(Image by Zolnierek/Shutterstock) 日本では2020年3月以来、新型コロナ感染症対策として、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき、休業や営業時間短縮の要請・指示、外出自粛要請が行われ、2021年2月には罰則も導入されました。これらの措置には、日本国憲法が保障する営業の自由や移動の自由など、個人の自由を制限する側面がありますが、それが憲法上認められるかについては、十分に検討されていません。本研究は、特に生命権と国家の義務の観点から、この問題を罰則導入前の時点で検討し、憲法が、営業の自由および移動の自由の制限を許容し、さらに新型コロナ感染症対策により生命へのリスクを低減させる義務を負っていることを明らかにしました。 本研究ではまず、憲法上の概念を、「個人の自由を保障する概念」と「個人の自由を制限しうる概念」に分けて検討しました。営業の自由と移動の自由は前者