VOCALOID(以下ボーカロイド、ボカロ)が巻き起こした、創作の連鎖。それを「場」として支えたのが、株式会社ドワンゴが運営するニコニコ動画というサイトだ。 ボカロブームの火付け役でもある「初音ミク」が販売された2007年当時、すでにニコニコ動画は個人が動画作品を投稿する場として一定の地位を確立しており、CGM/UGCプラットフォームの先駆けとなっていた。 ニコニコ動画がなければ、ボカロはここまで浸透しなかった。そう断言しても差し障りがないくらい、誰が見てもニコニコ動画とボカロ文化は蜜月の関係にあった。ライブ感のあるコメント、ジャンルを横断するタグ機能、クリエイターの競争心をくすぐるランキング、そして二次創作というカルチャー……ニコニコ動画に、同人音楽が育つ土壌がそもそもあったことも大きい。 あれから14年。ツールの進化、YouTubeの拡大、プラットフォームの乱立といった業界全体の変化を