国際機関や多くの専門家が発がん性や胎児への影響などを認めている有機フッ素化合物(PFAS)。欧米では全面使用禁止を含めた大幅な規制強化が進み始めているが、日本では当面、規制強化は見送られる可能性が出てきた。全国各地の汚染地域の住民から懸念の声が上がっているほか、化学物質の毒性に詳しい専門家も首を傾げている。 半導体の製造にも使用PFASは1万種類以上あるとされる有機フッ素化合物の総称。フライパンなどの調理器具や食品の保存容器、衣類、化粧品など様々な日用品に使用されているほか、半導体や泡消火剤、農薬の製造にも使われるなど、非常に幅広い用途がある。 だが、工場から排出されたり食品容器などから溶出したりしたPFASが飲み水や食品などを通じて人の体内に入ると、発がんや免疫機能の低下、脂質異常、胎児の発育不全など様々な影響をもたらす恐れがある。 世界保健機関(WHO)傘下の国際がん研究機関(IARC