「防弾板」の有無で評価ができないワケ 確かに零戦は防弾板を搭載していませんでした。しかしこれはけっして性能を重視したためでも、人命軽視のためでもありません。ただ単に零戦の開発が始まった1937(昭和12)年の時点において、防弾板の必要性については世界的に認知度が低かっただけにすぎず、ほぼ同時期に開発された他国の戦闘機も、一部を除いてほとんど搭載していませんでした。 零戦を操縦するパイロットの柳田さん。アメリカ在住であり、昔から零戦のパイロットになることが夢であったという(関 賢太郎撮影)。 戦闘機における墜落要因の多くは火災です。零戦はそのぜい弱というイメージとは反対に、設計時から胴体内燃料タンクの火災を食い止める消火器の搭載が要求されており、事実、最初のタイプからこれを搭載しています。後期型では比較的被弾する可能性の高い主翼内タンクにも設けられ、実際被弾して発火しても帰還が可能であったと