大阪都構想住民投票(大阪市を廃止し特別区を設置することについての住民投票)は、またしても「反対多数」という結果となりました。当初は公明党が「賛成」にまわるなど可決濃厚とまで目されていた今回の住民投票、なぜ反対派が勝利することができたのか不思議に思う人も多いかもしれません。今回は、「反対多数」となった理由について書き出したいと思います。 「現状維持バイアス」が大きく働いた 31日に筆者がYahoo!に寄稿した記事にも書きましたが、今夏までは賛成派が反対派を大きく上回っていたとみられる中、10月に入ってから急速に反対派が増えている理由の一つには「現状維持バイアス」が挙げられます。 「現状維持バイアス」を再度簡単に解説すると、行動心理学におけるプロスペクト理論に基づいたバイアスの一つで、未知なるものや未経験なものに対して、それを受容することに対する心理的な抵抗が現状維持を呼び起こし変化しないこと