、それも大歓迎です。 ただせっかく科学者なのだから、科学者らしさをいかすのも悪くない。 科学研究でなにかを考える時には、「これまで何があって、今どうであり、これから何をすべきか」を押さえておくのがいろはです。 日本の科学政策でなにが起こってきたのか、ざっと把握するには以下のエントリがよくまとまっています。 博士はなぜ余るか? 日本の科学技術政策

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                • 日本は21世紀、とんでもなく重要な役割を担いうるよ - 赤の女王とお茶を

                  まあもちろんわれわれが逃げずに頑張れば、の話だけども。 大体だねー、世界を見渡しても日本ほどの 科学技術・教育レベル・文化芸術・社会的安定・そして安くて美味い食事 を持った国がどんだけあるかと。そりゃあそれぞれトップではないかもしれないが、これだけのものを総合的に、しかも焼け野原から作り上げた潜在力はやはり恐るべきものです。 むろんボーっとしていれば過去の遺産を食い潰すだけ、という意味で兜の緒を締めなおすことは必要です。 ただし20世紀的バブルを基準に物事を考えているようなアナクロな世界観では21世紀をリードすることはおぼつかない。 確かに規模の経済においては中国にかないません。 しかしこれから数十年、新興国で社会的安定が得られるでしょうか?おそらく一波乱、二波乱ありますよ。特に中国ではかなり大きな事が起こる。アジアにおいて最も信頼性の高い社会は依然日本であり続けるでしょう。 そもそも、経

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                  • 「脳死は人の死か」という以前に「脳死判定が本当に脳の死を意味しているのか」が問題 - 赤の女王とお茶を

                    臓器移植法案に関して、「脳死は人の死か」、ということに関する意見表明がちらほら見られて、それはそれでいいことだと思うのですが、脳死についてはそれ以前に考えるべきことがあります。 脳死に関する問題は大きく三つに分類されて、 1.どのように『脳の死』を判定し定義するか 2.脳の死が個人の死であるのか 3.個人の臓器をどう扱うべきか と考えることができるわけですが、臓器移植法関連では2以降がよく議論されて1がスルーされがちです。 しかしまず考えるべき、重大なことは1の問題です。 皆さんは脳の死、と言ったとき脳のどのような状態をイメージするでしょうか。 脳波がピーーー、とフラットになった時? それとも脳組織そのものが豆腐のように崩壊してしまった状態? 二つはイコールではありません。 前者のイメージ、脳の機能が外部から測定不能になったときを脳の「機能死」といいます。 後者の状態、脳組織自体が修復不能

                    • アメリカの閣僚が優秀な本当の理由 - 赤の女王とお茶を

                      明日は日曜だから官僚の俺が独り言を書いてみる などを読んでいて。 官僚氏、なかなか熱い。 いろいろと理想を持ちながら、そもそも「官僚が国を動かす」ということ自体が間違っていることに気づいて政治志向になっていく様子がよくわかります。この人いずれやめそうだなぁ。 例によってアメリカとの比較がいろいろ出てくるんですが、 クリントン政権の全閣僚31人のうち、20人は弁護士、6人はPh.D持ち、6人は学者。 ベスト&ブライテストじゃないですが、確かに向こうの政治家には専門家クラスや博士号持ちがウジャウジャしています。 なぜか? 先日アメリカで開催されたAAASの年会に出席された方の報告の中に、ロビイストに関するかなーり面白い話があったのでご紹介します。 あ、ちなみにAAAS(American Association for the Advancement of Science)とは日本の理系が敗北す

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                      • ドラッカーはネオリベでもサヨクでもないですよ - 赤の女王とお茶を

                        ドラッカーをあまりにあがめ奉るのもどうかと思うのですが、私も一ファンとしてそれなりに読んできたし、いくつかのエントリで言及もしてますんで書いときます。 まず、私なりのドラッカー理解をまとめておきます。 ・ドラッカーのいうところの「経営=マネジメント」とは、人を手段ではなく目的と置いた上で、社会や組織をどう組み立て、動かしていくか、という方法論である。 ・また氏の言うところの「自らの責任」とは、日本流の自己責任論ではなく、人を目的とした時に社会や組織の中で自分がどういう役割を担うべきか自ら任じて動くべし、ということであって、むしろ「自己使命論」というべきものである。氏自身も強みを活かして稼いでいた証券の仕事をやめ、自らの使命と信じる文筆業に身を投じた。 ・いわゆるネオリベやリバタリと異なる点は、社会や組織、共同体の機能を重視することにある。ドラッカーは人の幸福にはそれらが不可欠だと考える。従

                          ドラッカーはネオリベでもサヨクでもないですよ - 赤の女王とお茶を
                        • これぞ大学院生必携、『研究室の人間関係学』 - 赤の女王とお茶を

                          ちまたで大学院問題が再興しているみたいなので、二度目になりますが本書を紹介しておこうと思います。ちなみにタイトルは「ラボ・ダイナミクス」ですが、『研究室の人間関係学』ような邦題にしたほうがずっとわかりやすいと思います。 まず前提認識ですが、大学・大学院といった高等教育はその定義からして、多様性を持つものです。 国民があまねく受けるべき教育、というのはすなわち「義務教育」なんであって、それにプラスアルファして個々人の状況に合わせて学ぶための知識や技術や思考こそ高等教育機関が受け持つべき領域なのです。 有識者の皆さんが大好きな米国の大学だって、ものすごく多様です。 ハーバードやスタンフォードといった私立研究系大学ばかり取りざたされますが、米国社会を支えているのはそれだけではなく、地域の教育や産業をになう州立大学、社会で活躍するための本来的な「教養」を身につけるリベラルアーツ・カレッジなどなど、

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                          • 赤の女王とお茶を - Youtubeで読むジャズ史「東京大学のアルバート・アイラー」(その2)

                            それでは第2部です。今回ちょーっと長くなりそうです。第1部はこちら。 ハードバップにおいて非常に完成度の高いフォーマットを作り上げたジャズですが、まさにそれ故に誰がやっても同じような作品ができてしまう、というジレンマに陥りました。 ここで止まっていれば、古き良き伝統音楽として歴史に残るに留まったのかもしれません。 しかし、激動の20世紀という時代、そして若い才能がそれを許さなかったのです。 モード理論の誕生 まず大きく舵を切ったのはマイルス・デイビス(Tp)でした。 マイルスはチャーリー・パーカーの元でビバップを学び、独立後はハードバップの旗手としてすでに大きな成功を収めていました。二日間で録音したといわれる”〜ing”四部作”*1や、「Round About Midnight」はハードバップの名演として現在でもマストアイテムです。 しかし、彼と彼の仲間達は前進をやめませんでした。 ビバッ

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                            • 赤の女王仮説 - Wikipedia

                              赤の女王仮説(あかのじょおうかせつ、英: Red Queen's Hypothesis)は、進化に関する仮説の一つ。「他の生物種との絶えざる競争の中で,ある生物種が生き残るためには、常に持続的な進化をしていかなくてはならない」という仮説。敵対的な関係にある種間での進化的軍拡競走と、生殖における有性生殖の利点という2つの異なる現象に関する説明である。「赤の女王競争」や「赤の女王効果」などとも呼ばれる。リー・ヴァン・ヴェーレンによって1973年に提唱された。 「赤の女王」とはルイス・キャロルの小説『鏡の国のアリス』に登場する人物で、彼女が作中で発した「その場にとどまるためには、全力で走り続けなければならない(It takes all the running you can do, to keep in the same place.)」という台詞から、種・個体・遺伝子が生き残るためには進化し続

                                赤の女王仮説 - Wikipedia
                              • 赤の女王とお茶を - 競争について子供に教えるべき3つのこと

                                マルクスにさよならをいう前ににインスパイアされて。 結論からいうと、3つとは 1. 世界は競争に満ちている 2. 決められたルールで競争するのは既に負けである 3. 競争すべき相手を誤るのもまた負けである です。 1.世界は競争に満ちている 確かに、世の中いかなるところにも競争は存在します。子供の教育とはいえ、そのことを隠蔽するのは欺瞞というものでしょう。 しかしながら、競争について教えるべきことはそれだけではない。競争原理主義の皆さんも、実は「競争」というものについてかなりの部分を隠蔽しているのです。 それが、2.以降です。 2.決められたルールで競争するのは既に負けである 受験にしろ運動会にしろ、所詮は人の決めた一元的なルールや基準で「競争させられている」に過ぎません。しかし、グーグルや任天堂、あるいは「ホモ・サピエンス」をみれば分かるように、現実の社会、あるいは生態系においてすら、「

                                  赤の女王とお茶を - 競争について子供に教えるべき3つのこと
                                • 赤の女王とお茶を

                                  先日7月30日にScience誌に掲載された記事 ”Intrusive personal questions don’t belong in job interviews” に世界的に注目が集まっています。 https://www.sciencemag.org/careers/2020/07/intrusive-personal-questions-don-t-belong-job-interviews - Twitter Search というのも、この記事でははっきりと日本を名指しし、その環境について批判しているからです。 その割には日本国内での扱いは少なく、これでは日本人のみが日本の問題について意識しないという悪循環に陥ってしまうでしょう。 そこで個人的に、記事の日本語訳を行い、ここで公開いたします。 ------------------------------------------

                                    赤の女王とお茶を
                                  • マネジメント、トリアージとドラッカー - 赤の女王とお茶を

                                    ケーキ 「かわいそうなぞう」はなぜ「かわいそう」か 別に誰を批判というわけではなく、これらを読んでふと思いついたことですが。 fuku33さんのエントリにhokusyuさんがナチズムを持ち出してきて、確かにいきなりの飛躍のように思えるのですが、考えてみるとそもそもfuku33さんの教えておられる経営学、創始者はかのピーター・ドラッカー。 そしてドラッカーのキャリアはナチズムへの批判と分析から始まっていたりするのです。 ドラッカー名著集9 「経済人」の終わり 作者: P・F・ドラッカー,上田惇生出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2007/11/16メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 58回この商品を含むブログ (30件) を見るナチズムを体験したドラッカーはアメリカへ渡ってこの書を出版し、二度とあのような事態を引き起こさないための組織・社会運営の方法について考え始めます。

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                                    • 赤の女王とお茶を 茂木と梅田のいる場所は既に科学者が2000年に通過した場所

                                      科学者に衝撃を与えた「ロマンティックでない」グーグル 今頃何をいってるんだか。この人たちはかの「ヒトゲノム・プロジェクト」を忘れたのか? 特に茂木さん、生命科学研究の歴史を知らないんでしょうか。 あの頃も一種の狂騒状態で、バイオ研究者のすることはなくなるんじゃないかというまことしやかな説が飛び交ったもんです。 確かに遺伝子情報が誰でも手に入れられるようになり、それまでの単に遺伝子を同定しただけで論文が書けていた時代は終わりました。 しかし生命科学研究は終わるどころか、一層白熱しています。機械的な遺伝子配列の解読をしなくてすむようになったおかげで、より「人間的な能力」が研究にとって重要になりつつあります。 それは生物学的意味づけであり、根源的な洞察であり、観察と直観であり、イマジネーションの力なのです。 情報格差を利用して知識を切り貼りし、それっぽいハッタリで食っている人たちにはやや危機的な

                                        赤の女王とお茶を 茂木と梅田のいる場所は既に科学者が2000年に通過した場所
                                      • NATROM氏『化学物質過敏症は臨床環境医のつくった「医原病」だと思う』等について - 赤の女王とお茶を

                                        NATROM氏の主張『化学物質過敏症は臨床環境医によってつくられた「医原病」だと思う』への批判 http://togetter.com/li/517251 筆が滑るということは誰でもあるし、そういう時は基本的には訂正すればいいことだと思いますが、その後の展開をみるつけ、これは単なる「ひとこと」の問題ではなく、難病や公害に対する基本的な姿勢の問題であるとみることができます。それらに向き合う患者や医師、研究者に対する誤解と軽侮に満ちたこれらの発言を放置すると、根本的にあやまった情報を広めることにもなりかねないので、ここで指摘しておきます。 まず勘違いがあるかもしれませんが、疾患概念や病名というものは、研究室で詳細な機序がわかってから初めてつけられる、という類のものではありません。 当たり前ですが、疾患概念に先立って、まず症状や病気や患者があります。多様な症状や病気や患者に対してなんとか対処しよ

                                          NATROM氏『化学物質過敏症は臨床環境医のつくった「医原病」だと思う』等について - 赤の女王とお茶を
                                        • 「世の中は変えられないから自分が変わる」という人は自分で檻を作って自分で檻に入っている - 赤の女王とお茶を

                                          といえるのかもしれません。女性に限らずね。 自分で檻を作って自分で檻に入った奇妙な獣 社会システムというものが権力によって構築されるとするならば、その仕組みは当然、権力を利するようになっているはず。 つまり権力を持たないものが単純にシステムに「適応」することは、権力者を直接間接に利することに他ならず、「自分の首を絞めている」と見ることも可能です。 そうはいっても、目の前の権力や強者やシステムに適応・迎合した方が都合がいいという判断は個人・短期のレベルでは十分にありえます。 クラスでは空気に合わせて道化を演じた方が居場所を確保できるし 職場ではサービス残業に励んだ方が上司の心象がいいし アメさんに成果主義といわれれば成果主義、フラット化といわれればフラット化を所与にしておいた方がいいだろう そして 男性がカネや権力を握っているなら、それを男性と奪い合うより共有する立場に立った方がトクだろう

                                            「世の中は変えられないから自分が変わる」という人は自分で檻を作って自分で檻に入っている - 赤の女王とお茶を
                                          • 菊池誠氏の危険なトンデモ医療記事について - 赤の女王とお茶を

                                            原発事故時には『メルトダウンじゃないだす』と大嘘を流布し、 豊洲市場の”俺の安全宣言”から思い出す、菊池誠(キクマコ)の「メルトダウンじゃないだす」発言と危険度矮小化作戦 - Togetter 先日は最低賃金に関するトンデモ見解で話題になった阪大教授、物理学者の菊池誠氏。 [B! キクマコ] kikumaco(7/17神戸8/6,9大阪) on Twitter: "最低賃金っていうのはアルバイトの高校生を搾取しないように定められてる金額ですよ。ほんとに景気がよかったら、最低賃金は殆ど問題にならない。景気をよくする反緊縮の経済政策を提案できない政党が最低賃金1500とか言うわけですよ。これは本末転倒でしょう" オルテガのいうところの、専門外について的外れな自信を持つ大衆としての科学者そのもので、ある意味感動的ですらあります。 ただし、阪大教授としての権威をもってデタラメを流布することは単なる

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                                            • ”キモさ”の政治学 - 赤の女王とお茶を

                                              文字通りの印象論。 北村弁護士の演説のこと やっぱりこういうアジは小泉さんが図抜けていて、余人が真似すると小さく見えてしまいますね。麻生さんですら小物に見えてしまうのだから、小泉さんの扇動力は53万を軽く超えているに違いありません。 で、確かに扇動手法の基本は万国共通なんですが、つらつら見てきた感じ、日本には他国にない独特の傾向があるように思います。 それは キモい方が負ける といういたってシンプルなもの。 逆に言えば、キモくない方が勝つ。 そのあたりはさすが小泉さんで、通常の扇動手法に加えてキチンとこの「キモ史観」をも押さえていました。なんせ小泉さんが設定した「抵抗勢力」のキモいことキモいこと。 こうなるともう勝って当たり前、テロリストに対するセガールの如し。 その点、安倍さんはぬかっていました。あろうことか、自らの内閣の中に「キモさ」を発生させてしまった。「美しい国」に始まり、教育再生

                                                ”キモさ”の政治学 - 赤の女王とお茶を
                                              • 科学・技術は日本の生命線…のはずだけど - 赤の女王とお茶を

                                                京大の山中伸弥教授かっこよす - おこじょの日記 いやぁ素晴らしい成果ですね。停滞気味の日本生命科学に久しぶりの花火が上がった気分。 応用へのめどがついたという意味でも画期的ですが、幹細胞研究に胚を使わなくて済むということは特に欧米人にとっては大きな「倫理的枷」が外れたわけで、ここから実用に向けて真の研究的「仁義なき戦い」が始まると見ていいでしょう。 それから日本の厚生省の気の変わりやすさ。長期研究を短い期間に押し込めたり、十分な資金を与えずに放置したり。問題は、事務官の長が3年ごとに変わることだ。新しい人が来るたびに、科学研究に足跡を残そうと新しい予算を立ち上げるが、科学的な根拠はなく思い付きだけで、すでにある研究プロジェクト(どんなに成功していても)から予算を奪ってしまう。基本的に、3年でプロジェクトが完成できなければ、あきらめろということだ。 で、記事にあるような山中先生の嘆きも実に

                                                  科学・技術は日本の生命線…のはずだけど - 赤の女王とお茶を
                                                • 赤の女王とお茶を - Youtubeで観るジャズ・ピアノの系譜

                                                  ただ今の愛聴盤はキース・ジャレットのウィーン・コンサート。 ケルン・コンサート、パリ・コンサートと並んでキースのソロの傑作ですが、今のところこれが一番私の好みに合っております。ケルンほど甘すぎず、パリほどメランコリックでない。ある意味地味なのですが、聴けば聴くほど旨みが出ます。 そういえば前回のジャズ特集は菊池さんがサックス奏者であることもあって、管楽器に偏った紹介になってしまいました。せっかくなんでこの機会にジャズ・ピアノについても紹介してみようと思います。 プレ・モダンのピアニスト まずはビッグ・バンドでも有名なピアニスト、カウント・ベイシー。 彼のバンドはめちゃくちゃパワフルなんですが、ピアニストとしてのベイシーは実にチャーミング。間を活かして楽しげにスイングします。 モダン・ジャズ・ピアノの源流 そしてなんといっても、バップ・ピアノの祖であり、パーカーと並び称される天才バド・パウエ

                                                    赤の女王とお茶を - Youtubeで観るジャズ・ピアノの系譜
                                                  • 赤の女王とお茶を - 5分でわかるドーキンスvsグールド

                                                    ドーキンス VS グールド (ちくま学芸文庫) 作者: キム・ステルレルニー,狩野秀之出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2004/10/07メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 45回この商品を含むブログ (70件) を見る久しぶりに再読。やはり面白いです。 せっかくなんで生物学界の二大プレゼンテーター、リチャード・ドーキンスと故スティーブン・J・グールドの生物進化観と、その論争について簡単にまとめてみましょう。 「利己的遺伝子」のドーキンス。 「断続平衡説」のグールド。 なんといっても二人を特徴付けるのはこれらの斬新なキャッチフレーズでしょう。 しかし同時に多くの誤解を生んだのもこの言葉たち。まずこの2つのフレーズについて、よくある誤解と正しい理解をチェックしておきましょう。 ・利己的遺伝子 あまりにも有名なこのフレーズ。「ミーム」と並んで、ドーキンスのコピーライターとしての才能

                                                      赤の女王とお茶を - 5分でわかるドーキンスvsグールド
                                                    • 2007-07-07 - 赤の女王とお茶を--ポスドク問題は博士のビジネス参入を阻害する

                                                      クローズアップ現代「にっぽんの“頭脳”はいかせるか〜苦悩する博士たち〜」 こういう話はもう数年来繰り返し、繰り返し、繰り返し論じてきましたんで正直食傷気味ですが、マンネリズムこそブログの醍醐味ってことでもう一度。 こちらでも書いたように、基本的に方法は二つ。 供給を減らすか 需要を増やすか それだけです。 まあ数年前と違い、ポスドク問題など博士進学のリスクとコストをネット上で容易に知ることができますので、供給は自然に減っていくと思われます*1。 ただし、これはお国の目論見とは逆の効果をもたらします。 博士進学には、授業料およびその間仮に就職していた場合の機会費用を合わせると優に一千万を越えるコストがかかります。 その上年齢も上がり、就職先も制限される。任期付きの職で各地を転々としなければならないかもしれない。研究員という名の派遣社員になる可能性も高い。ベンチャーだって日本は散々だ*2。 き

                                                        2007-07-07 - 赤の女王とお茶を--ポスドク問題は博士のビジネス参入を阻害する
                                                      • 学生やポスドクを政局の犠牲にしないよう民主党にロビイングしよう - 赤の女王とお茶を

                                                        政権交代にともなって、自公政権が予定していたさまざまな政策プロジェクトが凍結されたり、変更されたりするようです。 まあ政治は資源分配なのですから、どこかが得をすればどこかが損をする、ということはある程度避けられません。 科学研究ももちろん例外ではないわけで、特に最近ぶち上げられた内閣府主導の総額2,700億円「世界最先端研究支援プログラム」などはその最たるものでしょう。 私個人としては、大型プロジェクトは出口とそこに至る道筋をしっかり検討して欲しいと思っていますので、正直大丈夫かなと感じていましたし、研究業界にもいろいろと異論は聞かれていました。 欧米を見るまでもなく、科学研究もいまや政治的な流れの中にあるものですから、政局から完全に守られるとは思いません。 しかし、議員の皆さんはあまりご存じないと思いますが、科学プロジェクトの下には、それを支える多くの若い大学院生やポスドクたちの生活と人

                                                          学生やポスドクを政局の犠牲にしないよう民主党にロビイングしよう - 赤の女王とお茶を
                                                        • NATROM氏はどこで道をあやまったのか〜AMA1994をちゃんと読もう〜 - 赤の女王とお茶を

                                                          承前。 http://d.hatena.ne.jp/sivad/20130718/p1 http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20130907#p1 http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20130829#p1 まずひとついえることは、NATROM氏はAMAに準拠したいならばまずは文章を文章としてちゃんと読むことですね。 部分的に切り取って勝手に解釈を広げていくから誤解に誤解を重ねてしまうのです。 前回も書いたように、1994年時点でのAMA報告書も、きちんと読めば化学物質過敏症を否定などしていません。部分的な見解を拡大解釈していけば、氏のようにどんどんおかしな方向に走ってしまいます。 というわけで、再度、AMA1994年報告書の該当部分を訳しておきました。まちがい等ございましたら、コメントにてご指摘くださいませ。 まずは、以下の文章をお読みください

                                                            NATROM氏はどこで道をあやまったのか〜AMA1994をちゃんと読もう〜 - 赤の女王とお茶を
                                                          • 科学政策に関する公開質問状を各党に送ったよ - 赤の女王とお茶を

                                                            最近マジメな話ばっかりだなぁと思いつつも、まあものごとタイミングがあるからということで。 先日、民主党の科学政策ってどうよという記事を書きましたが、かといってどこなら素晴らしい、というのも見えてきません。 そこでNPOサイコムさんと相談のうえ以下のような質問状を作成しまして、自民党、民主党、公明党、共産党、社民党、国民新党、新党日本、改革クラブさん宛に送付いたしました*1。 サイコムさんのほうからも発表があるかと思いますが*2、取り急ぎこちらでも紹介させていただきます。 a)科学技術研究全般について 日本の科学研究は1995年に制定された科学技術基本法、および5年ごとに策定される科学技術基本計画により重点分野が明確に示され、競争的資金が投入されるようになりました。 しかし一方で、応用研究と基礎科学の峻別がうまくなされておらず、巨大プロジェクトの実用化へのロードマップが不明確であったり、多様

                                                              科学政策に関する公開質問状を各党に送ったよ - 赤の女王とお茶を
                                                            • 労働で好きを実現しろオアダイ - 赤の女王とお茶を

                                                              みたいになってません?なんとなく。 いろいろやるにせよ、何かを選択するにせよね。 好きがどうたらって話は昔いくつか書いたし、誰にいわれなくとも人は好きなことがしたいわけだ。誰がどう生きようと他人の人生は他人のものですしね。 ただ黄昏時とはいえ仮にも21世紀のトップクラスの先進国で、好きだの幸福だのが「労働」の文脈でしか語られないってのはどうなんでしょう。 個々人の生き方がどうこうよりも、私が気になるのはそこですね。 「労働」てのは基本、世の中の需要に応えて対価を頂く作業で、まあそれを楽しむ術もいろいろあるとは思います。もし幸運にも「自分の好きなこと」「自分のできること」「世の中の求めること」が全て合致し続ければ一番よいのでしょうが、それでなければ不幸、好きなことができない、というのは人類が何千年も求めて作り上げてきた世の中なんですかね。 例えば労働でない「活動」というものもあります。 アイ

                                                                労働で好きを実現しろオアダイ - 赤の女王とお茶を
                                                              • 進化論が科学であり、ID論が科学でない理由 - 赤の女王とお茶を

                                                                科学が『ニセ科学』を糾弾できない本当の理由 進化生物学者と似非科学論者との決定的な違いに関して 師走でバタバタしておりますが、レスしとくべきでしょうから。。 まず科学全般について。 先日「地図」に例えたように、科学とは自然・社会現象を抽象化した「モデル」です。 従って、本質的に検証されたり反証されたりするのは個々の事実ではなく飽くまで「モデル」の部分なのです。 そもそも、現実を「抽象化」するのですから、必ず「切り捨てる」部分が生じます。地図が現実の土地でないのと同様ですね。どんな科学実験でも、100%理論と実験結果が一致することはありえませんし、重要視される「再現性」も、100%の一致という意味ではありません。完璧に同じ実験条件というものはこの世に存在しないからです。 あたかも盲人が象を撫でるがごとく、いろいろな人がいろいろな角度から検証してみて、やがてぼんやりとではあるが妥当と思われる世

                                                                  進化論が科学であり、ID論が科学でない理由 - 赤の女王とお茶を
                                                                • 放射性PM2.5としての原発フォールアウト(セシウムボール)を考える - 赤の女王とお茶を

                                                                  さて原発事故後の鼻血現象に関して、フォールアウトの影響を考える際、私は以前より鼻粘膜の炎症の可能性を指摘してきましたが、 http://d.hatena.ne.jp/sivad/20110906/p1 その後フォールアウト内容物にサイズ的にPM10~PM2.5(particulate matter, 粒径10μm以下〜2.5μm以下の微粒子)に相当する不溶性・放射性のセシウム(等)粒子が含まれていることが明らかになり、粘膜における動態をより詳しく考えることができるようになりました。現在セシウムボールと呼ばれているようです。 Emission of spherical cesium-bearing particles from an early stage of the Fukushima nuclear accident(http://www.nature.com/srep/2013/13

                                                                    放射性PM2.5としての原発フォールアウト(セシウムボール)を考える - 赤の女王とお茶を
                                                                  • 赤の女王とお茶を-ヤバイのは理科教育より文科教育では?

                                                                    例えば、 憲法は国民に対する最高法規である  Yes or No ? だとか 無期懲役は終身刑と同義である  Yes or No ? なんていう問題にどれくらいの正答率があるんでしょう*1。大学生のみならず、社会人においても。 こんなのやあるいはこういうところを読むと、われわれが自分の生きている社会の根本ルールについていかに無知かを思い知らされます。 もちろん、科学も世界についての「根本原理」の一つですし、その方法論や知識について沢山学ぶに越したことはありません。 が、「理科教育」が国を筆頭に声高く喧伝されるのに対して、「文科教育」、すなわち政治の仕組みや法律、経済、あるいは広告の原理などに関する教育について広い議論がなされる気配はほとんど見受けられません*2。 それどころか「徳育」「親学」などという明後日の方向へ力が入る始末。理科教育で言えば、化学を教えずに水伝を教えるようなもんです。

                                                                      赤の女王とお茶を-ヤバイのは理科教育より文科教育では?
                                                                    • 2010年公開予定「Alice in Wonderland(不思議の国のアリス)」、アリス・マッドハッター・赤の女王・白の女王・トゥィードルダムとトゥィードルディーを公開

                                                                      アメリカでは2010年3月5日公開予定の「Alice in Wonderland(不思議の国のアリス)」について今回公開されたのは「アリス」「マッドハッター」「赤の女王」「白の女王」「トゥィードルダムとトゥィードルディー」の強烈なビジュアルが公開されました。ほかにも、コンセプトイメージが公開されています。 この作品はあのティム・バートン監督が制作中で、ジョニー・デップがマッドハッター(いかれ帽子屋)を演じるなど、いかにもティム・バートンっぽい作品に仕上がりそうな感じになっています。 詳細は以下から。 Need to Know Tim Burton Takes on 'Alice in Wonderland' 「アリス」、演じるのはオーストラリア出身の女優であるミア・ワシコウスカ、1990年生まれ。撮影時点では18歳となっており、映画中ではあまりデジタル処理されないほとんど唯一の人物になるら

                                                                        2010年公開予定「Alice in Wonderland(不思議の国のアリス)」、アリス・マッドハッター・赤の女王・白の女王・トゥィードルダムとトゥィードルディーを公開
                                                                      • 科学政策に関する公開質問状、雑感 - 赤の女王とお茶を

                                                                        いよいよ明日に迫ってまいりました、衆議院選挙。 皆さんもそろそろ投票先を決められていることとは思いますが、せっかく質問状を出した手前、投票前に感想でも書いておこうと思います。 まず、わたし個人が科学技術政策に対して抱いている方向性はこんな感じ。 国家プロジェクトは目的を明確にし、妥当性のあるロードマップを描き、人材を使い捨てにしない 教育は国民に対して最大限開かれているべきで、ここに出し惜しみするのは日本の自殺行為 基礎研究は種まき、応用研究や実用化は収穫から調理まで。種まきは多様性を大事に、調理までは出口をしっかり見て 大学の役割は一つではないし、教育から研究までいろいろな重点を持った大学があってよい いろいろな立場があるとは思いますが、わたしが評価するのならこういう観点かな。 質問状はメールと郵送(配達記録)双方で各党本部に送付したので、そこまでの到着は間違いないと思います。 回答をい

                                                                          科学政策に関する公開質問状、雑感 - 赤の女王とお茶を
                                                                        • 人生選択の責任は、その人生を生きているということ自体ですでに果たされている - 赤の女王とお茶を

                                                                          だから、他人があーだこーだいう筋合いはないし、自分ですらその「責任」について思い悩む必要はないと思います。趣味ならいいんですが。 今現在の人生は、自分と、他人と、環境との相互作用によって形成されていて、これからの人生もそう。 まずコントロールできるのは自分であるとはいえ、結果は相互作用によって生まれるので最終的にはカオスです。 そして、そういうカオスなリスクをある程度ヘッジするために、人間は社会を持っている。 出来る限りのリスクを社会を使ってヘッジしながら、自分は自分で選択を積み重ねていく、というのが人類が21世紀までに積み重ねてきた人生のノウハウです。 アリやハチといった社会性昆虫では、おのおのの「個体」があるとはいえ、もはやそのコロニー自体が一個の生物と考えても良いくらいの徹底した機能分担が成されています。社会機能が生存に必須になっているため、「進化」ですら今後は個体レベルでなく、集団

                                                                            人生選択の責任は、その人生を生きているということ自体ですでに果たされている - 赤の女王とお茶を
                                                                          • 恋する赤の女王 - 蝉コロン

                                                                            科学ちょっとタイトルの表現が婉曲的すぎた。病原体と宿主との終わらない進化の軍拡競争は、赤の女王仮説として知られているのだけれども、それにはやっぱりセックスが大事だよということを実験的に示した仕事。赤の女王仮説実験は昨年にも報告があって (http://www.nature.com/nature/journal/v464/n7286/full/nature08798.html)、細菌とそれに感染するファージで何かやってた。今回のはもちょっと高等な生き物で、共進化に有性生殖の意義をからめています。 走り続けなければ生き残れないwikipedia:赤の女王仮説「赤の女王」とはルイス・キャロルの小説『鏡の国のアリス』に登場する人物で、彼女が作中で発した「その場にとどまるためには、全力で走り続けなければならない(It takes all the running you can do, to keep

                                                                            • 日本教にもっと奥まで切り込んだ4(+1)冊 - 赤の女王とお茶を

                                                                              日本教を語る上で欠かせない3冊 日本教の正体を炙り出す上で押さえておきたい17冊 面白いですね。「空気の研究」とか歴史本のいくつかはウチにもありますが、意外とマストが入ってないようなので追加しときますよ。 日本 権力構造の謎〈上〉 (ハヤカワ文庫NF) 作者: カレル・ヴァンウォルフレン,Karel Van Wolferen,篠原勝出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1994/04/01メディア: 文庫購入: 21人 クリック: 238回この商品を含むブログ (33件) を見る論理の方法―社会科学のためのモデル 作者: 小室直樹出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2003/04メディア: 単行本購入: 10人 クリック: 119回この商品を含むブログ (32件) を見る日本の失敗―「第二の開国」と「大東亜戦争」 (岩波現代文庫) 作者: 松本健一出版社/メーカー: 岩波書店発売日

                                                                                日本教にもっと奥まで切り込んだ4(+1)冊 - 赤の女王とお茶を
                                                                              • 科学とパラダイムのジグソーパズル - 赤の女王とお茶を

                                                                                どうもはてなでは定期的に科学論が勃興するみたいで、らしいなあと思いつつ、せっかくなんだからぐるぐる回るのではなく、らせん状でもいいので前進できればな、と希望的観測を掲げてみます。 ところで科学論の中で進化論と双璧をなす誤解の二大巨頭といえば、トマス・クーンに端をなす「パラダイム論」でしょう。 たとえば日本の某批評家EAST氏は自称科学哲学出身らしいですが、このパラダイム論の典型的誤用である「何でも都合よく相対化ポストモダ〜ン」で突っ走っているようで、最近は見ていて痛々しいですね。 またEAST氏に限らず、科学批判や相対化の際にもっともよく使われる(そして間違えられる)議論だといってよいでしょう。 では本来的なパラダイム論はどのようなものであるか? 科学をパラダイムで捉えるとはどういうことか。 簡単にですが解説してみましょう。 まず、こちらによると クーンによれば、パラダイムとは次の2つの特

                                                                                  科学とパラダイムのジグソーパズル - 赤の女王とお茶を
                                                                                • もちおさんと集合知の奇妙な冒険 - 赤の女王とお茶を

                                                                                  ブコメでも書いたんですが、「エリートが集まって円卓会議で世の中をよくする」、というビジョンはまあいっても古典的ですよね。 もちろん集まって議論するのはいいことだしどんどんやれと思いますが、もちおさんがそもそも打ち上げた「集合知」というのは全然そういうものじゃありません。 優秀な者が集まって世の中を導くという考え方は哲人政治あたりから旧ソ連の計画経済まで根強くありますが、「集合知」というのはその弱点をおぎない、かつ超えるところにこそ凄みがあるし、20世紀の最大の発明とも呼べるわけですよ。 エリート主義の問題点は、彼彼女らが何をやっているかということを考えれば分かりやすいです。 エリートは状況を抽象化、モデル化し、そのモデルに従うように人々を指導、誘導します。 もちろん、うまくいくケースもある。目的が単一かつ明確で、状況に多様性や多面性が少ない時にはこれが大きな威力を発揮するでしょう(エリート

                                                                                    もちおさんと集合知の奇妙な冒険 - 赤の女王とお茶を