近代精神医学が成立する契機となった精神病者の「鎖からの解放」は、なぜ可能となったのか? ナチズム期の精神障害者大量殺人は、なぜ引き起こされたのか? 本書の目的は、近代精神医学史の出来事を記述することだけではない。その出来事の背景、そこにどのようなアイデアや思想が、歴史の流れがあったのか、そしてそれがどのように現代につながっていくのかを明らかにしていくことを主眼としている。 戦争、安楽死、反精神医学、優生思想など、精神医学との関係が真正面から語られてこなかったテーマに深く切り込む。 第一章 精神医学史の特徴 1.精神医学史とは何か 2.精神医学史のあるべき姿 3.精神医学史の範囲 4.精神医学史の特性 5.精神医学の現状とその課題 第二章 近代精神医学の成立──革命と精神医学 1.フランス革命とヨーロッパ啓蒙主義の流れ 2.宗教改革と対抗宗教改革 3.宗教改革以降の啓蒙思想 4.18世紀啓蒙